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「愛してる。」が、 溢れる終末期がん病棟

私は終末期がんの患者さんが来る病棟で薬剤師として働いている。
人の最期を日常的にみる。

私は一生の愛や、
一人の人を一途に永久に愛すことは
この世にほとんどないことだと思っている。

年齢が年齢だったから
家庭の事情、
さまざまなタイミングが重なって
結婚している人がほとんどだと
思っている。
故に、この人と出会わなかったら
一生独身だった。
誰のことも好きになってなかった。
なんて人はいないと思っている。


結婚後、生活をともにし、
子育てをしていくなかで
かつてのトキメキが
薄れていくことも自然なことだと思っている。

今や日本の3人に1人は離婚するという
しかし、それは不自然なことがないように思う。

お互いが自立していれば自立しているほど、
生きていく上で頼らなくてよいわけだ。

しかし、終末期がん病棟で働いていると、
何十年連れ添っている夫婦で
最期の最期まで相手を愛してる夫婦を
めにする。

ドラマの様だが、
死ぬ間際に本当に「愛している。」
という。

独身だから、子供がいないから
不幸せなわけはないが
愛している人がいる最期は

「愛している。」という
綺麗な言葉を誰かに伝えることができる。

その言葉を伝えられる価値はきっと
はかりしれないのだろう
と思う。

今日もまた死期がせまっている人がいる。

彼も残された奥さん、子供に
涙ながらに
愛していると伝えていた。


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