見出し画像

南インド料理「ドーサ」が異様に美味いという話

最近はインド料理というのがマニアックな存在では無くなった感がありますが、それは正確にはネパール人が作る何となくインドっぽい料理であったということもまた知られつつあります。

今やインネパ系カレーにナンのお店は明らかに衰退を始めたように思います。しかし、それは終焉に向かっているということではありません。それはインドカレーとして一括りにまとめられてきた様々な料理が本来の個性を主張するようになってきたという喜ばしい状況でもあります。

例えば、南インド料理専門店で提供されるミールスやビリヤニはちょっとしたブームになっています。また、ネパール料理屋さんでダルバートやタルカリが、パキスタン料理屋さんで肉肉しいカレーや煮込み料理が、スリランカやバングラデシュといった勢力も徐々に旗揚げが増えて来ています。

今日取り上げる「ドーサ」という南インド料理はそういった環境でもなければ日本で出会うことは無かったかもしれないなと思います。

「ドーサ」は南インド全土でポピュラーな朝食メニューの1つで、鉄板の上で薄く円く焼く見た目はクレープを想起させます。現地ではそれを豆やジャガイモをスパイスと合わせたポテトマサラやサンバルという野菜と豆の酸っぱいカレー、ココナッツチャトニといった具とともに食べられています。

表面はパリッとしたものや、やや柔らかいものもある様ですが、円筒形に丸めて提供されることが多く、それが特徴的なので目にも楽しめます。ですが、見た目からの想像以上に美味しい料理であることは改めて言っておきたいです。

焼いている段階から具を乗せて巻き込んだものもありますが、いずれにしてもちぎって何かを付けたり乗せたりして食べるのはナンやチャパティと同じです。

この生地の材料は米と豆です。
米と豆の比率は1:1、2:1、3:1と様々ですが、2:1が一般的なように思います。一晩くらい水に浸けたものをミキサーにかけてお好み焼きの生地くらいのトロトロ感にしますが、それをさらに発酵させるのが大丈夫なポイントです。その度合いも好き好きなので非常に奥深いのですが、まあまあ自由度が高いということでもあります。レシピもハウスやS&Bのようなメジャーな会社も公開してますし。

低温調理機能のある炊飯器で発酵させたら2倍以上に膨らみました。
ヨーグルトメーカーやオーブンレンジの発酵機能を使っても良いですし、真夏ならただ放置するのもOKです。だいたい一晩くらいです。
塩や砂糖、フェネグリークパウダー等を加えて、あまりにもボタっとしていたら水を加えて、またお好み焼きくらいのトロトロ感に調整します。この液体生地を「ドーサバッター」と言います。

先日カレー仲間と焼きの特訓をしました。ちょっとコツがいります。焼く道具は「タワ」というインドの専用フライパンがあるに越したことは無いですがフライパンやホットプレートでも焼けます。
私なんかは分厚いアルミ鉄板を使っています。きちんと油慣らしをしておけばくっつかずに焼けます。

温度は100~150度で生地を乗せた時にジャーー!!という音が出るようでは熱すぎです。この見極めはちょっと慣れが必要かもしれません。油を引いて馴染ませてから一旦火を止めて、お玉一杯くらいの生地を乗せます。それをお玉の裏やスプーン等で円形に伸ばしていきますが、これも最初は難しいかもしれません。

火を中弱火に調節してじっくり焼いていくと、生地がうっすら茶色になってきます。写真の3枚目くらいになってきたら周囲に満遍なく少し油を垂らして、生地表面にも適当に油を散らします。ハケで塗っても良いですし、ギィやバターを塗るとまたとても美味しくなります。
すると、ジュワジュワと音を立てて、生地がより濃い茶色になってきます。こんな感じです↓

https://youtu.be/JH-cOV4EwW8

焼き面が良い感じに焼き色が付いたかどうかの見極めも何度か練習しないと難しいでしょうが、やたら高温でない限りそう失敗しないと思います。

火を止めて円筒形に折り曲げて皿に盛ります。

切れ目を入れて円筒形ではなく円錐形にするのも面白いですね。

インドのレストランではパフォーマンスなのか一度に多人数で食べるためなのか、またはその両方なのかもしれませんが、こんな巨大なのもあるみたいですよ。

焼いている時に具を乗せる時はこんな感じに乗せて下さい。

果たして、こんな記事を書いたところでやってみよう❗と思う人がいるだろうかとも思いますが、これ、本当に美味いんです。生地自体の味も強いので具なしでも美味しいですし、しっかり発酵していればチーズのような風味もあって、ちょっと他には無い味わいです。
へぇ、それなら今度食べてみようと思ったら、どうにか提供しているレストランを探してみて下さい。

好奇心の強い方は作ってみてくださいw
焼けば焼くほどハマりますよ♪

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?