恋についての考察

今、なぜこのテーマを思いついたのか私にはわからない。

「恋は病気のようなものだ」と聞いたことがある。

人が病気になるまでのプロセスを考えてみる。病気になるときは、まずウィルスに感染し、潜伏期間を経て発病する。

そして、ほとんどの場合は発病してから自覚症状を感じ、自分は病気になったことに気づく。

恋も同じである。

ロマンティックでもなんでもないあるきっかけからある特定の人と出会い、

日常的に普通に接し、いつも通りに会話をして何事もなく日々を過ごしていくそれは同姓の友人と接すると等しく、これといった特別な感情もなく、

全く普通の関係で、たわいもない会話を交わしていたりする。

なんの前兆もないのである。

しかし、ある日突然に”感染”に気づく。

理由もなく、1日に何度かその相手のことを考えている自分に気づく。

頭の中でその人の顔が何度か思い浮かぶようになる。

そして、「これはなぜ?」と疑問を感じる。

ほとんどの場合、この疑問を持った時、自分が恋に落ちたことに気づく。

つまり発病しているのである。

一度発病してしまうと、1日に何度か思い出すどころの話では済まない。

1日中その人のことを考えてしまうことになる。

用もないのにメールを書き、その返信を心待ちにして無意識に

何度も送受信ボタンをクリックしてしまったりする。

もう重症患者である。

こうして考えてみると確かに「恋」は「病気」に似ているところがある。

そして、そんな重症患者は情けなくもあり、限りなく美しくもある。

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