你好と谢谢しかわからない私が推しの生日会に行った話⑦

こんにちは。最近のマイブームは家族と麻雀をすることです。

北京3日目中編

降りるバス停を間違えて目的地まで2キロ歩ききった私。いざ天空島のドアを開けると、いるわいるわ希希のオタクがうじゃうじゃです。文字通りうじゃうじゃでした。ここにいる女たちみんな希希のオタクなのかと思うと、まだまだ世界は広いなと思いました。男性のファンは少ないというよりいなかったと思います。カフェの中では配布物争奪戦の真っ最中。お目当ての物は全て回収したのか、満足げにカフェメニューを頼んでいるオタクもいました。カフェ自体2階席があったりとかなり広く、奥には宇宙船の中のような謎の通路が続いていました。

会う約束をしていた人たちに"天空島に到着しました!"とDMを送ると、服の特徴を聞かれました。実は私、今回はとっておきの物を身につけていたのです。それがこちら。

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レッサーパンダの帽子です。絶対に目立ってやるという強い意志が感じられます。会う約束をしている人にも"レッサーパンダの帽子をかぶっています!"と伝えればすぐにわかる仕様になっております。ぶっちゃけかぶるときはとても恥ずかしくて何度も脱ごうと思ったのですが、恥ずかしがっている場合ではないぞ!と意地でかぶり続けました。微博での配布告知の際にもレッサーパンダの帽子をかぶっていると知らせてあったので、たくさんの方にお声がけいただきました。そして驚くことに、こんな帽子をかぶっていてもジロジロ見られたり笑われることはありませんでした。逆に"かわいいですね!"と褒められっぱなしで、キモオタはとても嬉しかったです。中国いいとこ一度はおいで。

ここで少し思い出を語ります。配布物を渡すと「とてもかわいいです!ありがとうございます!」と日本語で一生懸命感謝を伝えてくれた子…配布をしている途中に人混みの中から手だけが伸びてきて「これ中国のお菓子!」という日本語とともに大量のお煎餅?が入った袋を渡してくれた子…突然ペンライトをくれて英語でベラベラ〜〜!と使い方を説明して去って行った子…わざわざデパートに売っているようなお菓子をお土産に準備してくれた子…事前に約束をしていたわけではないのに"交換したい"と書いた翻訳機を見せたら快く交換してくれた子…その他にも日本語でこんにちはとありがとうをたくさんもらいました。微博のアカウントもわからないし顔も覚えていない子たちばかりで、私からなにもお返しできないのが悔やまれるばかりです。

私はかろうじてかわいいという意味の"可爱"は聞き取れたので、配布物を渡したとき口々に「可爱〜!」と言ってもらえたのはすごく幸せでした。それだけでここに来た甲斐があったなと感じるほどです。

天空島でAちゃんを見かけたのですが、他の仲間たちと配布物を配るのに忙しそうで挨拶程度しかできませんでした。約束していた方達とも無事に配布物を交換し、チケットの交換時間が近づいていたので会場へ向かうことにしました。

ここでついに、前々から焦らしていたチケット問題が発生するのです。Aちゃんからこんなメッセージが来ました。

『俺ちゃん…最悪の事態』

このメッセージを見た瞬間、悲しさや驚きよりも「やっぱりか〜〜」という思いが強かったです。簡単に言うと、後援会が余ったチケットは全て回収し牛には売らない仕組みになっていたそうなのです。少し前にフォロワーさんの牛失敗談を見ていたので、ある程度覚悟はしていました。そのせいなのかあまり動揺もせず、メッセージの文面ではAちゃんのほうが焦っているように感じました。でも決して諦めたわけではありません。そりゃそうです、こんなお金と時間と苦労をかけて北京にまで来て会場の前で待ちぼうけなんて話はありません。

さてどうするかと思ったとき、今更ながら自分は完全にぼっちだということに気づきました。Aちゃんは席順のいいチケットを持っていたので先に会場に入ってしまいました。Aちゃん以外顔もわからないし言葉も通じない、私はチケットすら持っていない。謎の自信に溢れていた私でしたが、そのときはじめて絶望を感じました。

しかしここで救いの手が差し伸びます。どうすることも出来ず立ち尽くす私に、突然面識のない方から日本語で話しかけられました。私の投稿を見てくれた方かなと思い、挨拶をして配布物を渡したのですが、なんとなく相手と話が噛み合いません。その方が自分の微博の画面を見せてくれてやっと、一番仲の良い微博のフォロワーBさんだと気づきました。Bさんは大学で日本語を学び、卒業後もずっと独学していたのでそれはそれは日本語が堪能でした。

もうこの人しかいない。私は瞬時に思いました。関係のないことに巻き込んでしまうことはわかっています。一大イベントの直前に無駄な心配をかけさせてしまうことも承知の上です。でもこの人しかいないんだ…!というわけで悲劇のヒロインさながら、私はBさんにチケットの件について相談したわけなのですが、実はBさん、希希ファン界隈のTO的存在だったのです…………


つづく

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