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恋愛についての雑記

とある人の呟きを眺めての感想……が雑記並みに長くなってしまった。

『恋愛』なんて、大半の人が経験しないものです。創作作品の恋愛は基本的に『人間関係の物語』だったと思うのです。
ここ20年の間に『性的欲求(支配欲、被支配欲)を感じさせる物語』になってるので、そう思うのも無理ないのかなとも思うのですが、『恋愛=性的欲求を抱く』でもありません。

日本にはもともと『じょう』という考えがあったようなので、たぶん大半の人が理解しやすいのはこの『情』だと思うのです。【長く一緒にいて、相手の事が分かるようになるとどうしたらいいのかが分かるし、傷つけるようなことはしたくない】と思うようになるのが『情』です。家族に向けられる感情と言えばわかりやすい。

『愛』というのは翻訳の言葉で、日本での元の意味は『愛人あいじん』つまり、二号さん、妾というものですね。
本妻よりも妾に溺れて、家業をおろそかにする関係性みたいなものがおそらく『恋愛』の起源みたいなものではないかと思います。つまり【社会性を捨ててもその人とだけ一緒にいたい】という思いです。

こんな感情を社会に属する人のほとんどが抱いていたら、社会が成り立ちません。だから『特殊な人たちの物語』として語られていたのではないかと思います。もしくは、そこまでの行動には移せないひっそりとした思いで持っている人はいたかもしれませんが、少数派でしょう。

そんな少数派の人の気持ち、わかる訳がありません。わかったら怖いです。

ですが今、怖いのは『恋愛とは誰もがするもの。相手を支配して、支配されることに喜びを感じること』という物語があふれている事です。性愛はそのわかりやすい『支配の構造』でしかありません。
手を繋ぎたい、キスをしたい、その先もは恋愛ではありません。

今、世界的な流れでは『相手は何を思っていて、何を感じていて、何をしようとしているか』をお互いに確認していく事が恋愛のようです。特に関わってる時間がまだ多くない時期には確認は必須です。時間が長くなればなるほど、ある程度『無言の了解』は取れるかもしれませんが、それでも『嫌な時、したくない時は、そう伝えることができる』関係がベースになければそれは支配・被支配の関係で恋愛とは程遠いです。

ただ、多様性の恋愛区分けにそれが入ってるのを見ると、『子作りの重要性』から抜け出す社会にはなってないから仕方ないのかなと思います。性愛は最終的には『子作り欲』だと思ってるので、動物の本能として子作りしたい欲を恋愛に絡ませる必要はまだあるのかなと思うのです。

ただ、この先『人工授精』での妊娠が一般的になればそれこそ、性欲の必要性ってどれだけあるんだ?という世界が広がりそうではあるけどそこまで人間の世界が残っているかどうかは別。
最悪『代理母』という名の『奴隷に産ませる』世界になる可能性もゼロではないのです。

自分は性欲を抱かないけど、子育てしたいから誰かに産ませて子育てだけするみたいな。すでに恋愛なしで子育てするのも可能な世界ですね。

恋愛に性欲を絡ませる必要性がない世界がいいとも悪いとも言えないけど、少なくとも『性欲は恋愛とは別』にしておいた方が、私にとっては生きやすい世界です。

誰とセックスしたいかと、誰と一緒に暮らしたいか、誰と老いていきたいかは、全部別で一つずつ『私はどう思うか』と『社会はどう考えているか(社会システムはどうなっているか)』で分けた方がいいような気がする。


社会システムで考えるなら、『結婚のメリットを得るために異性と結婚する』というのはありだと思う。そして、そのメリットを『同性にも』は間違っていない。なにせ、一人で生きるには厳しい社会だから。
同時に『子供を持つシステム』は脆弱どころか、40年前の方がマシ状態なので、日本の少子化は『社会システムが子持ちに不利に働いている』結果が多少なりともあると思う。

私の知ってる人で驚いたのは、『離婚した方が子どもに有利だからひとり親になる』とそうした人がいる。夫の稼ぎが少なすぎて、離婚してひとり親支援の方が手厚いとなったらしい。好きとか嫌いとか関係なく、社会システムがそうなってるからその利益を取るという関係性もある。


最後に、人の愚かささえ許せる……もしくは、折り合いが付けることができるのが『情』だと思う。そこが許せないと、『自分の愚かさも許せない』事になってしまうから。ただこれは、『自分に被害がない場合』に限ってなので、『自分に被害を与える人』からは速攻逃げるのが吉。(だけど、恋愛もの作品だと自分に被害を与えてくる人を好きになるパターンも多くて、特殊性癖はR18でやってくれと思う)

私は『恋愛もの作品が嫌い』だけど、それって『支配・被支配関係』が嫌いなだけで、そうなっていない作品はむしろ好き。大体、一方がもう一方を振り回すだけみたいな。……振り回すというか、一方が勝手にどこかに行って、もう一方がそれを追いかけるみたいな関係性の物語。これ、なんて言うんだろう。

長くなったのでこの辺りで終わり。


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