車中泊用 凝縮式除湿器を手作りした経験!
凝縮とは飽和蒸気の温度を下げるか圧縮するとその一部が液体になる現象のことだ。
この記事は、凝縮式手作りクーラーをお勧めするものではない。
このようなものを作ったからといって夏場の車中泊が安全になるはずもない。
特に車内容積の小さいコンパクトカーは、自分の代謝熱でも熱中症リスクが大きくなると考えていた方が賢明だ。
梅雨時期の車中泊
車載エアコンを使えば暑さは凌げるが、マナー的にはエンジンを止めて車中泊するのが定説となっている。
そこでポータブルクーラーを作ってみようと考えた。
私もまだ高齢者と言われる年齢ではなかった時だ。
小型のポータブル電源では市販されている車用の100Vポータブルクーラーを動かせない。
安価な氷を入れるタイプのものは、その場しのぎで湿度も不快指数も下げることはできない。
凝縮式ポータブルクーラーDIY
家では部屋の中に凍ったペットボトルを置いて除湿をしている人もいるようだ。
しかし家の場合は部屋の大きさにもよるが、よほど機密性が保たれていなければ効果は期待できない。
部屋と比較しても車は容積も小さく、機密性も保たれていると効果が期待できた。
そこで車内の空気を循環させながら凝縮して湿度を下げることを考えた。
使えるものを探していると手ごろな発泡スチロールのボックスがあった。
これなら600mlのペットボトルを2本は入れることができる。
その箱を改良して作ることにした。
以前PCファンを二つ使って作った換気扇を利用することにした。
駆動は1.5Vの乾電池を8本直列に接続した12V仕様だ。
そのファンで強制的にこの箱の中に湿度の高い空気を送り込み、凍ったペットボトルに当てて結露を誘発するつもりだ。
排気口から乾いた冷たい空気を出すことができれば言うことはない。
予想通り作るのも難しくはなかった。
車用凝縮式クーラー検証
クーラーを作ってすぐに検証をした。
結果はまずまずだった。
容積の小さなコンパクトカーの車内の空気から80CCの水を取り除けた。
結果よりも検証をしながら気付いたことが多くあった。
天井高の低いコンパクトカーと言えど、湿度の高い空気は天井付近に溜まるということだ。
だから効率よく空気から水分を取り除くには、手作りクーラーを出来る限り天井近くで動かさなくてはならない。
最初は車中泊時に枕元に置いて使う予定だったから車内中央付近に置いて検証を始めた。
ところがすぐに温度が上がっていった。
ファンによって空気を拡散したことにより、天井付近の空気が下がってきたのが原因だった。
このことで湿度の高い空気は軽いということを実感できた検証になった。
ペットボトルの表面積を稼ぐために、発泡スチロールの箱の中にステンレスのフレキホースを敷いた。
ペットボトルの一面を発泡スチロールと密着させないためだ。
フレキホースも熱伝導率が高いので、ペットボトルの温度によって冷やされ結露するはずだ。
しかもフレキホースの形状からも分かるようにその表面積は広いはずだ。
検証結果は満足できるものだった。
車中泊で実際に使った感想
実際に車中泊で何度か使ってみたが、条件しだいで使えるという程度になった。
当然と言えば当然だ。
コンプレッサーを使ったクーラーに叶うはずもない。
温度を下げる効果はないため、夜の気温が高すぎる日はこの手作りクーラーよりも手作り換気扇を使って車内の空気を外気と入れ替える方が効果は高い。
夜の気温が低く外気の湿度の高い夜に限り効果的だった。
体感的には少しじめっとした蒸し暑い夜だ。
不快指数で言うなら70から80程度までだ。
しかも寝る前にスイッチを入れ、それ以降はドアや窓を開けないという条件下だ。
コンパクトカーの機密性は悪くなさそうだが、一度でもドアを開けると外の空気を多く取り込んでしまうことは避けられない。
最低気温が30度に迫る夏場で使えるほどの効果はなかった。
ちょうどあじさいが咲く今頃だけで効果が期待できる。
コンパクトカーの場合、車内容積が小さく機密性が高いという条件がこのクーラーを使うメリットになった。
しかしその条件は夏場の車中泊に置いての最も大きなデメリットでもある。
大人ひとりの体温や代謝による温度湿度変化が顕著に車中泊条件を悪くするからだ。
この凝縮式クーラーの効果は、車中泊をしている自分が発する熱や湿度をゼロにするところまではいかない印象だ。
車中泊者が自ら出す暑さを半分程度抑えてくれる程度と言うのが私の体感的感覚だった。
夏場は特に車中泊条件を読むのも難しくなるから、高年齢者にとって熱中症リスクも高くなる。
私も高齢者の定義である65歳を過ぎてからは夏場の車中泊をしていない。
高齢者は熱放散機能が低く深部体温が上昇して熱中症になりやすいのだそうだ。
自分が高齢者と言われる年齢になったとは思いたくないが、危険を犯してまで冒険をする年齢でないことは自覚しているつもりだ。
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