見出し画像

【嘘】丁寧な仕事

月の地平線に沈む瞬間を見たことがある人は、果たしてどれくらいいるだろうか。日本ではほぼ見られないため、おそらくみんな「その事」を知らないと思う。

空をぐるっと回り、ゆっくりと駆け、いよいよ地平線に隠れる時、月は管理人に受け取られている。空へ両手を伸ばして、ゆっくり降りてくる月をしっかりと抱え込む。受けとった管理人は月の世話をする。そしてまた、次の空へと浮かべる。とても丁寧に扱い、どんなに細かな不調も見逃さず、日々時間をかけて月を整えている。

勘違いしないで欲しい。勿論、月は地球の衛星だ。当然、地球の周りを回っている。つまり、この天体としての月と、おそらく今みんなが想像しているこの月は別のものなのだ。
月という概念が長年人々の意識に住み着いているのは、管理人の丁寧な仕事によるものなのだろう。

ありがとう