【雑】エンドロール

もしも背中に翼がはえたのなら、いっそもうこのスクリーンから飛び出してやる、と映画の中のサラリーマンが空を見上げて叫ぶので、なかなか映画が終わらず、エンドロールに抗う物語を目の当たりにして、それでは自分のそれはどうなんだと、己の物語を省みて映画館の天井を見ると、今まさにエンドロールが降りてきて、しかしこの物語が続いたとしても客は退屈だろうと思い、諦めてもう眠る事にしたら、スクリーンから翼の生えたサラリーマンが飛び出してきて、エンドロールから逃げ出した先にエンドロールが流れる事に驚いて、更にここから出ようと飛び出したので、思わずその手を掴んだら、気が付くと見覚えの無い映画館で、観客は一人、寝ている。the end。

ありがとう