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需要と供給について
①需要と供給とは
「需要」とは、ある商品を買おうとすること
「供給」とは、ある商品を売ろうとすること
一般に、ある商品の需要量は価格が上昇すると減少する。 逆に供給量は価格が上昇すると増加する。 そして、ある商品の需要量が供給量よりも大きい場合には価格は上昇し、供給量が需要量より大きい場合には価格は下落する。
日本の株式市場でその名を知らぬモノはいないといっても過言ではない、相場師トンピンさんも折々に言霊の如く「需給」を唱えております。
なぜなのか?
株とは切り離した経済学の部分から仕組みを理解する必要がありそうです。
株で一番大事なのは需給と思う。
— トンピンフィナンシャル CEO 山田 亨 (@Tonpin1234) May 26, 2018
需要 買いたい人
供給 売りたい人
需要と供給のバランスが崩れた時、その方向へ動く。
大口が供給を停めて需給を歪ませた相場は上昇度合が大幅になる。 pic.twitter.com/UlXjoEEehi
②価格と需要・供給の関係
需要曲線と供給曲線をいっしょに書いたのが下のグラフとなります。
![](https://assets.st-note.com/img/1696730580411-SiYXcJ2xmY.png)
市場価格はこのようにして需要量と供給量が一致する点に近づいていきます。 需要量と供給量が一致したときの価格(上のグラフのP円)を「均衡価格」といいます。
ここについて詳しい解説はしませんが、もっと深く理解したい方は下記リンクの動画(前半8分位)を拝聴してみるとわかりやすいですよ
③事実に基づいた需給の例
1)オイルショック
1973年(昭和48年)10月、中東の産油国が原油価格を70%引き上げたことを受け、のちに「狂乱物価」といわれるようなインフレが発生
当時の中曽根通産大臣がテレビ番組内で「紙の節約」を呼びかけたことから、10月下旬にかけて「紙が無くなるらしい」という噂が全国に広まったといわれています。そして11月、大阪市のスーパーで発生したトイレットペーパー買い占め騒ぎが報道されたことをきっかけに、日本中の小売店の店頭から洗剤、砂糖、塩、しょう油までもが消えることになりました。トイレットペーパーの価格は、1.5倍程度まで上昇し、3倍から4倍の値段をつけても売り切れたといわれています。
![](https://assets.st-note.com/img/1696842634910-jt65qeqNgy.jpg)
これを需給曲線に当てはめてみると…
![](https://assets.st-note.com/img/1696731848057-wMOFnTrsdf.png)
このように需要曲線は右側にシフトし、需要≧供給がより顕著となり
価格が高くても欲しいと思う人が増え買いが買いを呼ぶような形になる。
2)新型コロナウイルス
新型コロナウイルスを抑え込む対策で世界経済が停滞。ウイルス感染を防ぐための移動・外出規制で、航空機や自動車による人の移動が止まり、エネルギー需要が世界で吹き飛んだ。
エネルギー需要の急減で原油供給が過剰になっており、原油を貯蔵するスペースが限界に達しつつあった。
![](https://assets.st-note.com/img/1696732895593-jqJMc9flUU.png)
また、日本においては外出自粛(巣ごもり)により家庭用ゲーム機や在宅ワーク率上昇によるPC関連の需要が増えた例がある一方で、飲食業全般は食材や雇用数の供給過多による材料(牛乳、野菜、魚介類)の廃棄、店舗休業、廃業が増加し日本経済にも大きな影響を及ぼした。
![](https://assets.st-note.com/img/1696734062961-NOXLisdZGm.png?width=1200)
これを需要曲線に当てはめてみると…
![](https://assets.st-note.com/img/1696735083880-S4VwpGd4nk.png)
このように需要曲線は左側にシフトし、類を見ないパンデミック等により物理的な規制や心理的不安が高まることにより、モノの増え買い控えや雇用の維持困難を生む形となり需要が減少する。
④株における需給とは
前述では、経済一般論における需給について説明したわけですが、
株式市場においてはどうでしょうか。
株に投資する = 銘柄を選定するにあたり
どうしても無視することのできない超超重要な指標があります。
それが「需給」です。
需給の中でも「制度信用倍率」を無視することはできません。
それくらい重要な指標です。
ここについては、先人の方が詳しく解説されているので、
ぜひ目を通してみてください
⑤過去の銘柄から紐解く
9820 エムティジェネックス
10年以上株式投資されている投資家にとっては、後のゲームストップ株の先駆的銘柄と語り草になっている。
![](https://assets.st-note.com/img/1696762768741-SrW22Iid4E.jpg?width=1200)
御覧の通り、2018年8月に急騰し、上場来安値から驚愕の115倍を付けた。
上場来高値:2018年 45,950(9/25)
上場来安値:2008年 400(8/10)
![](https://assets.st-note.com/img/1696763110235-9oCPOwzzdH.jpg)
上の需給グラフをみると、信用買い残が増えるとともに貸株残高※1も増加する中で8月に開示された決算内容も好感視され、個人投資家にも注目が集まり急騰前に売り建てを入れていたヘッジファンドの機関も上値で買い戻しを余技されなくされた。
※1「貸株残」とは売り建て残高のこと
この急騰を先に説明した経済における需給との関連付けができます。
![](https://assets.st-note.com/img/1696764832172-hphyUTWTaT.png?width=1200)
上記のグラフはマスクの日次の販売額の推移である。前年水準と比較して大幅に上昇しており、コロナウイルスに関連する各種アナウンスと連動していることが見て取れる。
明らかに需要過多、供給不足ですよね。
これってエムティジェネックスのチャートと似てませんか?
これが「需給」なのです。
そして冒頭でも説明した需要供給曲線は、下図のように点線方向へシフトし、マスク需要増加に伴い価格は上昇する。
だがいつまでもその状態は続かず、政府のテコ入れなどにより生産数を短期で引き上げることによって供給量が増加し、均衡価格は元の水準に戻るといった構図になるわけです。
![](https://assets.st-note.com/img/1696765288416-s7xOCMtXyV.jpg)
⑥結び
今までの説明を株の需給に置き換えた上でのポイント
1. 信用買い残/売り残のバランスで需給が大きく変わる
2. 上値で増える信用買い残は特に供給を増加させる大要因となる
※下げた局面で信用建の損切りをきっかけに釣られ売り、機関の空売り等で売り圧増加
3. 企業の成長性が見込める(将来の予測が安定株主増加に繋がる)
4. 浮動株の数量や保有率の多い大株主の貸株状況で需要≦供給となる
5. 貸株の意思無き固定株に加え、浮動株を現物で固めると需要≧供給となる
6.ヘッジファンドの売り建ては将来の買い圧になる
※但し価格帯は重要
【株の格言】
『需給はすべての材料に優先する』
様々な変動要因により相場が一時的に振れることはあっても、最後は結局、需要と供給の量を素直に反映した相場に落ち着くものなので需給をしっかりと把握しておくことが肝要であるという意味。
結局、株は需給ってことです。
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