ダボス会議をライブ配信する豊島晋作キャスターがすごすぎるー国際会議の現場ー

ダボス会議とは何なのか?参加する日本人も、取材する日本のメディアも限られているためか、勝手に妄想が膨らんでしまっているように思います。

しかし、そこに切り込んだのがテレ東BIZ!
現地の様子を切り取って編集した録画映像だけでなく、ライブ配信で現地の様子をレポートしています。

アポなしでその場で人を捕まえてインタビュー
英語で質問、日本の視聴者のためにその場で同時通訳
カメラマンへ撮影場所、インサート映像、テロップ出しの指示
インタビューしながらライブ配信のチャットで入ってくる質問にも対応
同行クルーが他の撮影隊の邪魔にならないよう気遣り
(早口だけど)トークがよどみなく、インタビュー中でも解説を差し込む
2時間ちかいライブ配信、動きっぱなしでしゃべりっぱなし

すごい、すごすぎる。
取材する人がみたらわかる。本当すごい。一人何役よ、これ。
ちょっとゲリラ的なライブ感も、見ててワクワクするし。

何とメディアセンターまで映し、参加費にも階層があって、NHKは独立ブースを確保しているのも映し出される一方、予算を払えないテレ東は共有スペースらしきデスクのみ。テレ東クルーの渡航はエコノミー、宿泊は近隣ホテルの料金爆上がりのため、車で20分くらい移動した家を借り切って男性5人で泊まり込んでいるという(トイレは1つ)。

日本から唯一参加のスタートアップ企業と日経欧州総局長の話

スタートアップとして日本から唯一参加している会社、HIROTSUバイオサイエンスにもインタビュー。線虫という生物を使ったがん検査の開発をしている会社で、尿で全身のがんリスクが判定できる(感度が86.3%、しかもステージ1の感度が高い)世界初の技術を有し、すでに55億円を資金調達したとう。つまり、ダボス会議って、企業にとっては、資金調達、ネットワーキングや商談の場。ただし、自由参加ではない。どうやってダボス会議に見つけられたか聞かれ、「ある日突然連絡があった」のだとか。

豊島氏によれば、今、ヨーロッパにとっての喫緊の課題はウクライナに戦車を提供するか否か。当然ウクライナ関連セッションも多く、In Defense of Europeというセッションではポーランドのドゥダ大統領が開戦前後にゼレンスキー大統領とのやり取りがあったこと、武器が必要な状況についても電話が入ることを明かしていたという。

そしてドイツの政治家に太い人脈を持つ日経新聞欧州総局長にそれを聞いている。またこの赤川総局長の話がすごい。ダボス会議の裏のテーマは武器供給で、平和主義ドイツと中立国のスイスがどうやってウクライナに武器を渡すか話し合ったとか。ドイツの軍需産業は侵攻以来ウハウハ、しかもドイツ製戦車欲しいって言われてドイツもまんざらでないけど、戦車を渡す一番手にはなりたくない、EUはロシアとの文化的つながりも断ち切る覚悟とか。

こういう話を短時間で聞き出せるのも豊原氏の広く深い知識としゃべりたくなるような聞き方があってこそ。さすがテレビの人。全体を俯瞰し、通訳通さず会議を聞き、日本の立ち位置を認識しながら要所を押さえ、日本語でノンストップの2時間ライブで、視聴者の質問に対応して解説しながら伝える。8時間時差のある日本のテレビ中継にも対応。こんなことできる人なかなかいない。

EUはじめあらゆる方面のルール作りを行うこの会議、全て英語で行われるため、日本人が出ていって、いやここはこうだよって議論ができていないことも指摘している。ジャパンナイトという会合では、日本企業が集まり、法被来て、がんばろ~ってやっていましたが、こういう日本人の集まりでなく、ヨーロッパ主催の集まりに呼ばれるためには、(高い参加費を払って)何度も来ていないと難しいそうで。

取材者の力量丸見えのライブ配信

豊原氏のことあまり存じあげなかったが、帰国子女ではなく、Wikipediaによると、ロンドン兼モスクワ支局長で3年間駐在していたそうなので、英語はロンドン駐在時に学んだのだろうか。にしては有能すぎる。現地スタッフまかせのメディア駐在員もいるなか、おそらく豊原氏はその当時もいろいろマルチタスクをこなされていたのではなかろうか。

横を向いたときの雰囲気が元テレ東の佐久間宣行氏に似ているような(雰囲気ですよ、雰囲気)。テレ東、佐久間氏や上出遼平氏など、すごい人材出し過ぎ。いや、テレ東だからそういう人材に育っていくのか。

報道にライブ配信という手段が出てきて、テレビの映像、新聞の文字だけでないスキマの情報が見られるようになったのは視聴者にはありがたいこと。でも取材者にとってはフル回転だし、無編集のライブは取材力がもろに公開されてしまう。それをこなしている豊島氏、それをさせているテレ東、ただただすごいと思いました。

そしてテレ東BIZライブ映像の貴重さは、ダボス会議の公式サイトではわからない現地の様子を取材していることにもある。ダボスの町の雰囲気、カンファレンスセンターの周辺や内部。そして去年のダボス会議ではゼレンスキー大統領のスピーチが熱気に溢れ最後はスタンディングオベーションだったのに、今回の会議では会場がガラガラだったとか。これも現地に行かないとわからないこと。メインストリームメディア(テレ東もそうだと思うけど)の地上波では触れないこと、いろいろ聞けました。

また、世界経済フォーラム第四次産業革命日本センターでも会議の内容が日本語でまとめられて、450もあるというセッションの多くは公開されているので、興味ある分野や自分の専門分野を覗いてみるのもよいと思います。

今後もテレ東BIZからはダボス会議のコンテンツが出てくるようです。この会議自体に関心なくても、トップクラスの国際会議の現場やその裏側が見られるだけでも貴重なコンテンツになっています!

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