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「道でおじいさんを助けてて、遅刻しました!」

#30日間チャレンジ 8日目

これを読んでいるあなた、

こっそり自慢させてほしい。


先日、「道でおじいさんを助けて、遅刻する」という嘘のような本当の出来事に遭遇した。決して遅刻の言い訳をしているのではない。おばあさんではなくおじいさんに変えることで、本当っぽさを醸し出すような小細工はしていない。

コトの顛末はこんな感じだ。



よく晴れた日の日曜日。仕事で、北千住に行った。その日は快晴で、集合時間にはまだ早かったので、近くをうろうろすることに。
はじめての町を歩くのは好きだ。北千住のおそらく飲み屋街と思われるだろう道にたどりつくと、おじいさんはそこにいた。

正確に言うと、道のど真ん中で寝そべっていた。
酒屋とみられるお兄さんと、通りがかりのおばちゃんがそばについていた。
どうやら、腰を痛めて起き上がれないようだ。

その2人と僕とで、一緒におじいさんを介抱をしていたのだが、酒屋のお兄さんはおそらく仕事中で焦っている様子。おばちゃんも何か用事があるようだったので、成り行きで1人で介抱することに。

おじいと話すと、家がすぐそばにあるからとりあえずそこに帰りたい、という。トドのような巨体を抱え、家まで連れて行く。

途中で女性の警察官がやってきた。さっきの酒屋の兄ちゃんが知らせてくれたらしい。2人がかり、やっとのことでトドを家まで運んだ。

応援の警察官がまた来るらしいので、その場は任せて急ぎ足で集合場所のマックへ向かった。もちろん集合時刻はとうに過ぎている。

という感じで、ぼくは、おじいさんを助けて遅刻するという偉業を成し遂げたのである。ぼくのやりたいことリストには、また一つチェックがつけられた。



さて、最近リストを達成することが多いので、今回はこんなふうに更新してみることにした。

・道でおじいさんを助けて遅刻する。そのことを家に帰って妻だけにこっそり自慢する。

どうだろう。こっそりというところがポイントだ。

おじいさんを助けたあと、家に帰るまで誰にも話さず、自分の心に留めておく。
誰かに伝えたくてはやる気持ちを抑えて、わくわくしながら帰路に着き、子供のような笑顔で奥さんに自慢をして、褒めてもらいたい。なんと可愛い夫だろうか。

達成にはまず妻が必要だが、そんなことは関係ない。
やりたいことリストの世界では僕は自由でなんだってできるのだ。

ところで、助けたおじいさんは居酒屋をやっているらしい。じじいを運びながら、「どこまで?」と聞くと「けい子まで」「けい子まで」とぼそぼそ言っていた。トトロかよ、こちとら猫バスじゃねえよ。というツッコミを胸にしまう。どうやらお店の名前のようだ。汚くてうるさくて安くてうまい。そんな形容詞がぴったりなお店だ。※これは褒めている。



「今度のみにきてよ」とも言ってくれた。社交辞令だろうがなんだろうが、図々しく突撃したいと思っている。あわよくば1杯おごってもらうからな。
たとえ行ったとしても、あのおじいは僕のこと覚えてなさそうだけれど。まあいいや。何かの縁かもしれないし、そうでないかもしれないし。

北千住は飲み屋だけでなく、銭湯も多い町らしい。そういえば、金八先生の舞台になった土手もあると、「月曜から夜ふかし」で紹介されていたような。

少し暖かくなる春の夜に、
飲み屋(けい子)+銭湯+土手散歩=GOODNIGHTという方程式をつくったところで、こちらもやりたいことリストにつっこんでおく。ご一緒してくれる方も募集している。


そんなこんなで、今日はここまで。ちゃお。

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