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お香作り~練香(ねりこう)~

練香作成

お香作り、今回は、「練香」(ねりこう)です。
練香は、奈良時代に唐より伝えられたとするお香の一種です。
各種香料を「お題」に合わせて調合し、更に炭粉や蜜を加え、丸薬状に成形して作るお香です。「薫物」(たきもの)ともよばれています。
 昔は、ツタ植物から採取した「あまずら」という蜜を用いていたようですが、室町時代には、「黒蜜、白蜜」も用いられたようです。
 現在でも、お茶人や、香愛好者に用いられる練香ですが、平安の頃と、現代の物とでは、香料の配合比が多少異なるようです。

六種の薫物

平安時代、宮中では、季節毎に応じ用いる薫物(種類)は基本的に定められていました。
『春』【梅香】・・・ばいか
『夏』【荷葉】・・・かよう
『秋』(冬)【菊花】・・・きっか
『冬』(秋)【落葉】・・・らくよう
(冬)【侍従】・・・じじゅう
『四季』黒方・・・くろぼう

黒方は、格式が高く、季節問わずフォーマルに作成される練香です。
原料は、沈香(じんこう)・丁子(ちょうじ)・貝香(かいこう)・
白檀(びゃくだん)・薫陸(くんろく)・麝香(じゃこう)
の六種で作成します。
 使用はするけど、表にだしてはいけない香りがあります。
それは、「貝香」と、「薫陸」です。「貝香」は、香りを安定させる効果がありますが、いれすぎると、温めたときに、貝の腐ったような匂いが広がり、とても臭いです。入れるのは、耳かき一杯ほど。私は、興味本位で、ちょっと多めに入れてみましたが、やっぱり、「くさっ!」となり、先生に注意されました笑
 でも、やってみないと、わからないこともあります笑

こねこね

蜜を加えてすり鉢である程度混ぜたら、手で、こねこねしていきます。
炭粉がはいっているので、真っ黒になります。炭粉は、着火剤の意味もありますが、ここでは、カビ防止の意味が大きいです。


練香


電気式聞香炉

ほのかに

電気式聞香炉が温まってくると、練香から、ほのかに香りが漂います。
煙があがることはなく、じんわりと、部屋に香りが広がるような感じです。
 タニ沈香を使用すると、枯れた渋い感じの香り、シャム沈香を使用すると、ほんのり甘い優しい香りになります。
 調合する種類によって、香りの変化が楽しめるので、お香は本当に奥が深いです。
 お客様がいらっしゃる前や、就寝前にお香を温めておいて、そっと香りが漂うのもよいですね。もちろん、朝起きてお香を楽しむのも、贅沢な時間だなと思います(^^)
 

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