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FP1級実技試験体験記④ 2021/6/13試験PART1実録

  • FP1級実技試験体験記① 受験のきっかけと参考書

  • FP1級実技試験体験記② 受験申込~受験日まで

  • FP1級実技試験体験記③ 受験当日の流れと注意事項

  • FP1級実技試験体験記④ 2021/6/13試験PART1実録

  • FP1級実技試験体験記⑤ 2021/6/13試験PART2実録

試験結果

131/200点
顧客の問題点の把握:28/40点
問題解決策の検討分析:38/60点
顧客の側に立った対応:39/60点
FP倫理と法令順守:26/40点

2021年6月13日Part1実録

問題

■ご注意ください■
以下の記録は模範解答ではなく、受験者の回答は必ずしも正しいものではありません。実技試験当日の実際の雰囲気や面接の流れをイメージしてもらうことを目的に作成しています。

13日の試験は今回(2021年6月試験)の試験の中では最も典型的(理解しやすい)な問題だったと言われていますし、私も他の日の問題を見てそう思いました。「少数株主の対策」というポイントはちょっと自信がありませんでしたが、それ以外のポイントは抑えられそうかなと。株価の計算も事前にしておき問題用紙に記入。以下、面接官とのやり取りを記載しています。

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面接官「それでは読んでいただいた説例の課題について箇条書きでお答えください。」

受験者「はい、5点あげたいと思います。
① X社の事業承継について
② 少数株主対策について
③ Aさんの遺産分割について
④ 納税資金対策
⑤ 相続税の軽減対策
以上です。」

面接官「はい、まずX社の株式評価方法について教えてください。」

受験者「X社は中会社の大ですので、類似業種比準価額0.9、純資産額0.1の比率で計算します。ですので、3,700円になります。」(計算しておいてよかった)

面接官「わかりました。先ほど少数株主のお話がありましたが少数株主の場合の評価方法はどうなりますか?」

受験者「その点については持ち帰り確認いたします。」(配当還元方式?だと思うけどちょっと自信がないので持ち帰りに)

面接官「はい。続いてX社の事業承継ですがどのように提案しますか?」

受験者「事業承継税制の利用を検討することを提案したいと思います。」

面接官「はい。Dさんへの事業承継で事業承継税制を使う場合に現在の株価はそのまま引き継ぐ?」

受験者「いえ、株価の引き下げ策を実施後に贈与することが望ましいです。」

面接官「株価の引き下げにはどのような方法がありますか?」

受験者「はい、まずは退職金の支給です。設立メンバーの方も全員退職を予定しているということで、退職金を支給することで会社の損金となり、株価を引き下げることができます。また、現状は配当の実績がないようですので、記念配当や特別配当などを支給することも提案します。」(複数項目を少し長めに回答し、追加質問がこないように)

面接官「少数株主の株式対策はどうしますか?」

受験者「金庫株としてX社が買い取ることを提案します。」(あえてAさんの買取など、他の選択肢を入れずに回答。金庫株の課税関係を聞かれるように)

面接官「その場合の課税関係はどうなりますか?」

受験者「はい、売却価格にもよりますが、資本金額を超える部分についてはみなし配当所得として総合課税対象となり、資本金と買い取り価額の差額は譲渡所得となります。」

面接官「続いて遺産分割ですが、遺言について最近改正がありましたがお答えいただけますか?」

受験者「はい、説例にも記載がありますが、自筆証書遺言の法務局での保管制度が2020年7月から始まりました。これによって自筆証書遺言についても家庭裁判所での検認が不要となりました。」

面接官「はい。では続いて先ほど事業承継税制の話がありましたが、その場合は兄弟間で財産の偏りが起こりますよね。それについてはどう考えますか?」

受験者(お、これは定番の流れ?)「AさんはCさんには財産を残す必要がないと考えているようですが、Aさんの財産はX社株の比率が非常に高いので遺留分の侵害も考慮する必要があると思います。具体的には民法特例の除外合意を…」

面接官「でもこの場合Cさんは納得しないよね。」

受験者「あ、その場合は固定合意…」

面接官「いや、それも同じことで、もしCさんが遺産分割に納得いかない、となったらどうすればよいですかね?」

受験者「…生命保険等による代償分割を検討します。」(想定外の流れだった)

面接官「はい。ところで遺留分協議がまとまらなかった場合はどういった特例に影響を与えますか?何か書類を提出する必要がありますよね?」

受験者「持ち帰り確認いたします。」(これは完全にわからなかった)

面接官「わかりました。では、小規模宅地等の特例についてはどのように利用しますか?」

受験者「自宅土地についてはBさんが相続することで300㎡すべてが80%評価減となります。また、X社本社土地はDさんが取得し要件を満たせば…400㎡まで80%評価減となります。この場合自宅土地との併用適用が可能です。」

面接官「相続税軽減対策としては?」

受験者「Dさんに対して住宅資金の一括贈与を行うことで非課税の特例が適用できると思います。」

面接官「はい。省エネ住宅の場合の適用限度額はいくらですか?」

受験者「1,500万円です。2021年4月から引き下げの予定でしたが税制改正で見直され、据え置きとなっています。」(直近の改正をチェックしてますアピール)

面接官「家を新築した場合ですが、名義はどのようにするのがよいと思いますか?」

受験者「AさんとDさんの共有名義にする形がよいと思います。」

面接官「ではBさんへの配偶者居住権についてですが、共有名義の場合に配偶者居住権は設定可能でしょうか?」

受験者「…持ち帰り確認いたします。」(3回目はさすがにマズいか?と思いましたが会話の流れを重視。沈黙の方が印象が悪いのではと)

面接官「では、FPの職業倫理についてお答えいただけますか?」

受験者「はい、顧客利益の優先、守秘義務、説明責任、インフォームドコンセント、コンプライアンスの徹底、FPの自己研鑽、以上です。」

面接官「はい、その中で本説例で重要だと思うものを理由と合わせて教えてください。」

受験者「はい、この説例では事業承継や様々な特例の提案等があり、家族が一つ一つを理解して進めることが重要と考えますので、インフォームドコンセントを重視したいと思います。」

面接官「面接は以上となります。お疲れさまでした。」
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アラームが鳴らなかったので時間は12分弱だったと思います。持ち帰りが3件あったことは反省点ですが、会話が嚙み合っていないということはなかったと思います。沈黙してしまうことは自分としては大きな減点になる(会話ができていない)と思っていたので、わからないものについては「持ち帰ります」として堂々と?答えるようにしました。控室に戻り、すぐにpart2のポイントを確認。買い替え特例とか譲渡特例とかの概要を今一度復習して次の面接を待ちます。

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