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3ヶ月予報(4〜6月)

3月25日発表の3ヶ月予報です。春〜初夏は気温が高いでしょう。

1.一般向け

暖かな春〜初夏

向こう3ヶ月の気温は北〜東日本は高く、西日本は平年並みか高く、沖縄・奄美はほぼ平年並みの予想です。北からの寒気の流れ込みが弱いため、北ほど高温傾向が強くなります。特に4月の北日本の高温が顕著で、急速に季節が進むため、融雪による冠水や洪水に早くから注意する必要があるでしょう。落雪にもお気をつけください。

梅雨前半は雨多い?

向こう3ヶ月の降水量は全国的にほぼ平年並みの予想ですが

沖縄・奄美は5月になると梅雨に入りますが、5月は平年並みの範囲で降水量がやや多い予想です。ラニーニャの傾向が残ることにより、南西諸島には南東から暖かく湿った空気が流れ込みやすく、雨が多くなりそうです。

2.専門版

熱帯

SST(3ヶ月)

熱帯域のSSTはインドネシア付近〜太平洋西部で高く、太平洋中部〜東部は低い。
ラニーニャ現象は春の間に終息する見込みだが、6月にかけてラニーニャの傾向は残るとみられる。また、インド洋は西部で負偏差が大きい傾向。

200hPa速度ポテンシャル(3ヶ月)

これに対応して、インドネシア付近〜フィリピンの東海上付近を中心に対流活動が活発。インド洋西部と太平洋中部は不活発の予測。

上層

200hPa流線関数(3ヶ月)

上記の上層発散に対応して、ユーラシア大陸南部で高気圧性循環偏差となり、大陸付近では偏西風は北偏傾向。その波束伝播と負のPNAパターンに伴い、千島付近からアラスカの南にも高気圧性循環偏差となる。日本付近はこれら2つの間で、偏西風は平年の位置を流れる見込み。

中層

500hPa高度(3ヶ月)

500hPa高度は、中緯度帯は広く正偏差で、千島〜アリューシャンの南は特にその偏差が大きい。ふのPNAパターンによるものと思われる。日本付近も正偏差域で、北からの寒気の流れ込みは弱い。

下層

850hPa流線関数(3ヶ月)

850hPa流線関数は、熱帯の対流活動に対応して、南シナ海〜フィリピンの東は低気圧性循環偏差。インド洋は赤道対の低気圧性循環偏差、日付変更線付近には赤道対の高気圧性循環偏差が見られる。南西諸島は北東風偏差となるため、南からの湿りが入りにくい時期がある。また、上層の高気圧性循環偏差に対応して、アリューシャンの南には高気圧性循環偏差がみられ、日本付近もその偏差に入っている。

850hPa流線関数(5月)

5月は南西諸島も低気圧性循環偏差で、南東風偏差となるため、湿りは入りやすい。

850hPa流線関数(6月)

6月は南西諸島〜西日本の南海上も高気圧性循環編となり、太平洋高気圧の張り出しがやや強い傾向を示している。高気圧の縁を回る湿りが、西日本に入りやすい傾向。

海面気圧(3ヶ月)

海面気圧は下層循環に対応して、南西諸島の南〜日本のはるか南は負偏差、
アリューシャンの南は正偏差。
北日本を中心に高気圧に覆われやすく、寒気の影響も受けにくいためやや少雨傾向。南西諸島付近の偏差は小さく、3ヶ月平均ではほぼ平年並みの範囲での降水量が見込まれる。

海面気圧(5月)

5月は南西諸島付近は負偏差で前線や湿った空気の影響を受けやすく、やや多雨傾向。

海面気圧(6月)

6月は上述の通り、太平洋高気圧の張り出しが北に強く、高気圧に覆われやすい南西諸島は少雨傾向、縁辺流の影響を受けやすい西日本ではやや多雨傾向。

850hPa気温(3ヶ月)

850hPa気温は、日本付近は正偏差で、北ほど偏差が大きい。北から寒気が流れ込みにくいことと整合的。南西諸島は高温傾向ではあるが、偏差は小さい。これは北東風偏差となる時期があることに起因していると思われる。





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