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#11 いじめられた中学時代の話

はじめに

皆さん、こんにちは。

このnoteでは、いつか触れようと思っていた中学時代のいじめについてお話しします。今では笑い話にできる部分もありますが、記憶の奥底にしまい込んでいたため、書き進めるのは簡単ではありません。しかし、これが少しでも皆さんの考えるきっかけになればと思いながら書いています。

アンケートにこの話題を書いたものの、実は選ばれることは望んでいませんでした。そのため、アンケートの最後に記入しましたが、タイトルのインパクトもあって結局選ばれてしまいました。予想はしていたものの、心の準備はできていませんでした。

中学時代、私は柔道のためだけに学校に通っていました。これは比喩ではなく、本当にその通りの意味です。柔道がなければおそらく不登校になっていたか、転校していたと思います。それほど学校という空間、そして周りの人間が嫌いでした。これは、地元を離れ、20数キロ離れた県の強豪校に進んだ少年が、柔道によって心身ともに救われたお話です。

中学時代のいじめ

私が入学した中学校は、3つの小学校が統合された学校で、入学当初からそれぞれのコミュニティが出来上がっており、私の居場所はほとんどありませんでした。また、「柔道が強い生意気なやつが入学してくるらしい」という噂が広まり、周りからの視線がとても辛かったです。

目立ちたがり屋だった私は、入学早々から卒業までの3年間、柔道が強いという理由で学級委員長を押し付けられることが多かったです。しかし、これも周りが自分たちのやりたくないことを私に押し付けていた結果でした。

いじめには様々な形がありますが、私の場合は妬みや嫉妬からくるものでした。机や靴を教室の外やトイレに放り出されたり、クラスの中心人物から常に罵声を浴びせられたり、一人が一言いじると、そこから集中砲火が始まることもありました。遊びの延長での暴力もありました。1対1であれば対処できるものも、1対多数になると人間は弱いものです。

また、容姿のことを馬鹿にされることも多々ありました。中学時代、柔道部は坊主だったのと、私は遺伝的に髪質が細く、毛量もあまり多くないため、坊主から少し髪が伸びると「ハゲ」とあだ名をつけられました。皆さん覚えていますか?「はげ~はげ~そんなのや~だ」という歌詞の「はげの歌」を。この歌は本当に嫌いです。思い出すだけで虫唾が走ります(*作詞作曲の方、本当にごめんなさい)。私が中学生の時、ちょうどこの歌が流行っていて、授業中に誰かが「はげ~はげ~そんなのや~だ」と囁くと、その途端に大合唱が始まることもありました。

私の好きなラッパーGADOROの「ここにいよう」という曲の歌詞には、

アイツらにとっての冗談が
俺にとってナイフのようだった
それを見ながら笑う傍観者
はたしてお前はどうなんだ

GADORO/ここにいよう

という言葉がありますが、まさにこの通りです。

私は怒りたかったのに、周りが怖くて強く言い返せませんでした。笑いながら「やめてよ」と言っても、状況はエスカレートするばかりでした。

いじめを経験したことのある人ならわかるかもしれませんが、いじめを受けていると、自分がいじめられていると認めるのは非常に辛いものです。認めることで事実が確定してしまう気がして、頭では理解しながらも「いじられているだけだ」と自分に言い聞かせていました。周りの人々は「いじっているだけ」「遊びの延長」「少しからかっただけ」と考え、今では覚えてすらいないかもしれませんが、やられた側はすべてを記憶の奥にしまい込んでいます。1人に対して数で攻撃することは、認めたくなくても明らかないじめです。

認めたくない理由は他にもありました。当時、柔道が強かった自分に自信があったため、いじめられている事実を認めることで自分自身を否定するような気がしていました。また、「柔道が強いけどいじめられている」と周りに思われることも嫌でした。さらに、いじめられながらも周りの機嫌を伺い、誰かの気に触れないようにビクビク怯えながら生活していた自分や、強がっていた自分が、何もかもが嫌でした。自分のことが大嫌いでした。自分が悪いわけでもないのに、自分だけが苦しむのは本当に辛かったです。

小さい頃から「苦しい時こそ頑張れ」と教えられ、この言葉を人生の教訓として生きてきましたが、その時だけは逃げ出したいと思いました。今、あの時の自分に声をかけられるなら、「強がらずに逃げてもいいんだよ、君は何も悪くないんだよ、自分を認めてあげていいんだよ」と言いたいです。

親からは「柔道家は一般人に手を出してはいけない」「喧嘩をしても自分から手を出してはいけない」「本当に強い人は優しい人」と教えられ、それを守ろうと必死でした。しかし、いじめを耐え抜き、周りの機嫌を伺い、どう思われるか気にしながら生きることは優しさではありません。嫌なことは嫌だと言っていいし、辛い時は辛いと言っていいし、苦しい時は逃げ出してもいいのです。

私はそれができませんでした。

学級委員長を押し付けられた話もしましたが、帰りのHRの前に職員室へ先生を呼びに行く機会がよくありました。配布物や提出物の返却、宿題などを積み上げた配布ボックスを両手でバランスを取りながら教室まで運びました。階段の途中で何度も担任の先生に打ち明けようとしましたが、言葉が出かけてもそれ以上は言えませんでした。先生も薄々気づいていたと思いますが、私は注意を待つばかりで、その対応は一向にありませんでした。結果として、いじめはエスカレートしていきました。

柔道が支えとなった日々

そんな私を救ってくれたのは柔道でした。教室では私の居場所がなかったけれど、柔道場には確かな自分の場所がありました。学校が始まる前の早朝には柔道場の周りを走り、昼休みには柔道場でロープを登り、帰りのHRが終わると再び柔道場へ向かって汗を流しました。柔道の本来の目的からは逸れるかもしれませんが、私は全ての感情を柔道にぶつけました。柔道で結果を出すことで、周囲を見返し、自分を認めさせたいと考え、日々稽古に打ち込みました。柔道のおかげで心のバランスを保ち、行き場のない怒りを発散させることができました。不思議なもので、汗を流すことで自分の考えや思いがすっきりし、柔道に没頭すると他の雑念が消え、ただ柔道で強くなること、勝つことだけを考えるようになりました。

柔道は一人では成り立ちません。相手がいるからこそ成り立つ武道です。私は柔道を通じて、相手を思いやり敬う気持ちだけでなく、生き抜く術も学びました。また、新しい仲間とも出会うことができました。稽古は単なる技術の習得を超え、心の支えとなり、自分を乗り越える力を与えてくれました。柔道は競技としての強さだけでなく、人間としての強さも教えてくれました。

学校では居場所がなかった私が、柔道場で自分の場所を見つけることで、心のバランスを保ち、強さを身につけることができました。柔道に打ち込み続けた結果、四国大会では3年連続優勝、全中では1年でベスト8、2年で決勝戦に進出し高藤さんに破れ2位、3年で優勝しました。結果を出すことで周りに認められ、直接的ないじめは減りましたが、独特の空気感やいじり、クラスの中心人物たちのノリは卒業まで続きました。周りを常に伺いながらの生活は3年間続きましたが、その経験を乗り越えたことで、自分に対する信頼と困難に立ち向かう力を身につけることができました。

いじめを乗り越えて

今振り返ると、あの辛い時期も自分を成長させるための一部だったと思います。柔道を通じて、相手を尊重し、困難に立ち向かうことの大切さを深く理解しました。この経験を経て、私は自分を受け入れ成長することができました。皆さんにも、自分の苦しみや困難に立ち向かう力を見つけ、自分を支える方法を見つけてほしいと思います。どんなに困難な状況でも、自分を信じ、前に進む力を持ってほしいと願っています。しかし、本当に苦しい時、辛い時は周りを頼ってください。立ち向かうことも強さですが、自分の弱さを認め、周りを頼ることもまた強さです。私にはその強さが欠けていましたから、時には逃げることも大切です。

中学時代の経験から、周りにどう思われるかを気にする人間になってしまったことも事実です。しかし、それは同時に、弱い立場や落ち込んでいる人の気持ちを理解できるようになり、それらの人たちに寄り添えるようになりました。相手の立場に立って物事を考えることができるようになったのです。

この経験を通じて、私は他人の痛みや苦しみを感じ取り、支えることの大切さを学びました。いじめを受けたことで、他人の気持ちに敏感になり、困っている人を見過ごさずに手を差し伸べることができるようになりました。これが私の強さの一部であり、柔道を通じて培った心の強さと共に、今の私を支えています。

私は、困難な状況にある人々や、心が沈んでいる人々に寄り添い、支えとなる存在でありたいと考えています。

最後に

本来であれば、SNSでの露出もあまり好まないタイプでしたが、今年で引退するにあたって、自分の殻を破るために、周囲の目を気にせずに自分が本当に伝えたいことを発信するようにしました。自分の思いや経験を共有することで、少しでも他の人に勇気や気づきを与えられたらと思っています。

アンケートでこの話題を選んでいただき、ありがとうございます。振り返りたくない過去でしたが、皆さんのおかげで過去の自分と向き合い、その当時の思いを言語化して整理することで、また一つ成長できました。

このnoteを最後までお読みいただき、心から感謝しています。皆さんと共有したこの経験が、少しでも日々の生活に役立つことを願っています。

もしこのnoteを楽しんでいただけたなら、ぜひシェアしていただけると嬉しいです。また、コメントもお待ちしております。

全日本実業柔道個人選手権大会まで残り43日🔥

大会までのカウントダウンシリーズとして、今後の発信もお楽しみに。

それでは、土曜日の更新でまたお会いしましょう!

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