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#4 「SNSをやめた方がいい」と言われた話

皆さん、お久しぶりです。タイトルにもある通り、「お前のSNSは見ていてイタいし、やめた方がいい」と言われたことがきっかけで、1週間SNSの投稿を休んでいました。誰に言われたかは皆さんのご想像にお任せします、1mmも気にはしていませんが。今回は、そんな私がなぜこの取り組みを始めたのか、そしてなぜSNSに力を入れることにしたのか、その背景についてお話ししたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

2024年2月に大阪・大浜体育館で開催された全日本シニア柔道体重別選手権大会のハイライト動画を公開してから、早くも3ヶ月が経ちました。この間、定期的にSNSにテクニック動画を投稿し、シリーズEP.43までを共有できたことを大変嬉しく思います。多くの方々にご覧いただき、出稽古先やSNSでの反応も増えたことに心から感謝しています。地道な活動が少しずつ皆さんの目に留まり、SNSのフォロワー数も増加し、柔道教室やセミナーへの問い合わせもいただけるようになりました。

日々の活動を通じて、「継続は力なり」という言葉の重要性を実感しています。

この取り組みを始めたきっかけについては、以前大会ハイライト動画を投稿した際にお話ししましたが、著作権の関係で動画とその詳細を削除してしまったため、ここにもう一度書き記そうと思います。

このnoteを読めば、この取り組みを始めた背景や理由、私の考えの一部が分かります。少し長くなりますが、最後までお付き合いいただけると幸いです。

Instagramのフォロワーがついに10,000人を突破しました!当初は1ヶ月で達成することを目標にしていましたが、人生そう甘くはないですね。柔道を引退する12月までに、目標の10万人まであと9万人です。

妻の挑戦について

妻が今月末、アメリカで開催される「Invicta FC」に出場いたします。これが彼女にとって初めての海外挑戦となります。皆様の温かい応援とご支援を心よりお願い申し上げます。ぜひ、ウェブサイトで詳細をご覧いただき、応援のほどよろしくお願いいたします。

①大前提

いくら綺麗事を言って建前を並べたとしても、大前提として、私はものすごくナルシストで自分のことが大好きです。また、承認欲求の塊のような人間です。SNSを通して知識や経験を共有し、ポジティブなフィードバックを得たり、実際に指導する中で感謝されたりすると、とても嬉しく感じます。まずは、私がナルシストであり、承認欲求が強い人間であることを理解していただきたいです。その上で、私の内面的な動機を、これから表面的な理由で何重にも覆って説明していきますので、よろしくお願いします。

②動画撮影の背景

動画撮影を始めたきっかけは、大会前に稽古を振り返ることが目的でした。以前から稽古の映像を撮影し、個人のYouTubeアカウントにアップロードして振り返りを行っていましたが、大会前ということで、合宿や出稽古先など、より実戦に近い環境での稽古を振り返るために撮影を再開しました。また、大会前の減量期には、有酸素運動をしながら稽古映像を見返すことで、振り返りを行いながら効果的に体重管理を行うことができました。人間は何かに夢中になると、減量中の一番辛い有酸素運動の時間もあっという間に過ぎていくものですね。ちなみに、前回の大会前は、稽古の動画を振り返るか、Switchのマリオカートで50ccから200ccまでの全コースをコンプリートすることで、時間を過ごしていました。皆さんにも何かに没頭することで、辛く憂鬱な時間を和らげる方法を見つけることをおすすめします。

③撮影での気づき

稽古動画を振り返ることで、自分の動きや技術を客観的に捉え、自分の感覚や認識と実際の動きとのズレに気づくことができました。稽古中に「今日は調子が悪い」と感じていても、映像で振り返ると、思っていた以上に動けていたり、動きが良かったりすることがあります。逆に、「今の技は良かった」と思っていても、映像で確認すると、回転が浅かったり、相手が十分に崩れていなかったりすることがあり、技が不十分だったことに気づきます。自分のことを客観的に見るのは難しいもので、稽古中の自己評価と実際の動きとのズレに気づき、客観視の重要性を改めて実感しました。

練習中に感じるこのギャップは、試合時にも同様に存在することが予想されます。自分の調子が悪いとか、相手が強いとか、攻め込まれているといったネガティブな感情や認識も、客観的に自分を俯瞰して見ると、実際はそうではないことが多いです。このギャップを埋めることができれば、さらなる成長が期待できると考えています。

④テクニック動画

今年の12月に柔道を引退することが決まった私は、長年磨き上げてきた技やテクニック、そして柔道に対する考え方など、24年間の取り組みが何も残らないことに対する不安を感じていました。特に、まだ5歳の私の子供たちに父親がどのように柔道に取り組んでいたかを記憶に残してほしいという願いから、現役で体を動かせるうちに何か形に残しておきたいと考えました。そして、自分の子供たちだけでなく、柔道を志すすべての子供たちに少しでも参考になればと、私の技やテクニック、柔道に対する考え方を動画で公開することを決断しました。

一部からは、この決断に疑問符が付けられるかもしれません。対戦相手に研究されるリスクや、時間を稽古やトレーニングに充てるべきだという声もあります。また、SNS上での動画公開に対しては、タイトルにある通り否定的な意見もあるかもしれませんが、私は違う見方を持っています。動画はあくまで表面上の導入に過ぎません。初心者でも分かりやすいよう、音声を入れて解説をしている方々もたくさんいますが、私の投稿に音声での解説がないのは、私が現役生活に支障をきたさないためです。

また、現代のインターネット社会では、私の柔道スタイルを研究しようと思えば、IJFのサイトやYouTubeで容易に情報を得ることができます。しかし、柔道はそう単純ではなく、心技体という言葉があるように、その時の心理状態、コンディション、組み手や試合の戦況、相手の体格、試合の流れに応じての瞬間的な判断がとても重要です。私の投稿を見て、相手が私の動きを警戒していても、それはさほど問題ありません。警戒された上で、徹底してその技を仕掛け、フェイントとして他の技を活かす機会にもなります。技には表と裏それぞれの動きがあるからこそ、柔道は奥が深いのです。

私はいわゆる「技がキレる」選手、何か特別な才能がある選手ではありませんが、私の戦い方は、体力を使って相手を削り、相手が雑になったり根負けした瞬間に勝負をかけるスタイルを貫いています。国士舘らしい、立っても寝ても粘り強い柔道が土台です。だからこそ、相手が私の動きを警戒することは、むしろ歓迎すべきことだと思っています。それに、試合で本当に使っているテクニックは、引退するまで秘密にしておくつもりですからね。

私たち夫婦は共に競技者で、双子の子供たちがいる中で、スケジュール管理には特に気を配っています。時には意見がぶつかり合いながらも、お互いに協力して稽古やトレーニングに時間を割いています。その結果、高い強度で効果的なトレーニングができています。

SNS活動を行う上で重要なのは、現役の柔道家としての活動に支障をきたさないことです。私はこれからも現役の柔道家としての立場を重んじながら、SNSを通じて情報を発信していきたいと考えています。

⑤土台作り

他にもいくつかの理由があります。まずは、現役選手で自分のテクニックを公開している人はまだ少ないという点です。そのため、私が第一人者になろうと考えました。また、柔道を引退した後も、本業以外の時間を活用して柔道の指導を行うための基盤を築くことが、私の長期的な目標です。

以前の旭化成柔道部のミーティングで、社会貢献活動において、オリンピック出場経験者や認知度の高い選手が多くを占めていることが話題になりました。社会貢献活動は素晴らしい取り組みですが、実力や認知度がないと、そういった活動への参加機会は限られてしまいます。

実力や認知度がなければ、自分が望むことができない。だからこそ、自ら行動して実力や認知度を高めることが不可欠だと確信し、そのために積極的にSNSを活用する道を選択しました。動画投稿は、私の柔道へのアプローチを知ってもらい、興味を持ってもらうための第一歩です。

そして、これが皆さんにとっても有益な情報源となり、相互に利益をもたらす関係が築ければ、それは最高の結果だと思います。私の活動が皆さんの柔道の技術向上に役立ち、同時に私自身の成長に繋がることを願っています。

⑤なぜ、「解説」を始めたのか

柔道に対する考えや感覚、そして動きを言語化することは、小さい頃から柔道一筋で生きてきた私にとって大変な挑戦です。しかしこのプロセスは、柔道を引退した後、一社会人としての論理的思考力を養うための貴重な訓練にもなっています。

さらに、単に言語化するだけでなく、情報を整理し、相手が理解しやすい形で伝える資料作成スキルを磨くことは、コミュニケーション能力を高めるために非常に有効です。また、SNS上で柔道の技術動画が多く存在する中で、他と差別化するために、動画の内容を詳細に言語化し、誰にでも分かりやすくまとめている人はほとんどいないと感じます。そのため、他の投稿者との差別化は、私にとって非常に重要なポイントです。

そして、実践的なマニュアルがあれば、日本の柔道界の指導者不足の問題にも一石を投じることができると考えています。基本的な教科書や参考書は存在しますが、動画ではなく言葉で具体的な動きやテクニックを説明している資料は少ないため、誰でも指導ができるようなマニュアルの必要性を感じていました。数年前、地元で柔道教室を開催した際に、セミナーの内容を書き起こしてコーチや保護者に配布しました。その際に好評だった経験も、この取り組みを始めるきっかけの一つとなりました。

⑥最後に

話が長くなってしまいましたので、続きはまたの機会に。まだまだ伝えたいことはたくさんありますが、今日はここまでとさせていただきます。最後までお付き合いいただいた皆様、物好きなあなたへ、心からの感謝を込めて。

もし、この記事がお役に立ったり、楽しんでいただけたなら、ぜひシェアしていただけると嬉しいです。

それでは、次回の更新でまたお会いしましょう。

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