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#6 「2024年全日本学生柔道優勝大会」を通して

皆さん、こんにちは。

通常は毎週土曜日に投稿していますが、今回は特別に、6月22日(土)から23日(日)に東京・日本武道館で開催された「2024年度 全日本学生柔道優勝大会」の結果について、Xで受けた質問に応える形で、私の考えをnoteに綴りたいと思います。

私の母校である国士舘大学は、2連覇を目指しましたが、4回戦で中央大学に敗れ、ベスト16で終わりました。これについて、私は以下のようにXに投稿しました。

母校の国士舘大学が負けたのは悔しいけど
早稲田・中央・東洋大学の勝ち上がりが凄い!

X/Yuma Oshima (@25_lionking)

この投稿に対して、「今回の結果は柔道界全体のレベルが下がっているからこそ起こったことだと思いますか?」というコメントがありました。私は普段からEPの解説を送る際にも皆さんに伝えていますが、私の考えが絶対に正しいとは限らず、押し付けるつもりもありません。以下、私の個人的な意見としてご理解いただければと思います。そして、この意見が皆さんにとって、考えるきっかけになれば幸いです。私は肯定も否定もするつもりはありませんが、一つの視点として受け止め、自身の考えを深める機会にしていただけたらと思います。

今回の大学生の団体戦の結果に関して、一部でレベルが下がったとの見方があるようですが、私はそうは思いません。また、そのように考える明確な根拠もありません。早稲田大学、中央大学、東洋大学が勝ち上がったのは、それぞれの大学が優れた実力を発揮したからです。むしろ強豪校と言われる大学以外の学校が活躍することは、柔道界全体のレベルが上がっている証拠ではないでしょうか。勝負に絶対はなく、勝った者が強いのです。勝てば喜び、負ければ悔しい。それが競技スポーツの魅力です。

また、一つの大会の結果だけで全体のレベルを評価するのではなく、長期的な視点で見るべきです。スポーツは進化し続けており、新しい技術や戦略が常に開発されています。日本の柔道が一つのカテゴリーや一つの大会の結果だけを見て、レベルが下がっているとは考えにくいです。

残念ながら負けてしまったチームには、いくつかの原因があるかもしれませんが、勝ち上がったチームはその分の努力と準備をした成果です。私は、日本の柔道界のレベルが落ちていると嘆く前に、まずは勝ち上がったチームに対して、その努力と成果に深い敬意を表すべきだと感じます。

もし自分が出場した試合で勝利したとして、その結果が柔道界全体のレベルの低下によるものだと言われたら、それはこの大会に向けて取り組んできた努力や時間を全て無駄だと言われているようで、非常に残念です。負けたとしても、柔道界全体のレベルが下がっている中での敗北は、さらに追い討ちをかけられているようで、受け入れがたいと思います。

強豪校が敗れたことをもって、日本の柔道のレベルが低下していると結論づける見方については、先に述べさせていただいた通りですが、日本全体の人口減少、子どもの出生率の低迷、そして柔道の競技人口の縮小が、柔道のピラミッドを小さくしているという現実は認識しています。しかし、それでもトップ層の一定レベルは保たれていると信じています。人口低下による、柔道のピラミッドが小さくなり、今後柔道界全体のレベルが下がっていくかもしれないという可能性については、もちろん一理ありますが、問題を指摘するだけでなく、実際に解決策を模索し行動を起こすことが重要です。

私はそのために、note#4でも触れましたが、3ヶ月前から具体的な行動を開始しました。環境を言い訳にせず、誰でも強くなれるような、または指導者不足の問題を解決するために、実践的なマニュアルの作成に取り組んでいます。基本的な教科書や参考書は多く存在しますが、動画ではなく言葉で具体的な動きや、より実践的なテクニックを説明する資料はまだ不足しています。そこで、誰でも指導ができるようなマニュアルの必要性を感じ、SNSでの発信を通じて、この問題に取り組んでいます。

最近、柔道教室の先生方から「分かりやすくてとても参考になる」というメッセージを多くいただき、それが私にとって大きな励みとなっています。私は徳島県出身で、幼少期から指導者不足の影響を受けて育ちました。小学生の頃は、兄弟と共に技術を磨いてきましたが、その時から環境を言い訳にせず、どこにいても自分次第で強くなれると信じていました。

今、大人になった私は、かつて感じていた問題に対して、誰でも、どこにいても強くなれる、また指導することができる環境を作ることで、日本の柔道のレベルが低下しているという声に反論できるよう、今後も積極的に行動していきたいと思います。

最後までお付き合いいただいた皆様、物好きなあなたへ、心からの感謝を込めて。

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それでは、次回の土曜日の更新でまたお会いしましょう。

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