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フィレ

2022年2月21日、mixとmastering完了。
Daisy & Margaret 2022 vol.1収録。
作詞作曲、編曲演奏、録音編集:野崎有真

あらすじ

Instagram Liveで、視聴者からのコメントに即興でメロディをつける遊びをしてた。「今夜の晩御飯はとんかつ」というコメントに、勢いでつけた4小節くらいのメロディ。ずいぶん前のことだけど、今でも気に入ってるくらいだから、完成させたかった。AメロとBメロを付け足すように作って、サビも後半部分を付け加えて、できた。
とんかつって、あんなに美味しいのに、ネーミングがちょっと…。なんていうか…チャーミング。真顔で「とんかつ…」と、声を出して言ってみる。ぜひ一度声に出してみてほしい。sayとんかつ。一抹のダサさがあって、少し間抜けな響きなところが良い。良いんだけど、タイトルにするのは正直抵抗がある。そこで、フランス語のfilet、つまりフィレ。なんならヒレ。そう、ヒレカツ。

作詞作曲

もともと遊びで作った曲だから、イタズラっぽくて良いんだけど、おフザケが過ぎると歌っていくのがしんどくなりそうだと思った。でも遊び心から始まったおかげで、リラックスして楽しく描けた。曲調としては、Aメロとサビが陽気で軽快な60‘sのロックで、Bメロが、哀愁漂うポップスで、ヒュルルルって隙間風を吹かせた。
「今日ご飯なーにー?」って尋ねると、母親に「とんかつだよ」って、言われた時のあの高鳴り。ガックリつまんない日であっても、ヨッシャー面白い日であっても、とんかつは僕を楽しい気分まで連れてってくれた。
ミュージシャンの日常を題材に、ビターな日はとんかつに励まされて、スウィートな日はとんかつでお祝いするという歌にすることにした。
この曲に重厚感はまったくないんだけど、ほんのり香るビターな感じと、サビ終わりに神々しい壮大さがあって、大好きな曲になった。曲の最後はビートルズのように、お辞儀して終わりたい。

編曲演奏・録音編集

サウンド面では、Jersey BoysのSherryやBeatlesのPlease Please Meを参考にした。ドラムとベースがないので、左サイドのアコギを中心的な存在にして、リズムと低音の担当にしてある。右手のエレキギターは、voxのギターアンプに直で繋いで、略してアン直、僕が好きなブリティッシュサウンドにした。作曲中はほとんどピアノを弾いて作ってたから、Bメロからサビ終わりまでピアノを録音して、中心より少し右目に配置した。曲が一気に膨らむ。ピアノのレコーディング、もっと深く知りたい。ていうか、ピアノ上手くなりたい。コーラスは全部で4本録音して、全部右側に配置した。
つまり、左側にはアコギしかいなくて、センターにボーカルがいて、中心から右端に向かって、ピアノ、コーラス、エレキギターが聴こえる。左右非対称の偏った配置。60年代によくあったこの配置、実はすごく気に入っていて、「わかる?これ?いいっしょ?」と言いたくて仕方ないけど、ポーカーフェイス決め込んで、平静を装っている。


忘れ物ないかどうか 
出かけてみなきゃ わからない
あんなにあんなに確かめて はあ また今日も

赤字が出ないかどうか 
やってみなけりゃ わからない
何度も何度もそうやって ああ また今日も

ヒュルルル 心の靭帯 
ヒュルルル 断裂しそうだ
そうだな こんな日は 俺たちの夕飯はトンカツだ

あげてあげてあげて 外はカラッと 中はジュワッと
あげてあげてあげて 拳を突き上げて
フィレ フィレ フィレ フィレ フィレ フィレ

ひたすらに曲を書いて 
夜中まで歌詞を書いて
どうにかこうにかできた 涙もでてきた

行ったこともない街で 
会ったことない人が
何度も何度も聞いてくれる 同じ空の下で

ヒュルルル 心の風船 
ヒュルルル 破裂しそうだ
そうだよ こんな日は 俺たちの夕飯はトンカツだ

あげてあげてあげて 外はカラッと 中はジュワッと
あげてあげてあげて 高らかに歌声を
あげてあげてあげて 昔はロース 今はヒレ
あげてあげてあげて 拳を突き上げて
フィレ フィレ フィレ フィレ フィレ フィレ 
フィレ フィレ フィレ   


使用機材

アコースティックギター K.Country Lek-15ms
エレキギター Gibson ES335
ギターアンプ VOX AC15C1X
アップライトピアノ YAMAHA W107BR
マイク Neumann TLM102
プリアンプ Neve Shelford Channel / Focusrite ISA ONE



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