ある一日

10:00
宿泊先の大阪から阪急に乗り四条駅に到着。京都高島屋に向かうものの、開店が10:30だと知りマックで時間を潰す。
(コロナウィルス感染防止対策もここまで来たか、という感じ。)

10:30
京都高島屋美術画廊にて「美の予感 2020 -平面・特異点のカナリア-」
たびたび作品をお見かけしている作家さんが複数いたけれど、おしなべて価格が高いなという印象。百貨店価格なのかしら。そして作家さんを「炭鉱のカナリア」に喩えている百貨店の高みに立ってる感がまたすごい。

11:00
haku kyotoにてRyota「花と人」
続いてVOUに向かったものの13:00オープンと知って引き返す。

11:30
京都市立芸術大学ギャラリー@KCUAにて「つなぐ・つながる」「朝と夜、森にて」
「つなぐ・つながる」は、美術教育に携わっていた教授の退官展でしたが、廃校ではなく普通に児童が通っている小学校に作家がレジデンスするという取り組みが面白かった。子どもの率直な言動に刺激を受けたと作家さんがコメントしていたのが印象的。黒宮菜菜さんもかつて参加していたとのことで作品が展示されていました。
「朝と夜、森にて」は、漆の森山佐紀さんと木彫の山西杏奈さんの二人展。山西さんは以前崇仁のスペースで個展を拝見して、そのときの作品が素敵で「欲しい!」って思わず思ってしまった人。今回の作品はカーテンのドレープを思わせる形がとてもなめらかで良かったです。

山西杏奈さんの作品。

12:00
昼食を取ってからギャラリーヒルゲートにて「キノプリント2020」。京都精華大学版画コースの教員・院生・4年生有志による版画展。

12:30
BnA Alter Museumにて「スーパーマーケット“アルター”市場」。ホテルのロビーと2階カフェスペースにある展示スペースを使ってのフェア。大東真也さんや星拳五さん、鷲尾怜さんなどキレキレの作家の作品が並んで楽しめました。
VOUにて「境界線を遡行する」「OBJECT at.VOU」。後者は立体を中心に展示販売するイベントで棚にずらっと並べられた作品は壮観の一言。ずっと前から気になっていた江頭誠さんの作品があったけど価格を見て撃沈。

13:30
四条河原町まで徒歩で移動してGOOD NATURE STATIONへ。高島屋のすぐ南にこんな建物あったっけ?と思っていたら昨年の12月にオープンしたのだそう。
店の前ではしいたけの収穫体験ができるイベントをやっていて目を引きました。

ちょっとやってみたかった。

その4階にあるギャラリースペースにてpunto×副産物産店+仲地志保美「Wunderkammer」を。共同アトリエpuntoをシェアする作家さんの作品がどれもクオリティ高くて唸らされました。@KCUAで拝見したふたりも参加されていて、山西杏奈さんの作品もありましたが、価格を見て(またしても)撃沈。

14:00
三条京阪のギャラリー艸居にて川井雄仁・梅津庸一「LOOPな気分でSHOW ME【土塊】」。まさか艸居で梅津さんが展示されるとは、と思っていたら梅津さんの陶作品もあって驚きました。なかなかの冒険だと思うのですが、ユニークな作品の数々に面食らいつつも楽しみました。
ふたりの共通の関心ごとが90年代のJ-POPで工房でも延々流していたのだとか。展示タイトルから「LOOPな気持ち」を連想した私もまた90年代J-POPにどっぷり浸かった身だけれど、「まさかなー」と思っていたら、プライスリストの作品タイトルに「ふわふわふるる」とあって、震えた。どちらも小室哲哉プロデュースのトーコの曲。
東山のKUNST ARZTにて釣光穂「ぷれいるーむ」。こちらも陶の作品。カラフルな紐状の粘土を積み重ねて縄文の火焔式土器や信楽のタヌキのように造形した作品がポップでユニークでした。個人的には金太郎飴のようにどこを切ってもウォーホールのモンローやモナリザが現れる作品に惹かれましたが、価格を見て(三度目の)撃沈。

14:30
バスで浄土寺へ。Finch Artsにて谷川美音「彼は月を撫でてみた」。動きを感じさせる形が鮮やかで素敵な作品です。どんどん立体化というか壁から離れて動き出そうとしているように見えました。
ディレクターの櫻岡氏としばらくお喋り。出展予定で延期になったAiPHTやその他のフェアのことなど。先行きはまだまだ不透明ですね、、、

15:30
京都文化博物館へ。中止となったArtist’s Fair Kyotoへダメ元で来てみたものの体良く追い払われる。

16:00
eN artsにて白子勝之「exhibition 9」。今回は写真の作品と木材を滑らかに削った小品が中心と意表を突く展開でしたが、展示構成の巧みさはもう圧巻。入口から和室、そして地下まで見せ場が続き、さすがこの空間でずっと展示されているだけある。しびれました。特に地下の部屋の格好よさたるや。

ギャラリーのある円山公園は外国人観光客に人気のスポットで絶えず団体客がいたのですが、この日は本当に人がいなかったのにはびっくりした。ギャラリーと同じ並びにある飲食店は大丈夫かと心配になるレベル。

行きも帰りもこんな感じ。あまりに人がいなくて白っぽい猫がのっそり歩くのが逆に目立っていて、その様子を遠巻きに眺めてました。
花見小路は行きがけにちらっと見ましたが、確かに評判通り以前より人が少なくなったかなという感じ。四条通の歩道は相変わらず人が多かったけど。

17:00
イムラアートギャラリーにて佐藤雅晴「Rabbit」。昨年早逝された佐藤さんの追悼展。もう新作を拝見できないかと思うと寂しいです。
MORI YU GALLERYにて小栁仁志「in a square」。この2つのギャラリーは距離が近いので一気に回れるのがありがたい。

17:30
スプリングバレーブルワリー京都にて「Allscape in a Hall」。初日の夜ということで関係者が多く、部外者である自分には地獄のような空間だった。

18:00
ワコールスタディホール京都ギャラリーにて芳木麻里絵「fond de robeー内にある装飾ー」を。これで展示回りは終了。近くのイオンモールで夕食。

久しぶりにがっつりと京都の展示回りをしました。行き当たりばったりな部分もあったので効率が良くなかったですが、行きたいところはほぼ回れたので問題なし。
メインのはずだったArtist’s Fair Kyotoですが、中止と言いつつも関係者や作家のコネがある人は中に入れたみたいですね。実際会場から出てきた人がいたしコレクターさんとも建物の外ですれ違ったので。この対応は不公平感を生むからどうなのかな、と思います。

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