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私は粉雪 〜2021年9月

今となっては少し時間が経ってしまいましたが、新型コロナウィルスのワクチン2回めの接種が完了したのがこの9月のことでした。
2回めは副反応がきついという話を散々聞いて不安だったのですが、腕の痛みとちょっとした怠さぐらいで大して酷くなく、あっけないくらい無事に終わりました(ちなみに打ったのはファイザー社製のもの)。
子どもの頃に打った予防接種もまた人間が病気に打ち克ってきた歴史なんだということを改めて認識しつつ、未知の病気を人間が克服していくさまを間近で体験できるのは貴重な機会だな、なんてことを思います。私の打ったワクチンもまたその歴史の一部となればいいなと大袈裟なことを願ったりもしながら。
さて。新型コロナウィルスをめぐる状況はあまり好転しておらず、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置は延長となりました。その影響を受けてスケジュールが狂ったりしつつ見て回った2021年9月の記録です。タイトルは先月に続き今月も目にする機会のあった映像作品に出てきた一節を勝手に引用しました。さて、誰の作品でしょうか?

波紋のかなたに

@ 塩竈市杉村惇美術館
宮城でReborn Art Festivalを見てきたことは既に別記事にて報告いたしましたが、3日間の宮城滞在の最後の行程が塩竈でこの美術館に立ち寄ることでした。

杉村惇氏は塩竈出身の洋画家なんだそうです。常設展示室にしっかり展示はされていましたが、時間の関係でさらっと見る程度で後にしました(失礼)。
今回の目的は毎年公募で行なっているらしい若手アーティスト支援プログラム「Voyage」。はじめて作品を拝見する二人の作家が展示を行なっていました。

お一人は大久保雅基さん。肩書きは作曲家となっていますが、大垣のIAMAS出身というユニークな経歴を持っておられます。また名古屋芸大などで教えていらっしゃるということで、愛知にも縁のある方のようです。

「あなたが来たときに私はここにいた」というタイトルのこの作品。

展示室に入るとまずアルコール消毒の機械があり、ファンが両脇に並ぶなかを通り、その先の両側にはAIで犬の画像を学習させて作り出した犬のイメージが映し出されたディスプレイがあり、奥にはパーテーションに区切られた空間がある。
これはいったい何かと言うと、塩竈神社を模しているのだそうです。
つまり、アルコールは手水舎、ファンは参道、犬のイメージは狛犬、パーテーションの空間は拝殿といった感じ。拝殿を模した空間にディスプレイが二つあるのは、左宮と右宮があるから。左宮には武甕槌神たけみかづちのかみ(雷の神で日本に地震を引き起こす大ナマズを操れる神でもある)、右宮には経津主神ふつぬしのかみ(荒ぶる神々を断ち切る刀や剣の神)がそれぞれ祀られているそう。また、ディスプレイで行われているゲームは神々の争いを表しているのだとか。
コロナ禍における生活様式に関わるもので神社を見立てるというユニークな発想で楽しめるインスタレーション作品でした。

もうひとりの作家は佐竹真紀子さん。

絵具を何層にも塗ってから彫ることで画面を作っています。絵具を塗って重ねるのではなく彫っているので奥行きがあって、視線が奥へ奥へと向かっていくことで作品の世界にグッと引き込まれるような感覚があります。とても良い作品でした。またどこかで見たいな。

美術館の建物は1950年に塩竈市公民館本町分室として建てられたもの。柱や外壁に地元の塩竈石を使用しているそうです。

そして注目は大講堂です。

木骨編板(集成材)構造というものを採用してアーチのような形(逆さ懸垂曲線)で建物を支えていて、その曲線の見た目がとても美しい。素敵な空間でした。

森田至宝
「滴を育てる/Growing drops」

@ 富山・ギャラリー無量
金沢での「ストレンジャーによろしく」の前に南砺市で一件展示を見てきました。
南砺市と言えば有名なのが散居村。朝早く着いたので散居村展望台へ向かってみました。

いや〜、いい眺め。
愛知からだと東海北陸道を使うのですが、山を越えると砺波平野が広がっている景色を見るのが好きです。南砺市も気になっていて、以前紹介した木彫が盛んな井波地区があったりするのですが、まだまだ魅力が隠れていそうで時間があったらゆっくり散策したいな〜と夢のようなことを思っています。
さて、ギャラリーは南砺市の荘川地区にあります。井波からも近い場所なんですが、到着したギャラリーもまた散居村特有の屋敷林がありました。この屋敷林のことを「カイニョ」とか「カイナ」と呼ぶんだそうです。

駐車場に車を止めて下りると、田んぼの向こうのお宅も散居村です。

こちらがギャラリーです。

今回展示されているのは森田至宝さんという漆の作家さんです。初見の作家さんだったのですが、展示歴を見ると京都のKUNST ARZTで最近も個展をされていて一気に親近感が湧いてしまいました。

一本の糸に漆の滴が無数に連なっています。使用されているのは絹糸。動物性の糸は漆を弾くからこんな形になるのだとか。
その糸がいくつにも重なって、天井から床へ、美しく滴って落ちていきます。

古いお宅を改装してできたギャラリーにも違和感なく雰囲気が合っていました。派手さはないもののずっと見ていられる、居心地の良い空間でした。

奥の空間には鮮やかな朱塗りの器が並べられていました。

こちらはギャラリーのオーナー宅の蔵に保管されていた漆器で、古くから法事の際などに使われていたものを修復し漆を塗り直したものだそうです。まるで新品のような鮮やかさ。丁寧に扱えば長く使えるんですよね。何だか憧れてしまいます。

蔵も展示空間になっていて、そちらでは展示に使う漆の糸を滞在制作を行っていました。一回ではなく何回も塗る必要があるそうで、4回めの行程が終わったところのようでした。少しずつ漆の滴が大きくなるんでしょうね。
そしてオーナーから伺った話で驚いたのは、漆は湿度がないと乾燥しない、ということでした。調べてみると、空気中の水分と合成して硬化するからで、湿度は80%前後、温度は20℃前後が適しているのだとか。オーナーによると場合によっては床に水を撒いてから作業することもあるそう。扱う素材によっていろいろ対応が違うのだなと勉強になりました。

ART WEEK END

@ ニッコースタイル名古屋
開業一周年を記念してホテルでアートイベントをやります、という案内をいただきまして。ちょうどバタバタしていたので行けないかなと半分諦めていたのですが、僅かながらに動ける時間があり奇跡的に見ることができました。

会場は江川線と錦通の交差点を堀川のほうへ少し進んだところ。この辺りは普段全然歩かないのでホテルができたことすら初耳という有様。
入口の自動ドアが開いた瞬間、尾野訓大さんの大きな作品がどーんと視界に飛び込んできました。

受付を済ませてロビーに進むとDJブースがあって、そこには荒木由香里さんの作品が。

エレベータホールには伊藤公子さんの作品。

早速会場の客室へと向かいます。
荒木由香里さん。

相変わらず展示が上手いなあ、とほれぼれしてしまいます。今回用に作られたという小品も素敵でした。

尾野訓大さん。

これまでのシリーズのベストセレクション的な部屋と、「自分を中心に世界を回す」シリーズの新作でまとめた部屋の2本立て。どちらも作品がいっぱいで楽しめました。

伊藤公子さん。

浴室には作品がまるで壁紙のように貼られていました。本当にこうした空間があったら良いのに!と思ってしまいます。

西原彩香さん。

画像では分かりづらいですが、今回は岩絵具を使用しているので見る角度によってはキラキラ光って作品の見え方が変わります。

飯田美穂さん。

浴室や洗面台、ハンガーと、部屋にあるものをフルに使っていて、自由闊達な振る舞いがとても楽しい空間でした。ガラスのリンゴの器に入ったオブジェ的作品などひとつひとつの作品がキュートでまた見応えありました。

荒木由香里さん、飯田美穂さん、伊藤公子さんによるコラボ部屋。リンゴがいっぱい!

植村宏木さん。

展示会場は11階と2階の2フロア。植村さんはその両方を使っていて、それぞれ地上と地中をイメージしてまったく雰囲気の違う部屋にしていました。垂直方向を意識した展示って普段あまりないから新鮮ですね。

小原若菜さん。

私は存じ上げなかったのですが、名古屋芸大出身なんだそうです。こちらも部屋を暗くして、自己の内的世界にぐっと入り込むかのような展示空間になっていました。

今回のイベントを主催されているYOMAFIG.の方とも少しお話をさせていただきました。私は大阪のBlend Innという西九条のホテルでのイベントを拝見したことがあるのですが(「現代アートと出会う日」2020年6月)、それからいろんなホテルでイベントを企画されていて、今回はホテルの方とSNSを通じて知り合ったことから実現に至ったのだそう。
また、今回のイベントは地元の人にホテルのことを知ってもらうためという話もなるほどと納得しました。確かに地元のホテルに泊まることってほとんどないですからね。今後もこういった機会があると楽しいですね。

アートフェアともまた雰囲気が違い、私個人もリラックスして楽しむことができました。時間が許せばもう少し会場にいたかったです。

招待券の手配をしてくださった荒木さん&飯田さんに感謝です。

土井彩香「STELLA」

@ 名古屋市市政資料館
たまたまTwitterで知って「面白いし実際に作品を見てみたいな」と思っていた作家さんがなんと名古屋で個展をされるという情報を得たので足を運んでみました。

久々の市政資料館は相変わらずの建物の格好よさ。曇っているのが残念。
そして中も豪華。つい見惚れてしまいます。

このクラシカルな雰囲気をそのまま持ち込んだ展示室には、バラの花を背負った動物たちの姿がありました。

近くでまじまじと見てみると、フクロウや魚がバラの花のなかに隠れています。

実に細かくて驚かされてしまいます。
これがひとつの大きな石から彫り出されているということ、そんなことができるということが、作品を作ったことのない身からすると、ものすごく不思議なことに思えます。

DMをよくよく見てみると「刺青の具現化表現」とありました。なるほど。そういうことだったんですね。

また、後から調べてみたら、東京藝術大学大学院を首席で修了、作品が買い上げになっているという華々しい経歴も出てきました。そりゃ腕は確かですなあ。
現在は関ヶ原を拠点にしているとのこと。きっと制作に集中できる環境を作っておられるのだと思います。とても頼もしい作家さんでした。

こちらも作品のひとつ。展示場所に悩んで窓に置いてみたところ妙にピッタリと収まったのだとか。窓の外を見ているのがいかにも猫っぽくて確かに納得。とてもいい画になりました。

Lost In Translation

@ 京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
最近ますます活躍の場を広げている作家の笹岡由梨子さんとキュレーターのパヴェウ・パフチャレク氏の企画によるグループ展です。

まずはTOBOE。

陶磁器で作品を制作している西條茜さんと声や息を使ってパフォーマンスを行っていたバロンタン・ガブリエさんによるユニットです。
展示室の作品にはどれも穴が開けられていて、ふたりがそこに息を吹き込むパフォーマンスを行いそれが映像作品として発表されています。

高田冬彦さん。

「The Princess and the Magic Birds」。
寝ている男の子の耳元で話を吹き込む二羽の鳥。その話は高貴なお姫様が下賤な男たちと淫らに交わるというもの。その話も辻褄が合わなくどこか荒唐無稽ではあるのですが、そういったところも含めて10代の性の目覚めだな、と。とても良い作品でした。

「Dangling Training」。

こちらはもっと直接的。思わず笑ってしまいました。

コレクティヴ・ワスキ「気候危機抗議カラオケ」。

気候変動に対するメッセージがヒット曲のメロディに乗せて歌われます。どうやらSNSを通じていろんな方が参加するプロジェクト型の作品のようです。チョイスされたヒット曲のなかにはマイリー・サイラスの「Wrecking Ball」やブリトニー・スピアーズの「Toxic」など私も知っているものがあって驚きました。

展示室のあいだの壁には参加作家や作品についての写真が相関図のように並べられていました。

アリツィア・ロガルスカ「ダークファイバー」。

読み書きができずインターネットを知らない高齢女性が金属くずを探しているあいだにインターネットケーブルを切断してしまうという、世界的に話題になったというニュースが契機となって制作された作品だそうです。

川嶋渉「東洋絵画の起源」。

日本画家であり京都市立芸大で教鞭を取っているそうなんですが、こうしたインスタレーションのような展開もされるんですね。驚きました。

ピョトル・ブヤク「スリープナウインザファイア(火の海に沈め)」。

ウーカシュ・スロヴィエツ「ヤコブの夢」。

きれいな壁をわざとぼろぼろにして作品を映していて、それが作品から伝わってくる荒廃した雰囲気にうまくマッチしているように思います。
この作品は見覚えがあったのですが、調べてみたら京都芸術センターで行われた「セレブレーション」(2019年)に出ていたようです。日本とポーランドの国交樹立100周年を記念して両国の現代美術作品を展示するというもので、キュレーターのひとりがパヴェウ氏だったこともはじめて知りました。

最後は笹岡さんの「Planaria」。

今年夏の「水の波紋」展でも拝見した作品ですが、いろんな死に方で死んでいく人形が出てきて、少しもの悲しくまた怖さがあります。作中で歌われる、わたーしはーこなーゆきー♪という歌が耳についてなかなか離れてくれません。

普段見られない海外の作家も取り上げていてなかなか気合の入った展示となっていてとても充実していました。

黒宮菜菜「ウツシキ アヲヒトクサ」

@ 京都場
ここ数年注目を集めている作家のひとりである黒宮さん。大原美術館の若手作家招聘プログラム「ARKO」(2019年)や「VOCA」での奨励賞受賞(2020年)など活躍が目立っています。
黒宮さんは読書が好きだとおっしゃっていて、小説やその登場人物が作品に反映されています。「ARKO」では大原美術館のある倉敷市真備町に縁のある横溝正史の「獄門島」、「VOCA」では安部公房「終わりし道の標べに」をモチーフに制作されていました。
と、これまでは近現代の小説を主に取り上げていたのですが、今回は一気に時代を遡って「古事記」をモチーフに取り上げた作品が並んでいました。

圧巻なのは何と言っても紙の作品です。

和紙に染料で描いた作品は高さ3.6メートル、長さ17.1メートルという超大作。京都場は染色工場だった建物をリノベーションして作られているので天井も高く、その大きさに威圧されることなく作品の世界に引き込まれました。

作品タイトルは展示タイトルと同様「ウツシキ アヲヒトクサ」。
「アヲヒトクサ」は漢字にすると「青人草」で、人間を意味する言葉です。人が増えるのを草が生い茂るのに例えているのだとか。「古事記」ではイザナキ神の台詞として出てくるので「私の国の人々」という意味になるようです。
古代日本では人がそのように捉えられていることに古事記を読んで黒宮さんはいちばん感銘を受けたのだとか。

黒宮さんのもうひとつのシリーズである油彩の作品もとても良かったです。
「千頭の死と千五百頭の誕生」。

黄泉の国から逃げようとしたイザナキ神を追いかけてきたイザナミ神が「あなたの国の人を一日千人、殺しましょう」と言い、イザナキ神は「あなたが千人殺すなら、私は、一日に千五百の産屋を建てよう」と応えます。
一日に必ず千人死に、千五百人が生まれる。そう聞くとなかなか壮絶な話ですが、作品のほうはイザナミ神をモチーフにしているのでしょうか、とても美しくてそんな残酷なことを口にしそうな気配がまったく感じられません。

「ウマシアシカビヒコヂ」。

調べてみたのですが、上手いこと説明できる自信はまったくありません。「古事記」冒頭の「天地初発之時(あめつちのはじめのとき)」に生まれた神様のひとり、ということだと思います。

こちらは「タドゥツィオ」という作品。

こちらだけ「古事記」ではなく別の作品をモチーフにした作品なんだそうです。作品名を教えてもらったのに忘れてしまい、検索してみてもまったく出てこず、、、謎のままです。

ということで、どっぷりと濃密な黒宮ワールドを堪能しました。今回はやはり京都場のこの空間がいい仕事をしていましたね。次は美術館のような広い展示室で作品を拝見したいという欲がふつふつと湧いてきました。

林勇気「15グラムの記憶」

@ 京都・eN arts
休暇をつかって急逝した祖父の家へ行き遺品を整理していたら出てきたフロッピーディスク。保存されているファイルを確認してみたら、表示されたのは祖父の写した川の写真だった。

そんな導入からはじまった今回の個展。
林さんの作品はこれまで何度も拝見していますが、いつもと雰囲気が違う。パーソナルな部分をストレートに出しているところもだし、映像作品だけを見せるのではなくいわゆるストーリー仕立てのインスタレーションとして構成しているところも、林さんの展示でははじめての経験かもしれません。

作家の祖父が使用していたカメラ。

ソニーのDigital Mavica(デジタル・マヴィカ)という、フロッピーディスクを記録媒体に使用したデジカメなんですが、こんなカメラがあったんですね。全然知りませんでした。販売期間は1997年から2002年ということで、私が高校生〜大学生だった頃、携帯が徐々に普及していった時期ぐらいですね。

そしてフロッピー。

フロッピー1枚につき10枚ぐらいの画像が入っていたのだそう。少なっ!と反射的に思ってしまったのですが、当時としてはそれが限界だったんでしょうねえ。なかにはディスクが劣化して再生できないものもあったそうです。

作家は画像を整理する一方で近隣の川に出向いて撮影場所を特定しようとします。作中ではイニシャル表記だったのですが、おそらく宝塚近辺で武庫川、猪名川、淀川ではないかと、私は勝手に推察しました。

フロッピーには画像のほかに手記が残されていました。画像の手がかりになりそうな文章の合間に、祖父は川の水を採取して飲んでいたことが記録されていました。地下の展示室で流れていた映像には、手記を読み上げる音声とともに、川の画像とそれを遮るかのような氷の塊とが映っていました。

展示室にはプリンタが置かれていて、川の画像が印刷されています。プリントは自由に持って帰ることができます。

このプリンタ、一色ずつ色を重ねていくのですが、そのたびに印画紙を吐いては吸ってを繰り返すのが見ていて面白かったです。

休暇の最後に作家は実際にデジタル・マヴィカで川を撮ってみます。

それがこの画像。
何か謎が明かされたわけではありませんが、妙に清々しい気持ちになりました。

和室にはeN arts collectionに収蔵された旧作の「overlap」が展示されていました。

映像のなかと実際の光景がリンクしています。この空間で作られたものなんですね。こういうコレクションの仕方も面白いと思います。自分もいつかやってみたいなあ。

飽きと知性

@ 愛知・旧門谷小学校
新城市の山のほう、鳳来寺の表参道の途中に、廃校となった小さな小学校があります。

木造校舎は大正14年に建てられたもの。不思議なことに懐かしさを感じてしまいます。
以前このnoteでも触れましたが、NHKの朝ドラ「エール」のロケ地としても使われていたので見覚えのある方もいるのではないでしょうか。私はほとんど見てなかったですが。
この旧門谷小学校では毎年、作家の鈴木孝幸さんを中心としたグループ展が行われています。私も毎年とは言わないまでも可能な限り展示を見にお邪魔しています。
最初の頃は遠く感じていたこの場所も、途中で新東名が開通したこともあり、ずいぶん近く感じられるようになりました。

今年は4名の作家が参加しています。
まずは柄澤健介さん。

木彫とパラフィンを使った彼の作品が本当に好きで。この木造校舎との相性もバッチリだろうから楽しみにしていました。

ただ、今回は作品を保管する自宅のガレージを再現するという趣旨のようで、作品展示とはまた異なる内容となっていました。

大作も箱に入ったままの状態で展示されています。

しかし、収納の仕方がきれい。確かにこれは他人に見せても恥ずかしくないだろうと思います。

荷物入れのひとつは小品の展示場になっていました。

教室のひとつは柄澤さんの作業場となっていました。土日にはこちらへ来て制作をされているようです。

自分には用途の分からない数々の道具たち。普段もこんな感じで制作されているんだろうなあと思うとちょっとドキドキします(聖域に踏み込んでいるような気がして)。
制作途中の作品もありました。

完成形をどこかで見られるのが楽しみです。

洞山舞さん。

鉄の彫刻作品を主に発表されているようですが、今回は美濃和紙や金糸を使った作品も出されていて、そのどちらも軽やかな雰囲気が印象に残りました。

名倉達了さん。

大理石でできた彫刻はどれもギリギリのバランスで成立しているように見えてしまい、こちらの心配など無用だと分かっていてもハラハラしてしまいます。

そしてこの門谷小学校を舞台にした展示の企画者であり作家として参加されている、鈴木孝幸さんです。

今回は水害や砂防などをテーマに制作されていました。地元の人へのインタビューでは七夕豪雨の話も出てきました。1974年の7月7日に静岡を中心に大きな被害を出した豪雨ですが、静岡に隣接しているこの辺りでも大きな雨が降ったようです。ちなみにこの豪雨は「ちびまる子ちゃん」にもエピソードとして出てくることで有名なのですが、地元の人も「ちびまる子ちゃんに出てきた」と引き合いに出していたことが印象に残りました。

校門のすぐ脇から小川へ下りられるようになっています。

たまたま朝ドラを見たときに小学生の主人公が友達と会話しているシーンの背景にこの景色が映っていて驚きました。
土手には彼岸花も咲いていました。

気持ちのいい秋のひとときを過ごさせてもらいました。

ふくながめぐみ「片隅にあるもの」

@ 碧南市哲学たいけん村 無我苑
碧南には美術館があるので何度も来ていますが、碧南にこんな施設があるということを、私は今回はじめて知りました。いったい碧南と哲学に何の関係が??と疑問に思いながら、とりあえず行ってみることにしました。

住宅街のなかになかなか立派な建物。どうしてここに?という疑問がやはり拭えません。

庭には清野祥一さんという作家の彫刻作品が。名古屋だとコヅカさんで発表しているらしい。

建物の前の広場も小ぶりながらなかなか気持ちが良いです。
さて、展示を見に建物へと入ります。

ふくながさんは花や植物を脱色して作品を制作されています。2012年の豊田市美術館の展覧会「カルぺ・ディエム」で鮮烈な印象を残しました。その後もたびたび展示を拝見してきましたが、今回の展覧会はまったくノーチェックで会期ギリギリに気づいて慌てて駆け込む始末。情報収集力が落ちていますねえ。

暗い部屋にたたずむのは、ガラスの管に入った脱色された彼岸花です。

とても美しいです。保存と脱色のためにアルコールにつけると赤い色素が溶けてもやのように漂う、というのが何とも詩的。実際にその光景が見てみたいです。

2階にかけての吹き抜けには百合の花の作品が。こちらもそのはかなさが美しいです。

2階は通路が円形になっていて両脇のガラスケースにも作品が展示されていました。格好いい空間です。

こちらには竹炭と菊の花を組み合わせた作品も。

2階には常設展示もあり、そこで伊藤証信という郷土の哲学者がいて碧南の地に無我苑という道場を開いたことを知りました。無我愛を中心とした彼の思想は徳冨蘆花や幸徳秋水の支持を受けました。ちなみに夫人は平塚らいてふや与謝野晶子と女性の地位向上のための活動をしていたそうです。
更にこの哲学たいけん村は梅原猛氏が生前に名誉村長を勤めておられていたそうですが、氏が知多で育ったことをはじめて知りました。
また、瞑想室なんて部屋もあって、変わった形の椅子はルネッサンス期のフィレンツェの富豪が瞑想するために作らせた椅子をイメージに作られたものだそうです。

両側の壁には秋岡美帆さんの大きな写真作品がかけられて、そのあいだに腰を下ろしていたら確かに気持ちが落ち着きそうです。

建物を出たあともしばらく辺りをうろついてみます。細い道路を挟んで反対側も無我苑の敷地で、庭の向こうに立派な日本家屋が姿を現しました。

館内に入ってみると水谷一子さんのワイヤーアートの作品がありました。

また立礼茶席ではお抹茶がいただけるということで、せっかくなのでいただいてきました。

お菓子は女郎花(おみなえし)というもの。
黒砂糖を使った餡をういろう皮で包んだお菓子です。上品な甘さで大変美味でございました。

そのあと写真を撮るために建物の入口に出てみたのですが、

無我苑と大きく書かれて広い駐車場もあり、何なら案内看板もあって。
あれ?こっちから入るべきだったの?
この時点でようやく察しました。どうやら私は職員駐車場に車を停めて裏から逆走したらしいということを。
帰宅してから調べてみて分かったのですが、この施設は伊藤証信氏の遺族が土地を寄付してできたもので、ふくながさんが展示していた建物(瞑想回廊という名前らしい)の設計は若山滋氏。清須市はるひ美術館を手がけた方ですね。勉強になりました。

Art Award Tokyo Marunouchi 2021

@ 丸ビル、丸の内オアゾ、TOKYO TORCH
東京駅に着きました。

いつ見ても格好いいですねえ。
上京しての展示回り、今回は丸の内からスタートしました。
毎年行われている「Art Award Tokyo Marunouchi」は毎年春に行われている卒展や修了展で発表した作家をピックアップして展示をするというもの。私も可能な限り拝見しています。
今年は例年使用している行幸通りの地下ギャラリーは使用せず、丸の内にある商業ビルのパブリックスペースを使っての展示となっていました。とりあえず展示されている全作品を見られたので気になったものを紹介します。
まずは丸の内オアゾから。

ジョン・チャファ「つながり」(武蔵野美術大学)。

川角大和「low table and rocking chair」(愛知県立芸術大学大学院)。

岡﨑龍之祐「JOMONJOMON」(東京藝術大学大学院)。

続いてTOKYO TORCHへ。まだまだ建設途中の棟があるようですが、公園も整備されていてとても気持ちいい空間でした。

並木久矩「我々は日没へ向かう」(愛知県立芸術大学大学院)。

井上修志「日和山の階段を新しい視点まで延長してみる」(東京藝術大学)。

階段の裏側はこんな感じ。

佐藤花「認められない者」(武蔵野美術大学)。

最後は丸ビル会場です。

谷村 メイチン ロマーナ「エキゾチックファイアードラゴン「マスダ三兄弟」、マジカルユニコーン「ハイエル姉妹」」(東北芸術工科大学大学院)。

松岡柚歩「outline」(京都芸術大学大学院)。

加藤康司「倭蘭領東印度南方合戦外伝」(東京藝術大学大学院)。

三浦光雅「Void(all colors)」(京都芸術大学大学院)。

新開日向子「反復する森」(京都芸術大学)。

何か見覚えがある、と思っていたら、今夏見た「群馬青年ビエンナーレ」にも入選されていた方でした。

宮林妃奈子「La Face Sauvage」(多摩美術大学)。

作家さんにとっては大学もしくは大学院を出てからが正念場。これからまたどこかで作品を拝見できる機会に恵まれたらいいなあと思います。

石場文子あやこ「不在(ない)と存在(ある)」

@ 3331 Gallery
以前の記事でもご紹介しましたが、石場文子さんの作品は前々から好きで、展示も結構追いかけている方だと思います。そのときの記事がこちら↓

記事は昨年4月のもので、立て続けに入っていた展示がようやく一区切りする、っていうタイミングだったと思います。
あれからあっという間に1年半近くが経ったのですが、今回「3331 ART FAIR レコメンドアーティスト特別企画」という名目で、Arts Chiyoda 3331内のギャラリーで個展をされるということで見てきました。

石場さんといえば実在する物に輪郭線を描き写真を撮ることで三次元が二次元であるかのように見せるシリーズが有名ですが、今回の個展ではそちらではなく、新たに取り組んでいる作品を展示されていて、とても新鮮に映りました。

「白のある風景」と題された作品。

色のついた紙と白い紙それぞれに同じ風景をプリントして重ね合わせ、色の紙の一部を破ったり切り取ったりすることで、白い紙の上の色が鮮烈に浮かび上がります。
白い紙を写真に撮ってプリントした際に紙の部分にはインクが乗っていないのに気づいたことが制作のきっかけになっているようです。

こちらは「浮かんで見える大きな岩」という作品。

2016年の作品ということで修了展で拝見したものだと思います。この作品を見たときに無意識のうちに白い部分を地として「何もない」ものとして扱っていることに気づかされます。
石場さんの作品を見ていると人間の視覚が完璧なものではなく、情報に優先度をつけて処理するからこそ日常生活が成立しているのだと感じます。だからこそ抜け穴もあって、そうした人間の目の仕組みって面白いなと改めて感じました。

ギャラリーの壁の裏側にも作品が展示されていました。ギャラリーの隣に通用門みたいな出入口があって自由に行き来できるのですが、こんなところに出入口があったとは。長年足を運んでいますが全然意識していませんでした。

同じ3331に入っているARTDINEというギャラリーでのグループ展にも石場さんが参加されているということでそちらも是非拝見したかったのですが、あいにくながら定休日でした。残念。

3331より少し南に下った秋葉原のドンキの近くにNOHGA HOTELというお洒落な建物のホテルがあります。

そこのフロントにも石場さんの作品が展示されていました。

こちらは「2と3のあいだ」シリーズの流れを汲む作品です。
ちなみにフロントの方に「展示を見に来ました」とお声がけをしたら、3331GalleryのDMをわざわざ持ってきてくださって、宿泊客でもない人間に対する心遣いに大変感動いたしました。

おまけのつぶやき

① フォトジェニックも困り物?

豊田市美術館へ行ってきました。相変わらずこの眺め、素敵だな。こんな美術館が近場にあるのは幸せなことだと、毎回訪れるたびに思います。
展覧会は「生誕150年記念 モンドリアン展 純粋な絵画を求めて」です。

常設展示室では「コレクション展:ひとつの複数の世界」寺内曜子「パンゲア」が開催されていましたが、こちらも充実のボリュームでした。
一通り美術館のなかを見て回っていて感じたのは、平日の割にお客さんが多いな、ということ。確かに「モンドリアン展」の会期の最終週ということで駆け込みの方が多いのは分かりますが、結構若い方が多いなという印象。そして建物の内外で写真を撮っている確率が結構高い。他の美術館ではあまり見られない現象です。
今回モンドリアン展は一部展示室で撮影可になっていたこともあり、写真撮影に関する注意書きがプリントされたものを入場時に手渡されました。写真を撮る人が多いから神経を尖らせているように感じました。

豊田市美術館と撮影と言えば、昨年の久門剛史さんの個展「らせんの練習」を思い出します。何度か足を運んだのですが、他の美術館では見たことがないような若い人の多さでパチパチ写真を撮っている光景は新鮮を通り越してやや異様でした。結局会期の最後の方は撮影禁止になったんですよね。
個人的に作品の撮影に関しては許可して欲しいと思う派で、他人がカシャカシャ言わせていても気にならないのですが、作品と一緒に撮影するのだけは勘弁して欲しいです。

結局私が館内で撮ったのは、この一枚だけ。

展示室では同時代の作家としてリートフェルトのチェアも展示されていたのですが、その復刻版に座れるようになったいたので、記念に座ってみたのでした。

ちなみにこの日は「とよたPR大使」という女性チームも来ていて、豊田市美術館の建物を背景にして撮影をしていました。写真映えするというのは人を集める大きな要素になる一方でマナーとか難しい問題も孕んでいるなあとつくづく実感した一件でした。

② いきなり公開制作

京都のVOUへ行ってきました。
拝見した展示はO JUN「目 対 絵 Eyes vs Painting」。VOUって言ったら若い作家さんが展示している印象が強かったのでO JUNさんみたいなベテランが個展をされるなんて意外だなあと思いながら見ていたのですが、

ご本人がいらっしゃってビックリ。
前週にライブドローイングを開催していて、DMには15名(先着順)などと書かれていたのですが、どうやらその日だけでは終わらずに延長戦が行われていたようでした。

展示を拝見しながらチラッと制作の様子も窺っていたのですが、作品に手を入れる時間はほんの僅かで、大半の時間は画面を見ながら自分と対話するかのように一人で声を出されていて、制作ってこういうものなんだという発見がありました。よく考えたら制作過程ってなかなか見る機会がないんですよね。だから新鮮でした。あとは、アシスタントなのか若い男性(藝大の学生さん?)がずっと側で控えていたのもベテランといった感じが出ていて印象に残りました。

「ゴジラ∞」というタイトルがつけられたこの作品、どんな仕上がりを見せたのか、いつかどこかで完成作を見てみたいです。

③ アートなストリート

東京で展示をする際に丸の内界隈に足を踏み入れることが少ないので全然知らなかったのですが、現代アート作家の作品を設置した通りがあることを今回はじめて知りました。
丸の内ストリートギャラリーと呼ぶそうなんですが、そのなかからいくつかピックアップしてみます。
出発地点は丸の内オアゾ。ここにいるのは三沢厚彦「Animal 2017-01-B2」。

そしてメインとなる丸の内仲通りへ。
國府理さん「the Garden(屋根裏の庭)」。

金氏徹平「Hard Boiled Daydream(Sculpture/Spook)#1」。

三沢厚彦「Animal 2016-01B」。

木戸修「SPIRAL.UQ」。

三沢厚彦「Bird 2014-03B」。

鹿田淳史「コズミック・アーチ‘89」。

桑田卓郎「つくしんぼう」。

草間彌生「われは南瓜」。

加藤泉「無題」。

そして何故かラグビーのマイケル・リーチ選手が今まさにトライを決めそうになっているベンチがありました。

なぜにマイケル・リーチが丸の内に?笑
何事もなく平然と座っているおじさまとの対比がちょっと面白くて思わず笑ってしまいました。

仲通りは歩道も広くて、ベンチがあったり、カフェの前はテーブルがあったりで、開放的で歩いていて気持ちのいい場所でした。作品も現代アートの世界で著名な作家をチョイスしていて好感が持てました。こうした通りが今後ももっと増えてくれると嬉しいなあ。

④ 活躍がウレシイ

と言うことで、今月もまた日帰りの強行軍で東京へ行ってきました。石場文子さんもそうですが、私が作品を持っている作家さんの展示が妙に重なっていて、これは見に行かねばと思ったのでした。
まずはTALION GALLERY「船は岸に辿り着けるのか」松元悠さんが参加されていて、曽祖父が亡くなったとされる島の話(家族に伝わっている島の名前が実在しないものである)からはじまった一連の作品をまた拝見することができました。

こちらには前谷開さんも参加されていました。

自身の裸の身体をスクリーンのようにして土や波の映像を重ね合わせています。
この作品を見てふと、前谷さんもメンバーの山中suplexが昨年秋に開催したドライブイン型の展覧会を思い出しました。展覧会の最後、車の前に現れた前谷さんはいきなりフロントガラスに水をかけてきて、何をするのかと思えば白いシーツをそこに広げて映像を投影したのでした。そこで見た波の映像がやけに記憶に残っていて、今回の作品とリンクしました。

EUKARYOTEでは宮津大輔さんとの共同企画展で映像がテーマの「Moving Images」。そこに上田良さんと迫鉄平さんが加納俊輔さんとともに組んでいるユニット・THE COPY TRAVELERSが参加していました。コピトラが宮津さんのコレクションに入ったのでしょうか。気になります。
作品はeN artsで見たクロマキーの作品と、都現美で見たんだったかな?3人がコピササイズしている作品が出ていたんですが、赤マルがついていたのが妙にうれしかったです。

天王洲のWHAT CAFEでは「WHAT CAFE × DELTA exhibition ‘EXPANSION’」。大阪の若きギャラリーディレクターが中心となって行なっているアートフェア「DELTA」の展示版。
高橋知裕さん。

永井天陽さん。

金光男さん。

水谷昌人さん。

そのほか作品は持っていないけどいいなあと思ったのが、松村咲希さん。

今回作品をはじめて拝見したのですが、HARMAS GALLERYさんで個展を開催中の三浦梨沙さんのペインティングも気になりました。

LEESAYAでは天王洲のDELTAにも参加されていた金光男さんの個展「グッド・バイ・マイ・ラブ」を見てきました。

ギャラリーの中央には一艘のカヌーが置かれ、そこにはロウが詰められています。作家の言葉によると、ジャンクのカヌーを購入して緑だったボディを真っ赤に塗りかえたとのこと。
そこから作家の母親の記憶が重なります。1948年の済州島四・三事件や1950年の朝鮮戦争の勃発と政情が不安定だった時期に多くの人が朝鮮から日本へと避難し、そのまま日本で暮らすようになりました。金さんのお母さんもまた、5歳のときに船で渡ってきたのだそうです。

当時の体験談をいろいろ聞くなかで金さんが印象に強く残っていたのが、道中お腹が空いたら食べるようにと渡された一枚のビスケットをずっと握りしめていたというエピソードです。

ロウは電球の熱で溶けていき、そのなかにビスケットが沈んでいるのが見えました。
個展タイトルはお母さんが好きでよく聞いていたというアン・ルイスの曲名から取られているそうです。
これまで金さんの展示は何度も見てきましたが、自身のルーツというパーソナルな部分をここまで直接的に扱ったものを見たのははじめてです。とても印象に残る展示でした。

そのほか、以前から作品を拝見していた作家さんたちの展示も併せてご紹介します。
CADAN有楽町は今回は大阪のアートコートギャラリーが担当。石塚源太さんと西條茜さんの二人展でした。この日が初日ということでおふたりとも在廊されていて、少しお話もさせていただきました。京都は貸しギャラリーが少なくなって名古屋のギャラリーが京都の作家を取り上げたりしてますよね、という話からアートスペース虹さんの話になったり。
石塚さんとは岐阜県現代陶芸美術館のこと(2016年の展覧会なのでもう5年前!)、西條さんとはhakuでの神馬啓佑さんとの二人展やTOBOEで参加した笹岡由梨子さん企画の展覧会と最近展示を立て続けにされていることなどお話させてもらいました。
画像は撮ってないのですが、西條さんの作品の展示台が縁側としても機能していて、そこに腰掛けていたら居心地が良くてつい長居してしまいました。笑

銀座のギャラリー小柳では橋本晶子さん「I saw it, it was yours.」。

はじめて作品を見たのは名古屋のギャラリーで、昨年久しぶりに資生堂のアートエッグで個展を見られて良かったなあと思っていたら、今回まさかのギャラリー小柳というジャンプアップで驚きました。

天王洲のテラダコンプレックスに入っているTokyo International Galleryでは「The Practice of Alchemy」というグループ展だったのですが、いいメンバーが揃っていて見応えがありました。
井田大介さん。

西太志さん。

神農理恵さん。

神農さんの作品はこの前金沢での「ストレンジャーによろしく」で拝見して興味を持った作家さんです。あのときとはまた雰囲気が全然違いますが、すごくセンスのある方で今後も作品を見ていきたいと思いました。

ということで、駆け足でいろいろと見て回りました。振り返ってみると京都の芸大出身の作家さんが多いなと。でも東京でも展示の機会があってどんどん活躍されていく様子を見るのはこちらも非常に嬉しいです。これからもこうした報告がたくさんできるといいなあと思っています。

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