コレクター特集を読んでみた

月刊アートコレクターズ2020年3月号を購入しました。

特集は「飛び込め!熱きコレクターたちの世界」ということで、SNSでフォローさせていただいている方が多数載っているので、読むのを楽しみにしていました。

それにしても、おそらく自分とほぼ同世代と思われる方たちのSNSでの発信力には舌を巻きます。誌面でTwitter活用術を指南している飯島モトハさんや、Instagramでインフルエンサーとなっているsh_art_collectorさんやgutsurohi_さん。あとはbr@rtさんや柵木頼人さんもだし、今回の特集に載っていない方ももちろん、それぞれご自分の個性に合わせてSNS等で発信をしていて、すごいなあと思います。

一方で、SNSには出てこないものが時おり垣間見えるのが雑誌の特集記事の醍醐味でもあります。たとえばsh_art_collectorさんとgutsurohi_さんの対談では、おふたりとも東京から離れた場所に住んでいてご家族がいらっしゃって、という環境のなかでどう展示を見て回って作品を買うか、という話が出てきました。
SNSだとどうしてもキラキラした部分だけしか見えてこないですが、実際には皆さん見えないところで目の前の現実といろんな折り合いをつけているんですよね。当たり前だと分かっていつつも、SNSの投稿を見ているとつい嫉妬なんかのどす黒い感情が渦巻いてしまう(冗談です、冗談)。そんな自分を戒めながら、(程度の差はあれ)同じように苦心している身としてはただただ共感するばかりでした。
またインタビューを受けていた吉田さん親子は現代アートとの出会いを介してまた新たな親子の関係を築いていらっしゃるのも素敵。羨ましいというか、まあ私は独身なんですけれども。

ここからは自分語りです。
コレクター60人を対象にしたアンケートでは「コレクションポリシー」を問う項目があって、それを読みながら「自分はどうだろう?」なんて考えていました。まあ自分は大作買いのコレクターではないので必要ないと言えばないのですが、ふと思いついたのは、

最初に面白がる

ということ。
最初というか、早い時期に、という方が正確かもしれませんが。
まだ多くの人に知られていない作家さんを面白いと思って作品を購入する。ヒエラルキーから言ったらど底辺に位置する自分のようなコレクターの一番の楽しみはそこにあると思います。
そのうち作家が上のランクのコレクターの目に止まって、そして更にその上のコレクターに求められて、と徐々にステージを上がっていくのをリアルタイムで追っていけるのはとても楽しいこと。そこで「自分は初個展で作品を買ったんだ」と言えるのは光栄なことですよね。

自分が作品を持っているなかにも、井田幸昌さんはもう雲の上の存在になってしまっていますが、東京のギャラリーに所属して注目度を高めている作家さんが何人かいらっしゃいます。その方たちの活躍を願いつつ、また新しい作家さんと出会いたいという気持ちでこれからも展示を見て回りたいと思います。

欲を言うならもう少し30代40代のコレクターさんの声を聞きたかったかな。自分の周りにあまりいないので、情報交換したり熱く語らったりできるコレクターさんがもっと増えるといいなあと願っています。


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