見出し画像

驚きのリニューアル

ようやく訪れることができました!
どこにかと言いますと、京都市京セラ美術館です。
長らくの改装休館を経て、3月21日に本当はオープンする予定だった京都市京セラ美術館。内覧会は前日に行われたようですが(ちょうどその日は東京にいてギャラリー小柳さんでスタッフの人がお客さんにそんな話をしているのが聞こえたのでした)、開館は延期そしてまた延期。結局5月26日に開館はしたものの、しばらくは府内在住の人のみ入館可の対応が取られ、6月18日にようやくその制限が解除されました。
その後は私が京都を回るタイミングを逸してしまい、7月半ばにようやく!訪れることができました。

約1ヶ月のブランクを挟みつつも京都には定期的に来ていたのですが、この美術館の前を通る機会は皆無で、本当に久しぶりに来たわけですが、まず外観を見てビックリしましたよね。

入口が地階になってる!!
敷地に入ると緩やかなスロープになってそのまま入口にたどり着きます。これまで使っていた入口はシャッターが下されていて、もう使うことはないようです。
6月18日から居住地関係なく入場できるようになったのですが、日時指定の予約は必要です。私は向かっている最中の地下鉄のなかで気づいて慌てて予約しました。予約は展覧会を選んで日時指定する形式でしたが、入口で一度見せるだけでOK。入ってしまえば、好きなように動き回れます。
さて、新設された地階は両側にカフェとミュージアムショップが配置され、中央にチケットカウンター、そして奥へと続く通路があります。そちらを通って階段を上がるとこんな景色が飛び込んできました。

中央ホールと呼ばれる空間が現れました。
ここはかつて展示室だった場所。大陳列室という名前だったそうですが、卒展で足を運んだときの記憶が鮮明に残っていて、そのぶんこの変化に驚愕してしまいました。
階段を登って左右と奥にそれぞれ展示室への入口があって、まずは奥へと進みます。
かつては壁で遮られていましたが、今回の改装でガラス張りへと変貌を遂げていました。建物の東側ってこんな庭があったんですね。全然知らなかった。

今回の改装で新たに「東山キューブ」という展示室ができまして、ここでの柿落としの展示が杉本博司さんの「瑠璃の浄土」。海景を閉じ込めた五輪塔、三十三間堂の仏像を撮った「仏の海」、カラーというのが新鮮な「OPTICKS」(世界初公開)など、見応えのある展示でした。
直島にある護王神社の模型もありました。

地下の部屋から外へ出ようとすると海景が見える趣向も再現されていました。久しぶりに行きたくなってしまいます。

あと、江之浦測候所で田中泯さんが舞踏する様子を収めた映像作品も良かったです。江之浦測候所にもまた行きたくなってきました。

庭園の池には杉本さんによるガラスのお茶室「聞鳥庵(モンドリアン)」も設置されています。

さすがに入ることはできませんが、一度は中に入ってみたいですね。

さて。展覧会を見たあとはしばらく館内をうろついてみました。するとかつての入口〜ロビーに行けることに気づきました。

この荘厳な雰囲気は手つかずのままなのはうれしいですが、導線に入っていないのはちょっと寂しい気もします。まあ、保存に舵を切ったということなんでしょうけれども。

さて、続いては新しくできた地下のスペースへ。ショップ側の通路を奥へと進むと、また別のスペースが現れます。

「ザ・トライアングル」と命名されたこのスペース、若手作家の展示を中心に行われていくようです。第一弾は鬼頭健吾さん。京都造形芸術大で教鞭を執られている縁でしょうか。

鬼頭さんの作品はここだけでなく「光の広間」という空間にも展示していると係の方に聞いたので行ってみることにしました。
どこにあるのかと思ったら、中央ホールから左手のドアをくぐった先にありました。チケットがないと入れないかと思っていました。

鬼頭さんの作品は「untitled(hula-hoop)」という約2500本ものフラフープを繋げて作られたもの。空間を埋め尽くすようなその存在も圧倒的なんですが、何より驚いたのは「こんなところあったの?」ということでした。以前は中庭だったのですが、非公開だったそうです。天井がガラス張りになっているので光が差し込んで、とても気持ちのいい空間でした。
最後は「ザ・トライアングル」の地上部分を外から撮ってみました。

ということで、驚きに満ちた京都市美術館のリニューアルでした。こんなに驚けることなかなかないんじゃないでしょうか。以前の美術館の姿を知っている方にこそ行ってもらいたいと思っています。

個人的に残念だと思うのは、「東山キューブ」と北回廊・南回廊の計3つの会場が完全に独立していてそれぞれに入場料が発生すること。今回の場合だと、杉本さんが1500円、「最初の一歩:コレクションの原点」が1000円、「コレクションルーム」が730円(京都市外在住の場合)。合計すると3000円超えてしまうのでちょっと躊躇してしまうものがあります。
よくよく考えてみたら、これまで京都市美術館で見たものって美大の卒展くらいで、正直企画展とかほとんど見たことがなかったのですが、現代美術を中心に展示する「東山キューブ」そして「ザ・トライアングル」ができたことで、通う回数は増えるかもしれません。今後どんな展示を見せてくれるのか、非常に期待したいところです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?