互いに間違えやすい語彙を覚えるために遭遇頻度を上げる
語学学習で語彙力がある程度ついてくると、同形異義語、すなわち、つづりが一緒だが意味が異なるものに加え、同音異義語や、同じ発音ではないが発音が似ている単語などが出て来るようになる。
例えば韓国語では以下のような単語で、互いのどちらだったかを間違えることが私は多い。(※ハングルが読めない人のためにカタカナで便宜的にヨミを記載してみたが、あくまで便宜的なもので実際のヨミではないので注意)
例1
의원(イウォン) 議員
위원(ウィウォン) 委員
例2
정치(ジャンチ) 政治 ※「ン」は「三月(サンガツ)」の「ン」
잔치(ジャンチ) 祝宴 ※「ン」は「サンダル」の「ン」
例3
도착(ドチャッ) 到着
동작(ドンジャッ) 動作
例4
대중(デジュン) 大衆
대출(デチュル) 貸出
대충(デチュン) 大体
例5
메다(メダ) 背負う
매다(メダ) 結ぶ
例6
따르다(ッタルダ) 注ぐ
다루다(タルダ) 扱う
※厳密には「르」と「루」は「ル」だが、微妙に発音方法が違う。
例7
부럽다(ブロプタ) うらやましい
부끄럽다(ブックロプタ) 恥ずかしい
부드럽다(ブドゥロプタ) 柔らかい
例1〜4に関しては漢字語(韓国語は漢字を語源とした言葉も多いので、日本人には親しみやすい。)なので、漢字とヨミとの対応関係がしっかりと頭に入っていれば恐らく間違えることが無くなると思う。まだそのレベルに達していないのでしっかりと覚えていくしかない。
例5〜6は固有語(漢字を語源としない固有の言葉)なので頑張って覚えるしかないのだが、ハングルに対する発音をしっかりと意識して覚えておかないとどれがどれだが分からなくなってしまう。
現在、Ankiを使って韓国語や英語の語彙力の強化をしているのだが、最近は上記のような同音異義語や発音が似ている単語同士の間違いが多くなかなか覚えられないことが増えてきた。片方しか覚えていなかった頃は完璧に回答できていた単語でも、複数でてきた頃から、どちらも間違えるようになってしまい悲しい思いをしていた。
何とか頑張ってお互いの違いを覚えたと思って安心していると、Ankiがある程度の間隔を空けて再度出題してきたときに、また間違えることが多い。何回か繰り返せば覚えるようになるだろうと思っても、いつまでたっても覚えて忘れてを繰り返し続けており、いい加減対策を考える必要を感じていた。
何故自分がこれらを覚えられないのかを考えたところ、ハングルの綴りの細かな違いをしっかりと区別できていないことに気付いた。このため、それぞれの単語カードの裏面に、間違えそうな似た単語を全部登録することにした。
例えば、「의원(イウォン) 議員」のカードであれば、裏面に「間違えやすい単語として위원(ウィウォン) 委員がある」と登録しておく。もちろん「위원(ウィウォン) 委員」のカードには「間違えやすい単語として의원(イウォン) 議員がある」と登録しておく。3個以上ある場合には当然それら全てを登録する「대중(デジュン) 大衆」のカードには「間違えやすい単語として「대출(デチュル) 貸出」及び「대충(デチュン) 大体」がある」としておく。もしより具体的に注意すべきtipsなどがあるならばそれに関しても一緒に記載しておく。
こうすれば裏面をめくって間違えたときに(もちろん正解したときにも)似た単語の綴りの違いを一緒に把握することができる。
Ankiは間違えやすい単語は問題として出される頻度が上がるので、これらの似た単語(つまり自分が間違えやすい単語)が頻繁に出題され、綴りの違いを確認する頻度が上がった。昔に比べて安定的に覚えられるようになっている。
この方法は同音異義語や発音が似ている単語だけではなく、単純に自分が勘違いして覚えている単語同士にも適用できる。
人は忘れるように出来ているので短期記憶を長期記憶にするためにも、暗記対象のものと遭遇する頻度をいかに上げるかを工夫することが大事だな、と感じた。
但し、この方法の難点は、Ankiで覚えているときに間違えたとき、「間違えた方の単語を検索し綴りを確認」「互いの単語カードにそれぞれ登録する」という作業をしなければならない。これがAnkiを実施するときのリズムが狂ってしまう。
一度どこかにメモをしておいてその日のAnkiの出題分を全部終えてから登録することも一つの手だ。但し、今日の分をこなしている最中に何度もその単語(ひどいときには、勘違いした方の単語も)が出て来て、何度も勘違いしたり正解したりを繰り返すはめになることもある。
このため間違えやすい単語を登録したいと思ったときに全ての単語に登録するようにしたいと考えている。なるべくリズムを崩さずに簡単に登録する方法の模索が今後の課題だ。
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