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日記 20240612WED

6月12日。
アンネ・フランクの誕生日。

今はこの世にいない人であっても、命日よりも誕生日に重きを置きたい、と何となくそう思って生きている。好きな作家や作曲家、戦国武将などの誕生日を勝手に祝う。乾杯したり、ケーキを食べたりする口実が欲しいだけ、ともいえる。

けれども、どうしても命日を、終わりの日を意識せずにはおれない人もいて、その筆頭が彼女である。アンネ・フランク。
それでもやはり、誕生日に、生まれ来た日に思いを致したい。その日がなければ、読むことのできなかった手記がある。

日記といえば?と問われて、最初に思い浮かぶのは「アンネの日記」である。初めて読んだのは10歳の時のこと、小学4年生だった。まず読んだのは子供向けに書かれた伝記本。読み終えて、日記を手に取った。

当時の感想文が今も手元に残っている。「いつか隠れ家を訪ねたい」と締めくくられているけれど、いまだ実現できていない。
行きたいと思う気持ちに変わりはない。
オランダへ、プリンセン堀の、あの隠れ家へ。
少女の頃の願いを叶えたい。
でも、今になって行くのは少し怖い。

6月12日。
10歳の自分に、じっと見つめられているような一日である。

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