創作/理由づけ

いいか、私は君が嫌いだ。そして、そう見えるように振る舞っているつもりだ。できれば今だってこうして話していたくないくらいだ。

なぜ?仕方ないな、ではいくつか理由を挙げる。そしてこの話が終わったら、もうこの話題は出さない。君が嫌いだからだ。いいな?

ひとつ。君の隣にいると暑いし、動悸がする。何か私にとって毒であるものを分泌・空気中に拡散しているんだろう。そういう種族もいるから不可能じゃない。ただ君は人間だから変だな。擬態でもしているのか?

ふたつ。君を見ると、持っている菓子を分け与えずにはいられない。精神干渉かなにかをしてそうさせていると見た。だが、そのわりに断る時があるな。妙に居心地が悪くなるから、せめて受け取るフリだけでもして欲しいものだ。

みっつ。君が苦労しているところを見るのが不快だ。とても見ていられない。……さっきも山ほど仕事を押し付けられていただろう。私の方に回せ。そうしないと効率が悪い。

よっつ。君の選び、勧めてくるものが全て私の好みに合致しているし、君もそれが好きときた。おかしいだろう。私は何も言っていないのに、なぜ知っている?そしてなぜ好みが近いんだ?

いや、好みに関してはこの際いい……諜報活動でもしているのか?あいにく私は先ほど言った通り君が嫌いだから、サインはやらない。いや、待て。書類に必要なら、するから。後でまとめて持ってくるように。

いつつ。……あー……なんだ?もうないのかって?仕方ないだろう、今だって動悸がして落ち着かないし、よっつ出せただけでも良い方だ。……なぜ笑うんだ!どうせ愛想笑いだろう!全く。本当に……やっていられない。

……えっ……自分はただの人間で、その範疇からは外れていないし、毒も精神干渉も扱うことはできない?

ふん、実際のところはわからないだろう。そうだな……どこかゆっくり過ごせるところで、何か摂りながら話すとするか。君の正体が何にせよ、私の勘違いでないことは証明されるさ。

勘違いだった場合?ははは!それなら付き合ってみるのも面白いかもしれないな!だがありえないぞ?

なんたって私は、君が嫌いなのだからな!

おしまい。

👠正体だのを吐かせるために「綺麗な」格好をした方が威圧できるだろうとしっかり綺麗にして行った結果、「きれいですね」と言われて落ちたし、本当に君くんはただの人間だったから付き合うことになったぞ!

手垢がついた内容であることは……気にするな!

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