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【ザ・ショッピング・ケース・ワン】

【ザ・ショッピング・ケース・ワン】フロム【ハウ・キュート・マイ・キャット・イズ】 シリーズ!

【ハウ・キュート・マイ・キャット・イズ】 シリーズ とは:
yulou407によるニンジャスレイヤー二次創作、つまりテキストカラテのカテゴリーの一つ。グラスキャットのカワイイなワンシーン、日常風景、観察日記、彼女が愛用するヘッドホン端末のデータの一部など。ショートムービーめいた記録。文体は忍殺に準ずるものから箇条書きまで様々である。

「青と黄を混ぜれば緑になるんだったな。で、全く同じ色をつくるのは素人には難しい……と」「微妙な違いで名前が変わるんだね」グラスキャットは壁一面に掲載された絵の具の発色サンプルを眺め、メガネを格納して目の間を揉んだ。あまりにもさまざまな色があるのだ。情報が実際多い。


「トラベラー=サン、良いのあった?」問うグラスキャットの傍で、トラベラーは「ビリディアン・ヒュー」と書かれた絵の具のチューブを手に取っている。「今ちょうどね。試しに反映してみようか」


絵の具を手元の小さなカゴにそっと入れ、トラベラーはグラスキャットに向き直った。その目が瞬き、エメラルドグリーンから暗めの青みがかったグリーンへと変わった。「よし。ビリディアン・ヒューだ。響きもいい」


「いいじゃないか!フム……ウーン、瞳だと幾分暗く見えるけど、そこがまたミステリアスだね」
グラスキャットは猫が匂いを嗅ぐように顔を近づけて、トラベラーの瞳……正確には、多機能型コンタクトレンズの色を眺めた。


「アー、ネコチャン」「フゥーム……かなり近づかないと分からないな……」「グラスキャット=サン」「ウン?」「距離を」「アッ……ゴメン」グラスキャットは夢中で見ていたものが人の顔の一部だったことを思い出し、慌てて離れた。


「メガネがあれば当たって気づいただろうがね」更に、妙に嬉しそうなトラベラーの言葉から、相当顔が近かったことに気づき、グラスキャットは恥ずかしくなった。「ウウーッ!」


良い体験をしたとうきうきしながら会計をするトラベラーは、店を出た瞬間に縛り上げられて運ばれるとは露ほども思っていなかったのだった。

【ザ・ショッピング・ケース・ワン】おわり。

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