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フィンランド生活「MaaSの凄さを実感」

これといってやることもなく暇を持て余している私の姿を見た彼が「街にひとりで買い物に行ってみるのはどう?」と勧めれてくれた。この国のことをまだ良く知らないし、誰に会いに行く訳でもないので、街への”ひとり旅”ついて最初はそんなに乗り気ではなかった。とはいえ、ずっと家に閉じこもっていてもつまらないので、目的地を決め街の探索に出掛けてみることにした。さぁ、どこへ行きたいか・・・・。フィンランドでの生活のヒントになればと思い、日本にいる時に見た映画「かもめ食堂」のロケ地として使われていたレストランへ行きランチをテイクアウェイすることにした。

まず、Googleマップで目的地のかもめ食堂までのルートを検索。食堂→レストラン(Restaurant)はフィンランド語ではRavintolaなので、「かもめ食堂」は「Ravintola Kamome」。私の住むところからだと、バスでダウンタウンへ向かいトラムに乗り継いで、約1時間で目的地へ。フィンランドビギナーの私にとっては、ちょうど良いスタートだろう。ルートを検索しチケット購入、そしてバス停へ。実に簡単で、MaaS発祥の地フィンランドの凄さを実感した。

ヘルシンキ地域交通局のHSLアプリをスマホにダウンロード。目的地と出発または到着時間を入力すると最適なルート案が表示されるので、その中からルートを選択。アプリがリコメンドしてくれた時間優先のルートだと、バスから地下鉄、トリムを乗り継いでいくパターン。乗り換えのし易さを優先の場合は、時間優先のルートより10分ほどかかるが、バスとトラムの2回の乗り換えのみなので、今回はこちらを選択し、そのままアプリ上でチケットを購入。バス停の電子掲示板の表示では、バス番号ごとに残り何分でバス停に到着するかがチェックできるようになっている。バスに乗ったら、事前にアプリで購入したチケットの画面をドライバーに見せるだけ。お金のやり取りなどもなく極めてスムーズ。チケットは、片道(シングル)で€2.80、日本円にすると約360円。

今回、アプリを使ってヘルシンキ中心地までの移動を体験したが、ひとつのアプリで家から目的地までのルートを検索し、バスそしてトラムも同様のチケットで目的地まで行けるのは、便利かつ快適であった。東京でも、スイカやパスモを使えば乗り物ごとにチケットを購入することなく移動ができるが、もしそれらを持っていない場合は、バスと電車、地下鉄と別々にチケットを購入する必要がある。ヘルシンキのように、Door to Doorでのルート検索から共通チケットの購入がひとつのアプリで出来るのは、実に優れたユーザー体験だ。なぜ、フィンランドはこれが可能なのか?もしかしたら、バス、トラム、地下鉄、フェリーが別々の民間企業によって運営されているのではなく、全てを地域交通局が管理運営しているから、一気通貫のサービスが提供できるのかもしれない。だとすると、東京都が管理運営している都営線、都営バスなどがこのようなサービスを率先して展開することで日本のMaaS事業は格段に進むかもしれない。

ところで、目的地の「かもめ食堂」だが、フィンランドではコロナ対策でロックダウンが施行され、4月末で休業予定とドアに貼ってあり、目的は達成できずで終わった。。

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