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妄想本屋のポップ:地球の歩き方 世界のグルメ図鑑

「お母さん、自学の宿題出たから、こないだ買ってくれた料理の本…」

ソファで寝転がって『言葉の獣』を貪っていた私は、娘が言い終わらないうちに飛び起きて本棚に走る。と言っても2歩程度。ダッシュ。その様子を見て娘が笑う。

「こちら、こちらになります。どうぞお使いください」仰々しい物言いに、また娘が笑う。そして『世界の歩き方 世界のグルメ図鑑』を抱きしめて自室へ消えていく。

自学とは、小学校で出される宿題のひとつ「自主学習」の略語だ。小学三、四年の頃は、進研ゼミ小学講座のオプション教材『かがく組』から適当に選んでいたが、五年生にはその教材がなく、ネタが尽きてしまった。

2人で神楽坂を散策したときには「これ、地図にしたら自学になるんじゃない?」と提案し、彼女も「それ、楽しいかも!」とノリノリであったし、2人してノリノリで買った『散歩の達人 神楽坂 飯田橋』には素敵な手描きの地図も載っていたし、しかしその後「描いたよ!」という報告は聞いていない。えーん。

1089桁の素数はそれ自体も素数なのだが、33×33のマス目に並べて書くと、縦、横、斜め、右から読んでも左から読んでも、上から読んでも下から読んでも、全て33桁の素数、という、科学雑誌『Newton』における私のお気に入りの記事も、彼女の心の琴線には全く、清々しいほど全くの空振りであった。発達心理学の実験として知られる「サリーとアンの課題」などの心理学系の記事はたまに響くことがある。「可愛い」という理由で。笑。可愛いよね。

そこで『地球の歩き方 世界のグルメ図鑑』である。『ムー』とのコラボとか、最近面白い本を出していますよね。

立ち読みしたとき、たまたま開いたスペインのページに記載されていた「マヨネーズの発祥はスペインで、サルサ・マオネサと呼ばれる」という雑学。各国の名物料理の紹介も、そんなちょっとした雑学も、娘の自学に使えそう!と衝動買いしたのでした。買って良かった。

次の日の朝、一緒に歯磨きしながら「そういえば自学、どの国の料理にしたの?」と娘に聞いたら、「挨拶が、『こんにちは』の代わりに『ご飯食べた?』っていう国があって、そのこと書いた!めっちゃ可愛いよね?」と丸いほっぺをもっと丸くして答えた。うん、可愛い。ちなみに、どこの国かは覚えていないそう。笑。

『地球の歩き方 世界のグルメ図鑑』
lighthouse 幕張支店
で購入したものを
noma books 京成大久保商店街
でも見つけ、
『夢の雫、金の鳥籠』を探すご婦人や、
『BLUE GIANT』をブルージャイアンツと発音するレジの方と学生さんの会話などを聴きながら書きました。

『言葉の獣』
paper wall エキュート品川

『散歩の達人 神楽坂 飯田橋』
かもめブックス 神楽坂

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