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山陰の天気(4)冬将軍

「冬将軍は強いね」と朝食の時、夫が言う。ふゆしょうぐん?どっかで聞いた言葉だけど、起き抜けで「・・・・」
「ナポレオンも負けたしな」
ここでわかった。1月第三週の西日本を襲った冬将軍のことだ。1月28日のこと。雪の残骸が少しだけ庭にあった。TVニュース通り中国山地はたくさん降った。町中の我が家はほんのり。この日の前日27日(木曜日)、昼前に九州の孫からラインで“蛇口”のアイコンと“出ない”というメールが来た。小学4年。学校でラインをしているの?と心配しながら思い切って
【学校にいるんでしょ?】と返した。
【断水、給食ができない 休み】と返信がすぐにきた。
冬将軍の戦略は雪を降らすだけでなく、水道管破裂という新たな戦術をあちこちに行使。530キロ離れた福岡県から小学4年生がラインで断水を知らせてくる時代に生活インフラはメンテもなく老朽化している。
 この日は予報通り低温で私は引きこもりを決め込み、外出しなかったけど、夫は外出し、市役所の駐車場に自衛隊の車が止まっていたよ、と言う。へええ、あちこちに出動なのかしら?と呑気にしていると米子市の友人から電話。
「お水、出る?」と聞かれる。九州のことを知っているのかしら、と一瞬混乱し、スマホ片手に台所に行き、蛇口をひねると、立派に水は出る。「出るよ、どうしたの?」と聞くと「こっち、水圧が低いらしくて、少しなのよ、安来市も断水らしいから、心配したのよ」との答え。お礼を言って電話を切った。

 夕方から地域ニュースや行政無線で、同じ安来市でも山に近い場所では水道管の破裂で断水のため自衛隊が給水に出た、となりの鳥取県米子市でも地域によって断水や水圧を下げ、出が悪い場所があると伝わった。島根県の県庁所在地である松江市では、放置空き家率は全国レベルで、水道管破裂もあった。空き家全戸調査とか・・・

 就寝前に蛇口から細く水を出した。
冬将軍オソルベシ!
ゆうこの山陰便り №144

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