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松江(5)武者の日

 Facebookのイベントのお知らせで、松江で開催される「武者の日」を知った。6月4日を“むしゃ”にちなんで「武者の日」と決めていたのだけれど、“大人の都合”で6月3日(日)に開催します!という文言に笑ったけど、合理的だ。
 松江城は3年前に国宝になった。観光の目玉で、松江を訪れた人はたいてい城を訪れる。私も友人が山陰旅行に来て下さると、必ず案内する。天守閣周辺には、忍者やお姫様に扮装したガイドさんがおもてなしをして下さる。松江にも、勿論ゆるキャラのしまねっこもいるけれどこのガイドさんは人気だ。
 「武者の日」イベントでは、馬溜り、二の丸下の段に武者がいる。ちびっ子は料金を支払い「チャンバラ教室」に参加できる。武者に扮した大人が相手をしてくれる。大人は弓うち射的や城攻めや甲冑着付け体験も出来る。

 6月3日は真夏日で、天守閣までの石段も道もきつかった。扮装した武者を見かけ、武者ウォッチというと、武者が10秒ほど動かないので写真を撮れる、というのが気にいってカメラ片手に場内をウロウロした。実際に武者に出会うと「写真撮らせてください!」と言ってしまったが。

 本丸で本間亀次郎と名乗る武者と出会った。「暑いので少し休憩じゃ」と言われる。「戦いが始まったら休憩できませんね」というと、「勇猛に戦うため今は休憩しているのじゃ」と笑って答える。こんなユーモラスな会話を楽しんで彼の写真を撮った。
 天守閣の見える場所に休憩所がある。日陰に入りたくて足を踏み入れると、「タイムスリップしてレトロな写真を撮りませんか」と勧められた。プロが撮って下さる写真、衣装、プリント全部込みで500円。いつのまにか休憩所にやってきた武者・亀次郎さんが、「他の城や映画撮影所だったら、5000円以上じゃよ」とセールストークも自然にPRされる。
 つい、トークに乗り、撮影して頂くことにした。せっかくだから武者・亀次郎さんとツーショットがいいとこちらもリクエストして快諾を得、扇や和傘の小道具もお借りし、プロのカメラマンに撮って頂いた。
 観光は名所旧跡を訪ねて歩き美味しい物頂くこと以上に、訪れた地でしか出来ない体験が人気になっていると聞いたけど、まさか地元の私がこのような経験をするとは・・・
これも松江城の初代藩主堀尾吉晴公のご配慮か?天守閣をバックにこのスタイルだと、お局様?になったような気分になる。
 石段を降りて帰路に着くときに凛々しい女武者に出会った。まさに木曽義仲の巴御前だ。今度は平家物語の世界に迷い込む。すっかりイベント企画にとりこまれた。

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