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コロナ禍のなかの金沢暮らし@5月15日(金)「私と黒服と交差点と」

噂話で駅前の居酒屋「漁々丸」が閉店したと聞き慌てて見にいった。今年2月には営業していたと思うからコロナの影響だと思ったが、詳しい人に聞けばもともと閉店する予定はあったとのこと。後押ししたのがコロナだったのかもしれないし、そうじゃないかもしれない。開店したてのころに訪れたが、刺身が美味しかった。お疲れさまでした。

今日は緊急事態宣言解除後、初の花金である。

20時、片町のスクランブル交差点に突撃したが、看板の明るさが多少戻っていた。歩く人はまだまだ少ない。道中にすれ違う人は黒服ばかりだったが、サラリーマン2割、キャッチ1割、スマホポチポチ7割。スマホポチポチ勢はいつも一体何をしているんだろう。レアポケモンでも出現していたのか。

この日は私も黒スーツもどき、黒コートだったのでベージュのバッグさえなければ融けこめていたのじゃなかろうかと思う。思うだけ。

いつもは叫ぶ絡むの酔っ払いのグループが必ずいるものだが自粛を続けているらしい。ぜひ今後も引き続きそのスタンスをお願いしたい。

スクランブルでしばらくぼーっとしていたら新聞記者さんが撮影に来たので撤退。ちなみにその方とは犀川大橋付近ですれ違っている。さっきぶり。

20時30分過ぎ、大工町や片町大通り、伝馬町を歩く。

ビルの電気は付いていても、お店が開いていないこともあるので実態は不明。クラブは県内外でクラスターを発生させているからなかなかすぐ再開とは踏み切れないだろう。でも、看板の明かりが戻るだけでも町が明るくなるものなのだな。

ツイッターで「志げ野」が閉店したという文字をみて大変驚いたが、店の前まで行ってみると張り紙があった。どうやら自粛要請に基づいた休業らしくほっとしている。ツイートには「店主から聞いた」というようなことが添えられていたのでそちらが最新情報なのかもしれないが、絶望するにはまだ早い。

木倉町では撮影を終えたカメラマン一団とも入れ違いに。実はスクランブル交差点に行く前にこのあたりを歩いたので少なくとも30分以上は取材していたことになるのか。

長町武家屋敷跡を通り、駅前へ行く。中央小学校裏で蝉が鳴いている。働きものである。

玉川町はいつも通りひっそり。時刻はすでに21時を回っていた。白銀から六枚へ向かうこの通りは、3件あれば1件営業しているかどうかというような感じだった。そこからさらに三和を通る。

もうこれでいいかな駅で終わりにしようと思ったが、ここまで来たらと別院通り、此の花にも足を伸ばした。今月2回目の2万歩突破。わたし、偉い。

22時になるころには人通りもほぼないと言って良かった。三和からここまですれ違ったのは両手で数えるくらい。駅に戻り、緑点灯の鼓門にほっとする。

片町、駅前と歩いてみた感じ、人通りに変化はない。夜間営業メインの飲食店で店内飲食を再開していたのは2割程度。木倉町は群を抜いて再開しているところが多かった印象。半数はいかないまでも4割程度営業していたんじゃないか。明るさで誤認している可能性もあるが。

見れる範囲での所見になるが、お店には1組程度は入っていたように思う。まあそれも10件あるかないかくらいの件数だ。それらに来店している組み合わせも1人もしくは2人だった。

衛生対策として「換気」というのが外からみえるわかりやすい記号だと思っているが、半数は戸を締めきっていたのでちょっと心配。扉を取り外していたところは思い切りが良くて感心した。こぶし一個分開けているところはちょっと有効性がどうなのか気になるところ。

飲食店を応援したい気持ちはやまやまだが、お店を訪れるとなるとやはりまだハードルが高いなと思う。完全予約制で万一のときは全員と連絡が取れ、お店は常に換気して、席は個室、お客の入れ替えごとに消毒し、金銭はキャッシュレス。従業員の方の保護としてマスクやフェイスガードのあるところ、となるとなかなか現実的ではない。当分はテイクアウトを続けたいし、続けてほしい。

「飲食店は補償もなく大変だ」という主張が目立ち、ときどき置いてけぼりをくらっているような心地がする。贔屓にしている飲食店が常々ファンのことを気遣ってくれおり、長期の休業を決めているだけに対応のギャップが大きい。そのとき私は弱きものを挫くつもりかと自省するのだが、心の霧が生まれる。

希望が見えてきたというのは事実だが、不安との狭間で葛藤がますます増える予感がした。

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