素直に行じる難しさ

「仏教とはどのような教えか」と、国中に名のとどろく大詩人の白楽天に問われて、鳥彙禅師が「諸の悪をなすことなく、諸の善を行ない、自らその心を浄める。これが諸仏の教えである」と答えたのは有名な話です。
白楽天が「そんなことは三歳の童子でも知っているではないか」と問い返すと、禅師は、「三歳の童子でも知っていることが、八十歳の翁にもできぬものだ」と答えられたのです。分かりきったことを素直に行じていくこと、それが仏教だといってもいいでしょう。それで人生の幸せがつくられていくのです。

『開祖随感』1965年(昭和40年)

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