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ジャズピアノのオンライン教材の問題点【連続投稿50日記念特集号】有料級【前編】

みなさん(*^▽^*)わにちんこ(;´・ω・)いつもゆうこりん波乱万丈留学日記をお読みになって下さりありがとうございます。一昨日で何と50日間連続投稿となりました。毎日自己満の下ネタ回想録を投稿し続け、気がつけば32人の方にフォローをして頂き、これまでに3回のサポートと、有料記事を2人の方にお買い上げ頂きました。そして多くの方にスキをして頂きました。ここまで続けられたのも多くの方のご支援があってからです。変態な読者の方のために、今日も頑張って下ネタを書き続けます( ^ω^ )ニコニコ (そこかい!!)

今回は祝・連続投稿50日特集号と致しまして、これからジャズを習い始めたい方向けに、無料オンライン教材の問題点についてお話ししたいと思います。有料記事にしようかと思ったのですが、今回は出血大サービスで無料です(*^▽^*)やっぱりタダより安い物はないですね!(^o^)/初めての方は是非スキ、フォローをお願いしますよ~(;´・ω・)以下は5日前から書いてきた文章です。では早速参りましょう!

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いやはや凄い時代になったものだ。一昔前まではCDやライブでしか著名なジャズミュージシャンの音楽を聴けなかったのに、今ではインターネットで無料で多くの著名なミュージシャンのコンサート映像や特別講義を視聴する事が出来る。私達はジャズの学習にも使えるテクノロジーを最大限有効活用すべきというのが自論である。

しかしこれには弊害がある。現代は情報過多の時代。インターネットには有益な情報の何倍もの無益な情報、酷く言えばゴミのような情報で溢れかえっているのである。特定の教育機関で権威のある講師が教える授業に一部の学生しかアクセスできなかった時代は、音楽の理論や、教育メソッドは一定の質というのが保たれていたと思う。勿論大学の講師が教える事がすべて正しいとは思わないが、例えばアメリカの大学で音楽講師として働くには、多くの演奏家としての活動実績や教育経験が認められなければいけないからだ。

昨年、インディアナ大学でドラマーの教員スティーブ・ホウトン氏が定年で引退した関係でドラマー教員の募集があった。私は色々な裏話をある大学との繋がりで手に入れた。聞くところによると、全米各地から100人近くの応募があったそうだ。まず大学で教えたことのない人は速攻書類選考で落とされる。(もしあなたがアメリカの大学で教鞭をとりたいのなら博士課程、大学での指導経験は必須だ。今の時代は修士だけではよほど有名なミュージシャンでない限り大学で教えるのは厳しい。)履歴書の活動歴等を吟味し候補者を20人に絞る。そこからスカイプのインタビューで実際にオーディションに辿り着けるのは5人だった。各候補は2日間に渡って、実技演奏、個人レッスン、ビッグバンド指導、コンボ指導、マスタークラスを行った。これらはオーディションであった。私は5人の候補者の名前を外部に漏らすことは出来ないのだが、学生として彼らのオーディションを見る機会があった。候補者全員、演奏、指導共に素晴らしく甲乙つけがたかった。候補者の中にはかの超有名なドラマーもいた。彼は結局最終選考で落とされてしまった。アメリカの有名な音楽大学でフルタイムの教授になる事はミュージシャンにとって一つの成功を収めたと言ってもいいだろう。

話は長くなってしまったが、大学での授業というのは、激しい試験を勝ち抜いた人が教えているので、ある程度の質が保証されているという事を伝えたかった。それがインターネットの世界ではどうだろう。オンライン上で有名な教育者というのは、本当に演奏実績や教育指導が優れているのだろうか?

答えはNoである。勿論、中には素晴らしい演奏家や教育者がオンライン教材を作っているケースもあるが、Youtubeで見かける有名な教育系ジャズピアニストのほとんどが、残念ながらジャズの正しい知識を身につけていない。間違った情報を垂れ流し、ジャズという芸術音楽を冒とくしている。(言い過ぎ?(;´・ω・))彼らのチャンネルの登録者が多いのは、宣伝方法や、マーケティング戦略、動画の編集、又は照明やカメラ等の音響機材が良かったりするからだ。

こういった見た目の良さだけで彼らの情報に飛びつき、誤った情報を鵜呑みにすると、音楽の本質を見失い、誤った奏法が身に着いたり、正しい音楽性が身につかなかったりする。正しい音楽とは何か?音楽に正解もなにもない、そんなの人の好みで良いではないかと思う方もいるかもしれないが、音楽の99%は科学的(理論的に音響学的)に良いか悪いか証明できるのである。人々が美しいと感じるベートーベン、モーツァルト、レスターヤング、デュークエリントン、彼らの音楽には、美しいとされる共通の方程式があるのだ。

ジャズはアメリカが20世紀に生んだ芸術音楽である。アマチュア、プロ、個人のレベルは関係ないし、誰にもジャズを学ぶ権利があると思っている。ジャズを学ぶ目的も人それぞれだろう。私だって偉そうなことを言っているが、埼玉県春日部市出身の三流のピアニストだ。けれど、芸術音楽を学んでいるという姿勢でジャズを勉強するというのが私のモットーだ。

私はジャズピアノを初めた時に何から始めればよかったのか分からなかった。ジャズを勉強するというのは、ジャズの練習法を勉強することなのかもしれない。機会があったら特集号で「ジャズピアノ初心者が始めること」という事について自論を展開したい。それはさておき、今回はジャズピアノを学習をしていく上で、一度や二度はオンライン上でのジャズピアノ講座というのを見ることがあるだろう。素晴らしいオンライン教材と問題ありのオンライン教材がある。今回はその見極め方を伝授したいと思う。何をおせっかいなと思うかもしれないが、時間は有限である。ましてや間違った音楽性が身につくと、その癖を取るのに余計に時間がかかる。以下に述べる事は私の考えである。勿論批判も受け付ける。コメントやメッセージで意見を送ってくれるとありがたい。今日の記事がこれからオンラインでジャズピアノを学習しようとした時に、教材の優劣を見極める一助になってくれれば筆者としてこれ以上幸いなことは無い。

以下が筆者が思う、間違ったジャズピアノのオンライン教材である。

その1.ニュアンス、タッチ、フィールについて教えない。
突然だが、ビル・エバンス、レッド・ガーランド、オスカー・ピーターソンのサウンドはなぜこうも違うのだろうか。多くの人は、コードに対しての彼らのアプローチ、すなわち鍵盤のどの音を選んで弾くかによる違いだと答えるだろう。しかしこれは誤りである。何故ならレッドガーランドのトランスクリプション(コピー譜)をジャズを聞いた事のないクラシックの音大生に弾かせると100%ダサく弾くからである。レッドガーランドが作り出しているサウンドは、レッドガーランドが押さえている鍵盤の場所と、各音の持続時間だけを知ったところで真似できないのである。その人がその人のサウンドである理由には色々な要素が複雑に絡み合っている。リズム、フレーズ、ニュアンス、タッチ、ダイナミックス、ペダリングetc... しかし99%のジャズピアノ教材は、どの鍵盤をどれだけ長く抑えるかという情報しか提供しない。

オスカーピーターソンのミディアムスローテンポで魅せる極上の左手のストライドのサウンド、レッドガーランドのパリッとしたブロックコード、フェニアスニューボーンの軽やかなオクターブのユニゾン。私たちが、これらを聴いて感動するのは音使いだけではない。彼らの音に対する接し方や考え方なのである。言い換えると、音使いを知っただけで、彼らのように良い演奏を出来る事にはならないし、人を感動させる事は出来ない。単純にキーボードを使って鍵盤の抑える場所を教える事は、音楽を教えていない事がお分かり頂けただろうか?

私の動画ではトランスクリプションを載せているが、それは耳コピが出来ないジャズ初心者向けが最終手段として仕方なく音を拾うための参考として載せている。ジャズの学習ではトランスクリプションは極力使わず、音のニュアンスとセットで音使いを学ぶのが必須だ。

クラシック音楽を例に考えてみれば分かるが、楽譜というのは必要最小限の情報しか載っていない。私たちがお金を払ってまで、マルサアルゲリッチ、ダニエルバレンボイム、ユジャウォンのコンサートに行くのは、同じ曲で楽譜が同じでも(勿論出版社によって、楽譜の内容が違うケースもあるが)彼らが、必要最小限の音使いからどのように曲を解釈をするかを知りたいからである。彼らが音使いの先にあるものを追い求めるように、我々ジャズミュージシャンもトランスクリプションの先にあるものを考えないといけない。

2.生のピアノを使わない。
したがって1に関連してくるが、筆者はキーボードでピアノを学習するという事は好まない。キーボードとピアノは全く別の楽器である事を強調したい。勿論各家庭の音楽環境は違うし、例えば小さいお子さんにピアノを習わしたいという親御さんはアップライトピアノを買ってから、子供が続かなくなってしまったらという事で、キーボードで取り合えず習わせてみようという事もあるだろう。(かくいう親からももらった44鍵のカシオのキーボードからピアノを始めた。)私はキーボードを使ってピアノの学習をしている人を非難するつもりはない。私だって幸い今は実家に居候してヤマハのグランドピアノが使える状況にあるが、もし一人暮らしで、ピアノが無ければキーボードでピアノのレッスンをするかもしれない。ただ、ここで強調したいのは、キーボードで教えたりする場合、音使いしか教えられないと言うことである。ギグでピアノがない現場で急遽キーボードを弾くことになったりするとピアニストは苦労したりする。自分の演奏の考え方が変わるからだ。それまではニュアンスやタッチで表現する演奏がメインだった人が、音使いの内容で勝負したりしなければなくなる。

生のピアノで練習する事は音について考える練習になる。良くピアノほど難しい楽器はないと言われることがある。これは非常に的を得ている。ピアノ程簡単に音が出る楽器はないので、その音をどのように表現するか、自分の音とは何かと考えない人が多いのである。

例えばテナーサックス奏者だったら、自分への音へのこだわりがある。楽器へのこだわり、マウスピースへのこだわり、そしてリードへのこだわりがある。そして、どうやってスタン・ゲッツのような音を出すのか、ジェリーバーガンジーのような音を出すのか、呼吸法やアンブシュアと向き合うのである。しかし、ピアノは鍵盤を押せばとりあえず音が出るので、自分の音と向き合う人が少ない。しかし一流のジャズピアニスト、いや音楽に向き合う以上、音について向き合っていかなければならない。

私は22,3の頃に初めてキースジャレットのソロコンサートに行った。確かチケットは1万2千円だったと思う。当時としては痛い額だった。しかし友人にチケットを予約してもらい、キャンセルを出来なかったので当日支払いもかねてコンサート会場に向かうのである。「あー、ちょっと高かったかな。このお金があればDisc Unionで中古のCDが10枚買えたのに」っと色々後悔するわけである。コンサート会場に着き、客席に座る。キースが現れる。そして彼が、ピアノに手を置いた瞬間 「あ、1万2千円払って良かった」と思うのである。その位、一流の音への哲学は深いものがある。

ジャズにせよ、音楽だ。
音について考えないレッスンは私は間違っていると思う。

【後編へと続く】

写真:著者のYoutubeチャンネルである。今後、ジャズ教材に字幕を付け、日本の方々にも見てもらえるようにしていこうと思う。チャンネル登録して、定期的にジャズに興味を持っていただけると嬉しい(*^▽^*) 


P.S :本来一回で完結しようと思ったが、長くなってしまったので2回に分けたいと思う。ではまた明日(*^▽^*)今日も読んでくれてありがとう♡


ジャズピアニスト 二見勇気
Youtube - Yuki Senpai
Instagram - jazzpianosenpai
Twitter - 天才ピアニストゆうこりん ❤

プロフィール
1987年4月6日埼玉県春日部生まれ。3歳からヤマハ音楽教室でピアノを始める。クラシックピアノを大場啓子氏、國谷尊之氏、松本美都子氏に師事。ジャズピアノを今泉正明氏、石井彰氏に師事。高校を卒業と同時にプロ活動を開始。都内を中心に活動する。2012年にオスカーピーターソントリビュートアルバム 「バンザイオスカー」を発売。JAPANタイムズに掲載される。2013年にニューヨーク州立ラガーディアコミュニティーカレッジに入学。勉学に励む傍ら、ニューヨークのジャズシーンで活動する。2015年にニューヨークのミュージシャンと録音した第二のリーダーアルバム「Moonlight Serenade」を発売。日本ツアーを大成功に終わらせる。2016年にニューイングランド音楽院に入学。活動の拠点をボストンに移す。これまでジェリーバーガンジー氏、フランクコールバーグ氏、ミゲルゼノン氏に師事し、クラシックピアノをブルースブルベイカー氏に師事する。2017年にボストン・スイング・トリオを結成。ブカレストインターナショナルコンペティション2017でベストバンド賞を受賞する。これまでにヨーロッパ、中国、韓国、アメリカ、日本各地で公演を行う。また2018年と2019年の中国ソロピアノツアーでは70公演、50都市以上を周り大成功に収める。現在インディアナ大学でジャズ科補助教員をしながら Jacobs School of Musicのマスタープログラムに在籍中。ピアノをLuke Gillespie氏に師事。童貞ニート33歳。

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