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私はただの「ゆうこ」でいたい

「どうしよう、私ママになるの怖い」
妊婦健診のあと、私はこう思うようになった。

愛する夫との子供。嬉しくないはずはない。だが、日に日に、私のお腹のなかで着実に大きくなっていく子を感じ、不安も大きくなっていく。
その不安はなんなのだろうか。「ママになる不安?」、「1人の時間がなくなることへの不安?」、「夫との関係が変わってしまうことの不安?」…。
どれもしっくりこなかった。ただ、来年2月に娘が生まれてからも、自分が笑っていられること、娘に愛情をそそげていること、夫と仲良くしていたい、という思いはあった。

話はそれるが、私がシーライクスに入会した理由は、娘が生まれてからも仕事がしたいからであった。看護師として働くのはいや、娘の成長をすぐそばで見たいという思いから、在宅で働くスキルを身に着けようと思って入会した。
振り返ると当時は、大学教員という肩書きを失った私は、スキルを付けて新しい仕事を始めて、新しい、私だけの「何者かである私」になりたかったのだ。
しかし、そう簡単に「何者かである私」になれるわけではない。1ヵ月、2ヵ月と過ぎ、出産が近づくにつれ、焦燥感が増していた。

そんなときである。あるシーメイトさんのカードリーディングのモニターをさせてもらった。それが私の大きな転機となった。
今まで経験してきた占いと違ったのは、今知りたいことをノートに書いてみようと言われたことだ。一番初めに、母になる不安をあげた。それをノートに書いてみると、「それって本当?」と違和感を感じた。
文言を変えて、「2月までに自分がどうしたらいいのか前準備をしたい」とした。うん、近いかも。でも違う。

もんもんとしていると、1つの思いが出てきた。
「自分を知りたい」
それからは怒涛だった。「自分と向き合う時間がほしい」、「自分を好きになりたい。」…。あっ「ただのゆうことしてありたい」。これに思い至った時、自分の本当の声を聴けた瞬間だと思った。

母親になることが怖かったのは、母になることで「ただのゆうこ」が消えるかもしれないという不安があったからであろう。思い返せば、結婚するときも同じような不安があった。
そして、今まで私は私自身を「○○の私」という肩書きで見ていたのだということにも気が付いた。

私は「○○ちゃんのママ」でも「○○さんの妻」でも「○○の私」でもない、「ただのゆうこ」でありたかったのだ。

そのためのネクストステップとして、娘が生まれる2月までのテーマを、
【娘が生まれてからもただの「ゆうこ」であり続けるための準備期間】
に決めた。

今、私は自分を少しずつ見つめなおしている。今まで何回か自分探しをしていたが、おそらくこれが自分自身とじっくり見つめ合える最後の機会だと思ったから。

最初にしたのは、自分の心の声を聴くことだ。嬉しいと思ったら、なぜ嬉しいのか。これが好きと思ったらなぜ好きなのか。イラっとしたら、どこにイラっとしたのか。もう一人の自分を作って「どうしたの?」、「なんで?」と問いかけていた。

そして気づいた。私は理想が高いのだ。それに見合う自分でなかったり、行動できなかったら、できている部分を無視して一気に0点にする。だからできている部分に目を向けてみた。そうしたら、私にさまざまな好きなことだったり、得意かもと思うようなことがでてきた。
例えば、レストランの予約を取ったり、複数人とのミーティングの日程決めなどの「調整」。夫や友人がそういうことが苦手なので私が率先してやっていたが、全然苦ではないのだ。
また、人のお世話をすることも好きだということに気が付いた。自分のご飯は適当なのに、夫が食べるご飯はできるだけ私が作りたいと思う。夫がいる家だから適宜掃除をして清潔に保ちたいと思う。看護師時代は仕事だったから特別なんとも思っていなかった。しかし、性格的に人のお世話をすることが好きなのだなと思った。たぶん私の大切な人の、という但し書きが入ると思うが。

さらに、最近はシーメイトさんからほめてもらうことでも、私が気づかなかった私自身が見えてきた。「連絡が早いね」、「自分の学びを人に伝えることができるのすばらしい」、「気遣いがちゃんとしてる」などなど。
でもどれも私にとっては普通のことだったのだ。だからいつもなら、いやいやそんなことない、誰にでもできる普通のことと思って気にも留めていなかった。

モデルの佐田真由美さんのインタビューでこんな一文があった。

自分では自分らしさを見つけるのは難しいですが、誰かに褒められたり、認めてもらえたりすると、「そこが私のいいところで、らしさなのかも」って思えたりする。

引用:otonaMUSE 12月号(宝島社)

この一文を見たとき、シーメイトさんからほめられていた、私が普通と思っていたところは、私らしさの一部なのかと納得がいった。

シーライクスに入ってよかったと思う一番のことは、上記のことができる素晴らしいシーメイトさんたちと出会えたことである。けなしあうのではなく、お互いをほめ合い、切磋琢磨する。そんな素敵な場所。とても楽しい。だからこそ私は安心して私自身を出せているのかもしれない。

人の良いところを見つけるって難しいことだと思っている。できていないところを探すほうが断然簡単だから。そして良いところ伝えるということもハードルが高いと思う。
でも、これからはどんどん人の良いところを見つけて伝えていこうと思う。そして、娘に対してもそういう風に接したい。

私は今、人生の中で一番私自身に向き合っている。30年の月日で凝り固まったいろいろなものを脱ぎ捨てた、裸の私に出会うために。向き合いたくない過去もあるが、それすらも受け入れるようになりたい。

そして、娘を生んで、胸をはって母になった新しい私と出会いたい。


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