すごい凡人


今日も27個以上捨てられたよ! 
著者さん編集者さん関係者さんたちに知られたくないからぼかしてみたけどボケ足りないよ! 
図書館のリサイクル図書がたくさんあるよ!

(本文と関係なくてすみません)


私の音楽の趣味は――
なんて、すらすらこういうところで書く気がしなくなってしまった。

何というかね、細分化されすぎてるというのもあるし、すごく、誰かが誰かのこと、嫌い、というのが目に入って来る時代になったからというのもあるかもね。昔は知識ひけらかすのとか得意になってやってたけど、もう、それ、イタイかなとか。余計なところで敵を作りたくないというか。好きっていうんだったらそのくらい知っとけよ、みたいな、圧も、怖くなって。

臆病な人間になってしまったということなのか。

まあそれはひとまず置いといて。音楽の話はちゃんと、したいときしますよ。

いや、でも、なんで音楽の話から入るかというと、やっぱりつんく♂の本の話をするんだったら、音楽の人なのだから、そこは避けて通れないかなと思ってはいるんですよ。

わざわざ言わなくてもいいことかもだけれど、私はつんく♂の曲で、ドはまりしてたとか、大ファンだったとかではないんです。シャ乱Qの曲もモーニング娘。の曲も知ってる、けれど、この人の作る曲が自分の趣味に合うなあとか、尊敬できる人だなあとか、あんまり思ったことがなかった。やってること面白いなとは思う、けど、自分とは違うカテゴリに属する人間だなと。

そういう気持ちは今、すっかりなくなったわけではないです。

ですが、この人、実は、すごいなあと思ったことが、何度もある。曲、やり方、トークその他いろいろ。そして尊敬できる人だ、間違いない、と、心の底から思うようになったのは、実は彼が喉頭がんになってからのことかもしれない。すごくあとですね。

『凡人が天才に勝つ方法』

東洋経済新報社から出てて、へえって思いました。若い頃の私だったら、こんな本、つんく♂が書いてると知っても、ぜったい、読まなかったです。タイトルも中身も著者も自分の関心の対象外でした。

というか、つんく♂が自身も、若い頃だったらこんな本創ろうと思わなかっただろうし、編集者もこんな人にこんな本書かせようと思わなかっただろう。そしてこんな本は小室哲哉や秋元康は書かないだろう。

読んでみて本当に、今だから自分が出会えた本だと思いました。言われてみればって話なんだけど、つんく♂って意外や意外、すごく令和っぽい人なんだなと。そして自分はこれからこういう価値観を取り込んでやっていかなければという、気持ちの準備ができてきたところだった。

凡人、凡人とやたら自分のこと言ってるけど、つんく♂が本当に凡人であるかはさておき、今は天才の時代じゃないなあというのは日々、感じています。もうね、天才だからという理由で何やっても許されるみたいな時代はすっかり終わったんだね。

本文中に、令和時代必須の「人生バランスチャート」で自分のバランス力を可視化する、ってところがあるんですが、この、「令和を生き抜く能力」というのが見事に令和っぽいと思った。

①目指す道の能力(ベースになる能力)
②2つ目の能力(自分の魅力になるオリジナルの魅力)
③人間関係の巧みさ
⓸マウントをとらない感覚
⑤情報を共有できる余裕
⑥情報を漏らさない賢さ
⑦相手を楽しませる「スリリング力」
⑧危ない橋を渡らない「健全力」
⑨長く活躍するための「健康力」
⑩金銭感覚

詳しくは本文に譲りますが、こういうのバランスよく満たす必要があるわけだ。凡才というよりはものすごい秀才ですね。私なんか、人並みになれないから、一発逆転で人よりずば抜けて秀でなけりゃみたいな、天才願望があった、じゃないな、今もあって、これを全部となると本当に、人並みな真人間にならなきゃいかん、つらい。と思う。けれど、今の時代、こうでなきゃいかんのだろうな。

あと、つんく♂がこだわってた2つのことというのが面白かった。メンバーと距離詰めないように、というのと、プロデュースしたものにプライドを持つ、というのだね。一時的に大活躍したその他大勢の大物プロデューサーのように、つんく♂が「今やがっかり」という風にならなかったのは、自分はこだわりのない人間だと言いながら、ここいらへんがデカい気がしました。

リリー・フランキーのバカエッセイ本読んだとき、ちゃらんぽらんなようで、ええっ、そういうところこだわるんだ、みたいな美意識というか、他の人からしたらどうでもいいんじゃねえのそんなところみたいなことに重きをおいてるさりげない正義感みたいなところに、じわじわ感動させられたのを思い出した。こういう人のことは会ったら好きになるだろう。少なくとも嫌えないですね。

引っかかりの話はめちゃくちゃ納得です。というか、天才ではないと言いつつ、引っ掛かりの天才だと思うんだよね、つんく♂って。あのルックス(というか、見せ方ですね。メイクなし工夫無しの彼だったらどうかはわからない)とか、いろんな名前のつけ方とか、いちいち私の趣味とは違う。確実に。私以外の大勢の人の趣味とも違うだろう。でも、自分がつんく♂的なものを好きではなかったとしても、覚えるよね。覚えちゃいますよ、そりゃっていう。知名度すごいのもそりゃそうよね。

本当につんく♂が凡才であるかどうかはさておき、この本を読んで、私はやっぱりこの時代、凡才として、こういうやり方でやっていくのが一番成功の近道なのだという提案には、なにからなにまですごく納得いく。わずかな諦めのさみしさとともに、ではありますが、すごく勇気づけられました。見た目もやってることもそうは見えないけれど、努力と工夫の、ものすごいできるビジネスマンなつんく♂に、アーティストとしてはもちろん、人間としてすげえなと、尊敬した次第です。

やっぱ、つんく♂って人ありきですね、この説得力は。
個人的にも時代的にも、これからはこういう生き方をしなきゃいかんよな。

本自体とてつもなく役立つ、っていうか、役立ててちゃんと生かすぞ自分。長期戦で天才に勝つのだ。


持ってるといつかものすごく役に立つ日が来るだろうと思ってたけど
今日まで日の目を見ることがなかったマウスウォッシュ。
どこでもらったんだ? ホテル? 美容室?
今日開けて、使い切ることにしました。
(本文と関係なくてすみません)

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