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私の「推し、燃ゆ」

今回の、宇佐美りん『推し、燃ゆ』とは、(私の心情としてはたいへん関連しておりますが)関係ないものとしてお読みいただくのがいいかと。小説『推し、燃ゆ』についてはいつかぜひ取り上げたいと思っております。

ええと男性ミュージシャンの、不倫という報道がありまして。

私はかつてこの人を激しく推していた。というか、今もまあ、自分にとって、推しといえばこの人。で、いちおう情報を追う。
それで今まさに自分にとって『推し、燃ゆ』状態なのですが、現実世界では『推し、燃ゆ』のように、きれいさっぱり推しが燃えて散ってってことは、そんな、ないのだなと。


いや、そういう模範となるスターもいらっしゃいますが、大半の推しというのものは、傷跡や痛み作りつつ、ぼんやり、ひそやかに、じりじり、めらめらと、いびつに燃えるんだなと。

基本的に不倫報道に関しては、今の状況、大嫌いです。
川谷東出渡部よく知らんが頑張れ、あんま好きじゃなかったコブクロだって聞いてやるぜっていうくらい。


そりゃ身のまわりにいたら嫌な奴だなと思うし本当に性格悪いのかもしれないし天狗になってたっていうのもそれはそうなんだろうし自分のパートナーにこんなことされたら殺す! って思うかも知れないが、不倫以外にも人の欠点っていっぱいあるでしょう。赤の他人が、そこまで口出すことないんじゃないかっていう。まあでも仕事跳んだ人とかは頭くるだろうし、推しは他人事でないというのもあるので、どこからどこまでってのはあるけど。

で、それはさておきだ。私の推しについて。
推しでないコブクロについてはコンサート発表のタイミングで文春えげつないなと思ったのですが、今回の報道も、たいへん意地汚いものでした。
コロナでコンサート延期し、その、振替スケジュールを発表したタイミング。

現場はすでにおさえてて、漏らすタイミングだけ待ってたんですね。恐るべし。
その後の後追い報道卑劣っぷりもよく似ている。
いいよそんなしょうもない、金魚が糞をしましたみたいなネタがゾロゾロ。

「人間らしい」とか「恋愛のチカラをクリエイティビティに使ってきた彼だからドラッグを求めるように恋人を求めてしまったのだろう」とか
「この人昔からこうだったからね、実は」とか、「よくあることじゃん。同じ時期に活躍してたミュージシャンなんて不倫しまくってたし」とか、
「戦略として素晴らしい。無名に近かった層にもこの報道でリーチしたし」とか、「恋愛のリアリティをこれまでも歌ってきたもんね」とか、
「いけいけゲンズブール、あるいはJAY-Z路線!」などなど、かばう言葉を使おうと思えばなんだっていえる気もするのですが、なんというか。

気力、わかない。

いままでも、それなりに、ヤラカス人ではありましたから、私の推しは、これまでもすでにたびたび燃えてきました。


それで、推しの悪口を言う人を嫌いになったり、推しを褒める人をそれだけで好きになったり、褒め過ぎる人にいやいやキミまだまだだね彼はもっとしたたかだしズルいところあるよなどと胸のうちでニヤニヤしたり、一挙一動に熱くなったり、ファン同士で喧々諤々の議論も青筋立てつつ実はその盛り上がりも楽しかった。

しかしそういう平和な時代は終わったかなと今回の騒動で思ってしまいました。

もうこの件について誰かと話すってのが、ほんと、厳しい。
なんでだろ。年のせいか。なんだかな。

人間自体が、生きてることが、嫌になりそうな。

と、なんだかんだほざきつつも、ここでこうして書く気力がまだ自分にあるのだし、それでもやっぱり推しは推し。
実はこれからなんじゃないかとか、こんな騒ぎで離れるようなファンなら別にいらんのではとか。
何よりまだ、信じてます。
だっていい作品、今も出してるもの。

というわけで、今回の報道も想定内、もしかしたら戦略の一つだったくらいのことかなと。
そしてすっごい作品で世間をあっと言わせる、というところまでいってほしい。
やっぱ、作品で、評価、引っくり返してほしいよと。
そりゃ簡単じゃあ、ありません。でも、彼ならできるって気がしてる。
信じています。というか、信じたいっす。

マイナス面も含めて推しもファンも傍観者もみんな人間ってこういうものだなんだよと、わかってよかったじゃないか。
人間として生きてるあいだくらい、そのすべてを愛せないまでも、せいぜい楽しめるようでありたい。

そしてまた推しと再会する日には、それに見合う私でありたい。

不倫事故 パワーオブ自己プロデュース 神曲ひとつ ねらえ逆転

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