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父の七回忌

先日、父の七回忌を行いました。

父は子供の頃ジャイアンみたいな子だったらしく上級生と喧嘩して泣かしたり物を取り上げたりしていたようで少々問題児だったようです。

そんな父、地位も名誉もなく貧乏しつつも私達を育ててくれましたが晩年色々あり、私も思うことがあって充分に優しく親孝行とはいかない接し方をしておりました。

8月の終わりに急逝したので関東から愛媛へ飛んで帰らねばならなず、術後治療と続いてやっとこ動けるようになった時期の私にとっては結構な負担でした。父が飼っていた犬(中型犬室内飼い)の事もあったので哀しみより手続きなどを考えて頭の痛い思いでした。
しんみりしている余裕は全然ありませんでした。

葬式は身内だけでひっそりとりおこないました。母は既に亡くなっていたので独り住まいのアパートの片付け処分などを数日で済まし犬を連れて新幹線で戻ってきました。片付けなどは業者さんにお願いしたものの役所手続きなど一人でおこない、残暑も厳しくクタクタでした。
犬も慣れない処にいきなり連れてこられて、はじめのうちは戸惑っていたのでしょう。無駄吠えやうちの猫を追っかけたり私の布団におしっこをしたりと、大変でした。

ですがもともと賢い子で程なく猫も慣れ、葬式関連のことなど一段落した頃に一通の手紙が届きました。
父の住所宛の転送です。差出人は父の友達のようです。私の知らない人です。封を切ってみると御霊前と手紙が入っておりました。手紙をいただけるような友達がいたとはと少し驚きつつ読んでみると

『私は子供の頃、あなたのお父さんにとてもお世話になった者です。私は小児麻痺があり足が不自由でその事でよくいじめられていました。ですがあなたのお父さんだけはいつも助けてくれて自分をいじめている子たちをとっちめてくれたのです。一緒に遊んでくれたりして楽しい想い出があります。
その頃、私の母も大変喜んでおりました。あなたのお父さんがいなかったら私の学校での生活は哀しいものだったと思います。お葬式に伺う事が出来ず残念でした。ご冥福をお祈りいたします。』

とそれと私をねぎらう言葉で締められてました。


この時やっと、自分の愚かさを恥じ入り、
亡くなった父のことを想い哀しむ事ができ、泣く事ができたのです。

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