郵便局にて

ミッドタウンのオフィスで働いていた時のこと。
その時期は書留で郵便を送ることが多く、頻繁に郵便局へ通った。

ある日、窓口の女性が「あなた、日本人?」と尋ねる。
そうだと答えると、声を出して笑いながら話しだした。

「名前を忘れてしまったのだけど、日本人で面白いガールがよくここへ来るのよ。
 なんだかこの辺りで何かのお店をやっているらしいのね。その子がここへ来る度
 にたくさんお喋りしていくのだけど、何を言っているかさっぱりわからないの
 よ!アハハハ!」

「その人、Mariko(仮名)って名前じゃないですか?」

「そう!そう!Marikoよ!本当によく喋るの。それがとても面白くて可愛い子
 なの!」と歓喜する。

私はガンガンに押しの強い日本人女性をひとり知っていた。彼女はその郵便局の近くで小さなお店を経営していた。ガールではないが、東洋人は実年齢よりもずっと若く見られることがある。郵便局のお姉さんからはガールに見えたのだろう。

それにしても凄い!
英語があまり得意でないとどうしても言動が消極的になるのだが、自分のお店の
宣伝も兼ねていたとしても、その物怖じしない積極性を心から尊敬する。
そうでなければ!とわかっているのだけれど、実際にはなかなか出来ないことだと
思う。

Marikoさんはその後、ビジネスで成功している。

彼女が成功したのは当然なことのように私には思えるのである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?