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障害者雇用でよく聞く最低賃金法、減額特例許可制度について解説

障害者雇用では、給与を最低賃金に合わせて設定する企業が少なくありません。最低賃金制度は、国が最低賃金法に基づいて賃金の最低限度を定めている制度になります。

最低賃金制度とは、最低賃金法に基づいて、国が賃金の最低限度を定めているものです。これに基づき、雇用者は労働者に最低賃金額以上の賃金を支払わなければなりません。もし、最低賃金額より低い賃金を労働者、使用者双方の合意の上で定めたとしても、それは法律によって無効とされ、最低賃金額と同額の定めをしたものとされます。

また、最低賃金未満の賃金しか支払われない場合には、最低賃金額との差額を支払う必要があります。最低賃金は、地域別に定められています。

最低賃金の金額は時間給となっています。労働者に支払われる賃金にはほかに時間外割増賃金や休日割増賃金、深夜割増賃金、賞与(ボーナス)、精皆勤手当、通勤手当、臨時に支払われる結婚手当、家族手当等などは除外されます。

最低賃金をクリアしているかどうかを判断するには、月給や日給、出来高払い制などでの支給の場合には、時間に換算して時給を算出して見ていきます。月給や日給の場合には、基本給を所定労働時間や平均労働時間で割ると、1時間あたりの時間給の賃金を計算することができます。

最低賃金制度には、減額の特例許可制度が設けられています。 雇用者は、原則として、最低賃金額以上の賃金を支払わなければなりませんが、一定の基準を満たした上で、都道府県労働局長の許可を受けた労働者については、最低賃金額を減額する特例が認められています。

減額特例があるのは、労働能力が基準に達していない場合であっても、労働者が働く機会を減らさないためのものとなっています。

減額特例が認められる対象者は、次のようなケースです。

・精神又は身体の障害により著しく労働能力が低い

・試用期間中である

・基礎的な技能及び知識を習得させるための職業訓練を受けている

・軽易な業務に従事する

・断続的労働に従事する

障害者にも適用されることがありますが、単に障害があるだけでは、許可の対象とはなりません。その障害が従事しようとする業務の遂行に直接支障を与えていることが明白である必要があります。また、業務の遂行に直接支障があったとしても、その支障の程度が著しい場合でなければ、許可の対象とはなりません。

減額特例の許可を受けるには、事業所がある管轄の労働基準監督署に許可申請書を提出する必要があります。減額特例許可は申請すれば許可されるというものではなく、減額する理由を明確にし、どのくらい減額するのかを明らかにすることが求められます。


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