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「思い描いたとおり」になんて、ならなくていい

先日、創業支援に関するサービスを行っているところへ訪問した。

完全に個人事業主になって4ヶ月が経ち、生活と仕事のスタイルがある程度落ち着いてきたこと。また、ずっといろいろな視点から自問自答を繰り返して考えてきたこれからの仕事について、自分なりに方向性がまとまってきたこともあり、このタイミングで第三者からのフラットな意見を聞いてみたいと思ったからだ。

そこでは、コンシェルジュの方に事業計画のご相談をさせていただいた。

コンシェルジュを担当されているのは起業経験のある現役の経営者の方々で、ビジネスアイデアのブラッシュアップや実践的なアドバイスを受けられるという、とってもありがたいサービスだ。

限られた時間で有意義な相談ができるように、ちょっと個性的で複雑な(多かれ少なかれ、皆さんそうかもしれないけど)、私の事業計画について全体像ややりたいことを端的に伝えられるよう、あらかじめ準備していったのもあり、すごくためになるお話をうかがうことができた。

いろいろアドバイスをいただいたけれど、特に印象に残ったのが
「誰も最初に思い描いている野望の通りにはならないんですよ」
というお話。

これは「夢は叶わない」などというようなネガティブな話ではなくて、多くの事業を始める方を見て話を聞いてきて、誰しも事業をやっていくうちに思ってもみなかった方向に仕事の幅が広がっていったりするものなので、事業を始めた当初から「こんな道すじをたどって、こんな風に大きくしていきたい」などと具体的に考えられなくても大丈夫(もちろん、大きな野望や目標を持つのはかまわないけど)ということだった。

そう、そういう”広がりのポテンシャル”が、ひとつの病院の看護部にずっと勤めるのとはまた違った面白さがあって、だからこうしたかったんだよなと、すごく腑に落ちた。

3年後も、5年後も、今とほぼ変わらない仕事をし、今とほぼ変わらない生活を送っている自分の姿は、私には想像できない。

だから、私は看護師を辞めたいわけじゃなかったけど、大学院では看護学でない領域を専攻した。

帰国後はあえて大阪を離れて、1人で新しい環境で生活してみた。

いつでも、今より3歳歳をとった自分が、今の自分でも具体的に想像できる範囲で過ごしているのはなんか違うんだよな、と思って選択してきた。

高校生の頃はまさか自分が大人になってから看護師という職業を選ぶなんて1ミリも思っていなかったし、

20代で突然「スポーツ医学を得意とする看護師になりたい」と全財産をつぎこんでアメリカ留学を決意するエネルギーが湧いてくるとも思わなかったし、

30代になってそれらの背景と関心すべてを総合した結果、グラフィックデザインをやることになるなんて、全くの予想外だった。

だから、これでいい、すごく自分らしいなと思う。

看護師としても、アスレティックトレーナーとしても、多くの人がなんの疑問も持たずに「いいじゃん」って言ってくれるような王道キャリアは選べなかったけど、私はそれがいい。だから、すごく面白い。

ときどき思い切って枠からはみ出してみたり、ちょっとずつ何度も軌道修正したりしながら、これからもずっと小さくチャレンジしていきたい。

この世界には、これまでの私の小さな行動範囲にはかすりもしなかった面白いことが、知らないだけで本当にたくさん溢れているのだ。


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