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若葉竜也の眼差し

ドラマ「アンメット」人気が止まらない。
放映が終わっても
いや、終わった後さらにアンメットロスに陥った人が多い。
私も同じく。
主演の杉咲花はもちろん、
やはり今回は、なんといっても
若葉竜也の存在が
大きかったと思う。

彼を「若葉竜也」
という俳優だと認識したのは
WOWOWドラマ
「コールドケース2」だった。
でもその時に既に
彼のことは見覚えがあった。
なんとなく
若き日の
坂東玉三郎を彷彿とさせる
佇まいが印象的だった。
それは彼が
大衆演劇一家の出身で、
チビ玉三兄弟として
小さい頃から舞台に立ってた、
というのもあったのだろう。
後で調べると
かつて見たドラマや映画にも
数多く出演していた。

コールドケースでは
カウンセラーであり、
実は殺人犯だったという
設定だったけど
カウンセラーとして主人公はじめ、傷ついた人たちを
そっと見守る
その柔和な瞳の奥に、
静かな狂気が見え隠れしていた。

ただ、それは結構多くの俳優にもあるパターンだ。
が、
彼の場合はその先に
まだ「何か」があった。

以来、
なんとなく若葉竜也
という名前をみると
ちょっとドキッと 
していた(いろんな意味で)

そして、
昨年衝撃を受けた映画「市子」
これで私の中で若葉竜也は
完全に注目の人、となる。

杉咲花が
世間には存在しない「市子」
を演じて話題となったが
その存在しない「市子」の恋人、長谷川役が若葉竜也で
彼は存在しない
市子の存在を誰よりも認め、
愛した
唯一無二の人の役。

「市子」のラストは
皮肉にもその長谷川の愛が、
逆に市子に
普通の人生を渇望し、そして
(恐らく)破滅に向かって
暴走させていくことを
示唆して終わる。

この「市子」は
元々舞台が
原作だったそうだけど
杉咲花と若葉竜也という2人は
本当に私たちの近くに
ひっそりといる、
そんなことを
思わせるほど
「市子」と「長谷川」だった。
だから、
あのラストは切なくて
尾を引いた。

そんなところへのドラマ
「アンメット」
そりゃ気になるよ~。

張り切って
録画して観始めたのだけど

私はHSPがあって、
特に共感力が強い。
ドラマや小説でも
暴力はもちろん、
陰謀や陰湿ないじめなどの描写は
体調によっては
かなりダメージを受けるので
ドラマの中盤くらいから、
リアルタイムで観るのをやめ
恐る恐る、
感想を見て予習して
追っかけで観たのだけど…控えめに言って
本当に最高のドラマでした。

結局、通しで10回以上観て
さらに自分のお気に入りシーンを繰り返すという笑

どれだけ見ても毎回、
新たな発見があり、
そして毎回同じセリフ、
表情に泣く。

杉咲花ちゃんの 
あの声のトーンは、天才か。

そして何度も流す涙の尊さよ。

大きな口を開け
すいすい運ばれる
焼肉になりたい、と思う。

毎朝の目覚ましの音から
始まる、
絶望の果てのあの笑顔。

そんな杉咲花を毎回受け止め
そして見守り、
切なさを心に秘めて
ぶっきらぼうに、
でも情熱をもっている、三瓶。
若葉竜也の眼差しは、
この三瓶友治のすべてを完成させていると思う。

全話を観た後、再度観なおすと、
改めて
彼の眼差しに
隠された気持ちが
痛いくらい伝わる。
決してわざとらしくない、
むしろ
素っ気ない反応、
なのに
その後に
ミヤビを見る眼差しは注意深く、彼女の記憶の底にある
彼女の強い感情から繋がれる
2人の間の出来事への
一筋の糸を
手繰り寄せるかのようだ。

「アンメット」でも
「市子」でも
杉咲花の演じる主人公は
自分という存在の尊厳を
事故や出生の問題で、
保てないという役だった。
その中で精一杯生きていく。

そんな彼女たちを
見守り、支えるのは
やはりあの
若葉竜也の眼差し、なのだな。

「街の上で」は
また違った若葉竜也が
観られるのでおススメです。


#アンメット
#若葉竜也
#杉咲花
#市子
#街の上で


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