見出し画像

実習について

BSUはD3の学校なので、スポーツやATRの規模はそれほど大きくはありません。うちのプログラムでは、近隣の大学や高校、最近はプロチームなど外部に多くのクリニカルサイトを持っていることが強みです。

主な実習先には、ボストンカレッジ、ハーバード大学、ブラウン大学、タフツ大学、ボストン・チルドレンズホスピタルなどなどなど、2015年秋からはNFLの地元チームであるニューイングランド・ペイトリオッツも実習先に加わるなど、クリニカルコーディネーターはもちろん、学生が自分で交渉するなどの努力によって、クリニカルサイトは少しずつ増えたり減ったりしています。

どんなクリニカルサイトがあるかは、プログラムのサイトに詳しく記載されています。

私は最初のセメスターでは車を持っていなかったので移動の必要がないBSUで実習し、その次のセメスターでは車で30分ほどの公立高校(そこのヘッドが教えるテーピングの授業を取っていたので、顔なじみだったから)、2年目の秋はアイビーリーグのブラウン大学、そして最後の春はブライアント大学(ここも一応D1)で実習をしました。

私の個人的な感想になりますが、雰囲気の参考になるかと思うので以前ブログに各実習先での長所を短所をまとめた記事を転載しておきます。

-----------------------------------------------------------------------

実習も3ヵ所目(+夏のインターン)となり、クリニカルサイトについてそれぞれの場所で特徴があるんだなと最近気づくことがあるので、私なりに長所と短所をまとめてみたいと思う。

①BSUーD3カレッジ

長所:大学なので、ステムやUS、Gameready、グラストンなどそれなりにモダリティを使う。評価もやらせてもらえるしそばにいてしっかり指導もしてもらえる。記録も書く。それなりにダウンタイムもあり、質問しやすく授業で習ったspecial testやpalpationなどプリセプターや上級生と練習したり教えてもらったりできる。リハビリも経過記録を書きながら、ヨガなど色々なエクササイズを取り入れて一人ひとりに丁寧に指導していた。シフト制で、スケジュールはそこまでタイトではない。

短所:大した怪我がない。まともなacute injuryは1回も見なかった。フットボール以外は複数のスポーツを見るので、とくにどのチームにも思い入れがないし、名前も覚えないし、人間関係も特に築かなかった。試合のカバーや練習のカバーをしてもやることは特になく、暇な時間が多い。

②ストートンー公立高校

長所:ストレッチの手伝いが多かったので、色々なストレッチを教えてもらった。ヘッドがキネシオテープの使い手で、キネシオテープの使い方やフィロソフィーも少し教わった。空いた時間には怪我などのレクチャーをしてくれ、スパインボードやスプリントの練習もしてくれた。やたら怪我が多い。出血、骨折、脱臼など大きな怪我をたくさん見れた。フットボールはないのにconcussionやそれに順ずる頭の怪我も多し。リハビリも一人ひとりにじっくりというわけにはいかないが、ベーシックなリハビリを多数行っていた。

短所:ATCがヘッド1人しかいないので、当たり前だけど側で見ていてくれるわけではない。結構丸投げにされることもあって、わからないときは困った。全校生徒相手なので、もう名前とか覚えられない。記録なし(ヘッドの仕事としてはあるけど)。申し訳ないけど、高校生レベルの試合を見ててもあまり面白くはない。

③ブラウンーD1カレッジ

長所:ATCがいっぱいいる。アイビーリーグの一流大学なだけあり、選手の民度が非常に高く、みんな礼儀正しくてとても関わりやすい。ヘッドがかなりのベテラン。時間があればスペシャルテストなどの技術指導もしてくれる。ACLなどの大きな怪我もそれなりに起こる。braceやインナーソールとか、備品?の充実はすごい。週3回ドクターが来る。フットボールについたのでチームの選手とお互い面識ができる。

短所:3人の学生は下っ端なので、下っ端の仕事で忙しく評価やリハビリや大事なことにはほとんど関われない。ゆっくり見学する暇もない。雑用のルーティンをこなすことで一日が終わりがち。意外とモダリティは少なく、短所とまでは言わないがグラストンやマッサージなどマニュアルセラピーが多い。文化なのかankle braceを使うからなのか、ankle tapeが非常に少ない。テーピングあんまりしない。blisterのカバーとかばっかり。記録はATCたちがPCで入力するからやらない。リハビリやエクササイズも、独特のフィロソフィー(PRIとか...)を使っていていまいち何をしているのかわかりにくい。プレシーズンは週7、普段は週6とかなり拘束時間が長く、来ることを要求される。

④ROXー夏の大学生野球リーグのインターン

長所:試合中はやることないけど試合見てるだけでも面白い。空いた時間にテーピングなど練習しまくった。しっかり評価しないといけないことは記録も書いた。肩や背中、腰のchronic injuryについて少し勉強になった。マッサージやストレッチが多く、特に上半身のアナトミーのいい復習になった。子供のベースボールクリニックのメディカルカバーも一人でやって、大変だったけどいい経験になった。小さいコミュニティなので、選手ともヘッドとも他のスタッフとも距離が近い。週に3~4回で忙しすぎず暇すぎずちょうどよかった。

短所:モダリティがアイスとホットパックしかない。野球なのでacute injuryほとんどない。テーピングもない。リーグなので、レッドシャツになった選手は離脱し、代わりに違う選手が入るため怪我をしたあとの経過はもうわからない。

ブラウンはまだ始まって3週間、プレシーズンが終わっただけなのでまだこれからというところはある。

どんな場所にもそれぞれの長所と短所があり、結局どこでどれだけ学ぶかは自分次第だなと思った。

---------------------------------------------------------------------------

最後に書いてある通り、これは2015年の9月ごろに書いた記事なので、ブラウンについてはちょっとまだ包括的ではないかもしれません。

今の実習先であるブライアント大学でもまだ始まって1ヶ月くらいですが、今の時点で思うことを書いておきます。

⑤ブライアント大学ー小さいD1カレッジ

長所:ヘッドはほめて伸ばしてくれるタイプで、優しい。知識や考え方を確認するためにたくさん質問をしてくれ(たとえば、Hip Flexorの名前を3つ挙げてみて、ここについているligamentは?5th metatarsalのfractureの通称は?など)、とても丁寧に指導してくれる。評価やリハビリ指導も教えてくれながら自分で考えてできるくらいやらせてくれる。インターンも含めATCが多く、実習に来る日は曜日別にほかの学生とわかれているので(基本的に週3回)、教えてくれる人も聞く人もたくさんいる。スポーツのレベルは高く、見ていて面白い。ドクターは週に1回くる。Gameready、ステム、Ultra Sound、マッサージなど、バランスよくモダリティを使う。アシスタントにキネシオテープの資格を持っているATCがいて、キネシオテープを積極的に使っているのをよく見かける。

短所:私の授業のスケジュールのせいもあるかもしれないが、一日がとても長い。朝9時にはついて帰るのは夜7時前など。ATRが古い、でも上の階に綺麗な新しいATルームがもうすぐ完成する(2016年4月完成予定)。毎日行くわけではないので、微妙に選手の経過が追えない。

自分が今までで一番できるから楽しいだけかもしれませんが、今の実習先はとても好きです。時間がやたら長いこと意外は不満は特にありません。

実習についてはこれからも少しずつ記事を増やしていきたいと思います。

読んでいただき、ありがとうございます。いただいたサポートは、他のクリエイターを応援するために使わせていただきます。