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自立する3歳児

ステイホーム!緊急事態宣言が行われてから保育園をお休みしている3歳児。小4の姉と小1の兄がいるため、遊び仲間には苦労しない。午前中の勉強タイムには自由気ままに一人遊び。時々在宅ワーク中の父のそばでおままごと。朝散歩では三輪車を全力でこぎ、飽きたら母にデリバリーさせ、自分は父に抱っこされるなど自由ど真ん中で生きている。三輪車を颯爽と乗り回す様は、ドクタースランプアラレちゃんに出てくる皿田キノコそのものだ。最近生意気な言動も目立ち始め、皿田キノコ化が進んでいる。

保育園?なにそれ?状態になってからどれくらいの時がたっただろう。保育園士とクラスメイトが家の近くを散歩ついでに立ち寄ってくれたことがあった。久しぶりの再会だったが、保育園に預けられる恐怖からか担任の保育士とも目を合わさず、お友達からも隠れるうちのキノコ。『キノコは保育園いかないもん。』とかたくなな態度は緊急事態宣言後の慣らし保育をどうすれば良いのか不安が募るばかりであった。

東京の感染者が減り始め、解除への動きが見え始めたある日。お友達と偶然道端で出会った。本当に偶然だったので自然と手を振りバイバイをした。そのあと『次はかずき(保育園の友達)と会いたいな』とぽつり。今まで誰とも会いたくない!もう家にずーっといると言っていたキノコの新しい第一歩だ。

その日の夕方、小学校の登校日の連絡がきた。6月1日から段階的に再開されることもわかった。小1のたいまるはすっかり学校への憧れ薄れ、『げー、学校行きたくねえ』と悪態をつく。それを横目にキノコは『そしたら私は保育園だね。』と言ったのだった。

ハッとキノコの世界を理解できた気がした。なんだ、キノコってば。わかっていたんだな。最近『新型コロナウィルスのせいで』大好きな滑り台が封鎖されていること。スーパーには連れて行ってもらえないこと。保育園には行けないこと。姉ちゃん、兄ちゃんも小学校にも行けないこと。パパも家にいるけど遊んでもらえないこと。千葉のばぁばやじぃじにも会えないこと。新型コロナウィルスが終わったら○○しようね。というたくさんの約束もきっと全部覚えてる。

そういうこと全部色々理解してたんだなぁ。そして、姉ちゃん兄ちゃんが小学校に行くってことは、自分は保育園に戻る時が来たということなのだ。小さな身体で心で今の現実を受け止めて、成長していたね。

ご縁があり、近所にある自然派の認可外保育園に入れている。上の子たちがしてきたことと同じことをと思い、その季節にできることを家でもやってきた。春なので、イタドリを天ぷらに。よもぎを摘んでよもぎ団子を。仲良しのお友達からゆすらうめやジューンベリーが食べごろだよと聞いて摘みに行った。姉と兄が慣れた仕草で取るのをみて真似をする。こうして自粛しても季節を感じられるのは姉と兄の存在も大きい。私も一緒に季節を学んでいる。今日はドドメを取りにいってきた。ドドメ(桑の実)がどこになっているのか、どんな実が甘くて美味しいのか毎年と同じように感じることができ、成長している。

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相変わらず自由で、朝散歩行くよーと誘ってもまだ眠いとごねる。キノコのこと怒らないで!泣いちゃうよ!なんて上手いこと言ったりする。小さな身体で心で一緒懸命に今を生きるキノコ。

慣らし保育の第一歩として、みんなで遊びに行く公園へ行こう。家族で行こう。





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