月の雫
窓に映る月が静かに夜を告げて
読み終えた貴方の手紙淡く照らす
この国へ来て三年ようやく暮らしに慣れました
そちらは皆かわりなく暮らしていますか
あなたの家の前の金木犀が香り出す頃でしょうね
上手くいかない事もありますが私はなんとか元気にやってます
変わらない貴方の力強い文字が逆に寂しくて
海を越えて一人きり言葉も解らぬ土地に立ち
この身がどんなに遠く離れても
心は一つだと
いつかきっと会えるから途方もない約束交わし
同じ空見てあの月の雫に手を伸ばしてる
窓に映る月が優しく夜を告げて
書きかけた私の手紙淡く照らす
この国へ来てはじめて遅れたあなたの便り
別れの朝に見せた顔が浮かぶ
少し疲れた顔に薄化粧して目を潤ませてた
書いては消してまた涙が出るの
本当は励ます言葉書きたいのに
最後に書いた文字が涙で滲んでる
どうかお元気で
海の向こう叫んでも一つも言葉は届かない
それでもずっと祈り続けるの
心は一つだと
いつかきっと会えるから途方もない約束信じ
同じ空見て思い焦がれてるあの月の雫に
あの月の雫に