最後のまたね
朝の日差しにも春の匂い
門出を祝う鳥達のさえずり
人気のないキャンパスに一人来たんだ
さあ君と僕の卒業式をしよう
はじめて会った君はすごく真面目そうに見えて
僕の方は寝ぐせ頭 ボタンの取れたシャツ
英文科だった君と電子工学科の僕が
出会うなんて 本当に奇跡的だよね
少し歩こうか よく行った角のカフェ
いつものね そうさ合言葉
ダブルチョコレートバナナパフェ
最初僕が頼んだ日君は目を丸くして
子供みたいって笑ったけど結局ハマったのは君の方で
毎日遅くまで話したベンチ
誰かのトランペットが聴こえた噴水広場
おつりの出ない自販機 パン屋のコロッケ
駅の向こうに第三校舎レンガの階段
あるもの全てあの日のままでも
隣でいつも笑ってた君の声は聞こえなくて
僕だけを一人ここに置いてくなんて
あと少しでこの学校も卒業だったのに
いつもまたねって手を振ったバス停
喧嘩したあの日は二人黙ったままで
次の日君が空へ旅立つなんて
謝る事さえももう出来ないなんて
僕の時計は止まったままなんだ。
毎日泣いてばっかで社会に踏み出せなくて
こんな姿見たらきっと君は怒るよね
だからもう思い出も卒業しよう
さあこれが最後のまたね
本当に最後のまたね
もうこれが最後のまたね