悪徳弁護士の末路

事実は小説よりも奇なり。

まさに未曾有の災禍の中ですが、

個人の平凡の人生の中にも、それは訪れる。

アリーリタイアをしてちょうど一周り、人生半ば(だといいな)で、次々と起こる奇妙な事件を書いてみます。

今は自営業しています。といっても、私の仕事は自分の資産管理になります。

キャッシュフローを生み出すささやかな資産を構築する期間というものは、いや今もですが、自分の欲をコントロールするだけではなく、他人の邪な欲をも呼び寄せます。

そのゴタゴタにケリをつけるべく、債権回収の弁護士に依頼したことがあります。

しかし、一度騙された人間というものは、傷を軽くしようと足掻くことで更に深い谷へと落ちてしまうことに枚挙に暇はないものです。

そこで更に足掻き、なんとか間一髪で助かった話となりますが、そこでまた終わりではなかったという話をします。

その弁護士は債務者と一度話しただけで何もしてくれませんでした。

もちろん、依頼人である私は着手金を払っています。

それどころか契約時に約束した債務者の調査もしませんでした。

しかし、私はこの件については一生諦めるつもりはないので、裁判所が認めてくれた債権が有効なうちに次の指示を弁護士にしました。

弁護士は動きません。それどころか、私に諦めるよう説得し始めました。

私は怒りを感じました。しかし、憤怒の中にも僅かに知性は残っていたため、訊ねました。(無軌道に怒るとIQが下がる。IQが下がるだけの怒りは無価値)

「あなたは代理人で私は依頼人です。これを止めるかどうかは私が決めることであり、あなたが決めることではないのでしょうか?」

返答はありません。

「私は諦めさせてほしいから、あなたに依頼したわけではありません。弁護士なら、着手金を支払った依頼人に諦めさせるのではなく債務者に働きかけ債権を回収させるのが仕事ですよね?」

そうすると弁護士は弁護士を降りると言い出しました。

こちらは怒り心頭です。金を前払いで得ておきながら、弁護士として働かず、辞めるというようなことを通じはずはないのです。

だって、着手金を得ておきながら、仕事をせず、辞めます。なんていうのがまかり通るのなら、弁護士は必要でしょうか?

着手金の返金を申し入れました。

しかし、理由を問わず絶対着手金は返さない。と言い出しました。

この弁護士の対応を看るにこの手を使って金銭を奪い取ることは初めてとは思えなかった。正直手慣れているように感じました。

私は思いました。ああ、私はまた督促を裁判所に申し立てなければならないのかと。

着手金返金の計画を立てねばならなくなりました。

ほんとなにやってるのか。金を回収するために雇った弁護士に金を持ち逃げされそうとなるとは。

裁判を起こすにも証拠を押さえなければならないので、まずは、弁護士を降りるなら書面にして送るよう伝え、押さえました。

これを手に入れないことには、追い詰められた弁護士が開き直って辞めるなんて言ってない。が、結局、仕事もせず、金も返さずの膠着状態にならないようにした。

そして、この手の弁護士と戦う方法を模索しました。

ありました。所属弁護士会に「紛議調停」を申し立てるのです。


細かい説明は省きますが、弁護士会で話し合いということですね。

模擬裁判を想像してもらうと理解しやすいと思います。

この顛末と、私の言い分と、やりとりしたメールのコピーと弁護士自ら提出してきた解任の書類をまとめ弁護士会に提出、そして弁護士会へ赴くべく飛行機とホテルを予約しました。これが調停申立書および証拠書になります。

私が提出した書類は当の弁護士にも調停の前に届いていたはずなのに、弁護士からは一向に何も送られてきません。緊張して待っていたのに。

そして、明日、飛行機に乗って弁護士会へ向かうというときになって、弁護士会から連絡がありました。

全額着手金を返金します。紛議調停は流れました。

そんな直前に飛行機とホテルはキャンセルできたのかって?

それは聞かないでください。ううっ(´;ω;`)ウゥゥ

弁護士に正義は全くなく、答弁書すら出てこなかった訳です。

このとき感じたのは、この弁護士はいきなり独立(「即独」)し、債権回収業務を行ってたわけですが、おそらく、裁判所で実際戦った経験はないか、ほとんどないレベルの弁護士だったのでは。

弁護士のキャリアパスの話はここでは省きますが、気になった方は検索してください。

めでたしめでたし。。。。しっかーし、ここで話は終わらないんだよ。

このレベルの話なら、私の胸にしまっておいてここに書いたりしない。

つい最近、あの悪徳弁護士が今はどうなったか気になったので、弁護士事務所を検索してみた。


そ、し、た、ら、

ご本人は、地方裁判所で有罪くらい、執行猶予つきではあるものの懲役刑をくらっていました。

懲役刑というと「刑事裁判」にかけられた。ということです。

弁護士事務所は解散、新聞記事に犯人ということで名前がしっかり出ました。

なんか私とやりあったあと所属の弁護士会を変えて禊し(おそらくもともと素行不良だったのでは)、その弁護士会からもこの犯罪で除名処分。

しかし、弁護士の免許は日本では取り上げられないそうです。10年も経てば弁護士としてまた業務もできる(らしい)。日本の三権分立制度すげーw。

弁護士の当たりハズレは、依頼した時には知りようがないのですが、とんでもない大物に当たってましたね。

国を欺いた金額は非常に大きいものになっていました。裁判官は「非常に悪質」という判決文を残していました。

金さえ手に入れば平気で違法行為をする。守るべき法を進んで破る弁護士がいる。泣いてすがる依頼者を平気で食い物にする。

そんな悪人がそばにいる。これが現実なんだぜ。

仔細を追えば、退屈な日常の繰り返しとは程遠い。

同じような日々が続くと変わらないと思い込んでしまうのが人間だけど、この一年はその前の一年とは全く違いましたね。

こうなってしまうと「高度成長期こそがまぼろし」だったのではないかと思えてきます。

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