2023年の1冊目『アジア・太平洋戦争』

2023年の1冊目(1/7)


吉田裕『シリーズ日本近現代史⑥ アジア・太平洋戦争』岩波新書(2007年)★★★

 本書は、1941年12月に始まり1945年8月に終結した「アジア・太平洋戦争」、その5年弱の通史である。帝国書院の歴史図説を参照しながら読み進めた。当時の日本の政治・経済・社会の状況と、戦争や戦場の実情がバランスよく描かれており、大変わかりやすい内容だった。
 ミッドウェー海戦の敗北、ガダルカナル島撤退、アッツ島の玉砕、インパール作戦の失敗、レイテ決戦、硫黄島・沖縄の戦いの実情を描く中で、その背景として日本国内の状況、中国大陸の状況がわかりやすく説明されている。
 また、総力戦の遂行が旧来の社会秩序や社会関係を大きく変化させたとして、具体的に、社会政策の充実、労資関係の変容、寄生地主制の変容、「動員」による女性の社会進出を挙げている。
 今年は、意識して、日本の近現代史に関連する本を読み進めていきたい。