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お風呂

皆さんはお風呂が好きですか?

私はけっこう好きな方です。日本人にとってお風呂はひとつの癒しの手段だと思います。湯船に首まで身体を浸けた瞬間、「ふうっ」という息とともに心や身体の汚れがなんとなく排出されていくような感じがするものです。

一人暮らしで、シャワーで済ませることがほとんどになっても、数ヶ月に一度程度は湯を張り、せっかくだからと30分程はボーッと浸かっていました。当時は意識したことが無かったけど、きっと実家のお風呂の感覚が好きだったんではないかと今は思います。

なぜなら、私が幼い頃、うちの実家のお風呂は普通ではなかったのです(高校生くらいで気がつきました)。

五右衛門風呂

私が子供の頃はガス給湯システムが完全に普及していた時代。1980年代です。

実家のお風呂はいわゆる【五右衛門風呂】でした。

といってもドラム缶や釜のデカイやつのようなものではなく、浴室内に陶器製の湯船があり、浴室の隣の土間側から薪で湯を沸かすといものです。

実家は農家でした。祖母と母が夕方になると早めに仕事を終え、祖母はお風呂を準備し、母は夕食を準備する。それが毎日の日課であり、私が小学3年生になった頃からは、風呂を沸かすために使うための薪を割って準備することが私の日課になっていました。

温度調節は適当で、基本的には熱めに沸かします。水でうめすぎると後の人のお湯がぬるくなってしまうので、熱めで入るのが普通でした。子供の私にとっては、まだお湯が熱すぎて入れないと思うこともよくありました。私が熱めのお湯が好きなのはこれのせいかもしれません。

湯船は火で炙られているので、沸かしたばかりは当然熱い。なのでスノコを湯船の中に入れ、横の壁に触れないように体育座りの様にして入浴しなければなりませんでした。

あまり普通ではありませんよね?

ガス給湯システムの導入

私が中学になる頃にガス式の給湯システムが我が家に導入されました。好きなときに沸かせ、シャワーヘッド付きの蛇口もインストールされ、誰でもいつでも好きな時に入れるものになりました。それこそ朝でもシャワーを浴びることが出来ます。

早めに寝る祖母が夕食後に、その後に妹達と父親、母親が思い思いの時間に入り、私は寝る前にシャワーだけで済ますというスタイルが次第に出来上がっていきました。

とても便利でしたが、しばらくして私はこれのデメリットに気が付きました。

ガス給湯になってから、入浴後にすぐ湯冷めしてしまうのです。これには母親も同意見で、しっかりお湯で温まっても、体の芯まで温まらないと言っていました。

当時は気のせいかと思っていましたが、高専で科学を学んだことで、それが遠赤外線の効果だったと理解出来ました。そう考えると、なかなか貴重な体験をしていたのだと思わずにはいられません。

現在の風呂

ミシガン州で購入した家には湯舟があり、日本にいなくとも入浴することが出来ています。当たり前ですが五右衛門風呂ではないので遠赤外線効果はありませんが、ゆっくりとお湯に浸かることでリラックス効果は十分得られています。


こうして私自身のお風呂に対する経験をNoteに書くことで、自身の入浴に対する感覚を再確認することが出来たのは意外でした。

コロナの影響で、しばらく帰国することは難しい状況が続くでしょう。日本で旅行し、温泉を楽しむことが出来るのはいったいいつのなるのか見当もつきませんが、そのうち来るであろうその時まで気長に待つことにしようと思います。

景色の良い露天風呂、至高の時を。

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