『君に叱られた』その1

※タイトルと本文は関係ありません。

私は長年(と言っても5年くらい)キャンパスノートに日記を綴っていた。
普通の出来事は黒のボールペン、悲しい出来事は青いペン、腹が立ったことは赤いマジック。
時にはページが真っ青になったし、ある時は行間無視の真っ赤な文字が数ページに渡って書き殴られたこともあった。あまりに辛くて1冊のキャンパスノートを1ヶ月で書き潰す日々……。
それらは2穴パンチで穴を開け、閉じ紐で綴られている。引っ越す時もダンボールに丁寧にしまい、新居で気持ちも新たに読み返す。蘇る怒りや悲しみ。常にフレッシュな苦い記憶。

……という話をうっかり今の職場の上司にしてしまった。

上司(男性)は私(女)と同い年だ。入社日も同じ。
2人しかいない事業所に、上司と部下である。
おのずとどうでもいい話に花が咲く(仕事しろ)
すると上司は何故か私の言動に爆笑するのだ。「この人、そんなに人生つまらないのかな?」と心配するくらいに。
話の内容は本当に些細なことだ。「咳をしたら鼻血が出てしばらく止まらなかった」とか「Amazonで化粧品を買ったら何故かWebカメラも一緒に買っていて先に届いてびっくりした。職場でどうにか使うからこれは経費で買ったことにならないか」とか「私は平熱高めで37.0℃あっても平気だから大騒ぎしないで」とか「主治医に『ゆっこさんは喘息持ちだからコロナにかかったら100%死ぬ』って言われてる」「ワクチン2回打ちましたって報告したら主治医が『死ぬ確率が50%に下がった』って言ってました」とか

私の日常を普通に話しているだけなのだ、が

普通ではない、と上司は爆笑しながら否定する。そして決まってこう言う。

「本当にゆっこさんは面白いね」「面白いから!自信持って!」

私は他人に自分の所業を笑われたいわけではないのだ。「面白い」という評価を必要としている仕事ではないしそんな生き方もしていない。

「何でそんなに笑うですか」
「だって……面白いじゃん……」
「バカにされてる……」
「してないよ!」
あ、そうか!私は上司にバカにされているんだ!!!
込み上げる怒りと悲しみ。
そうして言い放った私の言葉が

「今日の日記に書いてやる!!!」

つづく。

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