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魔界への入口。時速1キロ

昨日は採用面接解禁だそうな。


トントントン

どうぞ。お入りください。

・・・時速1キロでやってくる。

失礼します。私は○○大学●●学部4年の××と申します。

どうぞおかけください。

では自己紹介してください、学業はどうでした?サークルはどうでしたか?アルバイトは?志望動機は?と。
魔界の番人は聞く。魔界の入門のための審問マニュアルだからだ。


何百人も面接してきた。

そのなかでもいちばん苦戦するのは新卒者の面接と採用。魔界の入口のためになにかとルールが多い。魔界の定めを知らないためにおきて破りが常。

魔界の中でも売り手市場の業界が故、スキル評価はできないのでポテンシャル、モチベーションをペースとしたマイルド評価になる。圧迫ぎみにも迫りたいがハラスメントになりそうで踏み込みづらい、かといって突っ込んだ議論をしようとしても社会経験がないためロジックは空虚だ。

畢竟、被面接者の得意分野をフィールドとした話題にした展開にせざるを得ない。そうすると舌鋒滑らかに語る語る、その流れを汲みつつ少しずつ切り崩しにかかり、本心に迫っていく、成長するかな?悪いことしないかな?過去の事例を記憶の彼方から引き出し比較する。魔界入門者の新卒の採用面接はこんなストーリー。売り手市場の求人は妥協の産物。Bestな選択ではなく、NGな選択を回避するための模索になる。

でも、厳選して彼ら彼女らを絞り込んだとしても10年後、いや5年後ですらどうなっているのか予測不能だ。能力が爆発的に開花することもなければ、その逆のパターンもないだろう、会社だって潰れているかもしれない。
保証はしないし、するつもりもない。

君が魔界で活躍できるかどうかなんてわかりはしない。

ようは君が魔界に何を望んでいるかが唯一無二の方向舵なんだ。ソナーと双眼鏡に頼りきったらだめだよ。
五感を研ぎ澄ませ、時代の香りを嗅ぐんだ。
あきらめるんじゃない。 

魔界は魑魅魍魎。
入口までは時速1キロ。

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